「旅する家」とはなにか 12
12 2016年の活動について
私としては、来年度も「旅する家」で、「表現」を行っていきたいというのは変わらず、さらに継続してゆくことでその面白さの底上げをしてゆきたいと思っています。
ここでの「表現」のためには、そのモチーフとなる地域の文脈が重要であると述べましたが、常陸太田はまだまだそんな歴史や文化がたくさん残っている場所だと思うので、やはりこの土地にゆかりのある行事や儀式をベースに、それを自分たちがどのように組み替え表現してゆくのかに軸においた活動をしたいというのが私の意向です。
ただ、前にも述べたように内側だけの興味では発想や表現が煮詰まってしまう危険があるので、新たな視線に出会い、柔軟な姿勢を持つために、外部からアーティストを呼んでのワークショップなども開催してゆきたいと思っています。そして、そのようなゲストのワークショップで得たものの実践と、成果発表の場や機会として、「旅する家」が機能しないかと考えています。
これは、各ワークショップを単発で終わらせるのではなく、あるテーマを持って連動させたほうがより深い価値につながってゆくということと、ゲスト自体も「旅する家」のモチーフがあることで、常陸太田の歴史や文化とリンクしやすくなり、活動がここで行われる意味の強まりや、ゲスト自体が太田の文化に興味を持ってもらうきっかけになることが期待できます。地域の内部をよく見るための視点を、外部につながることで会得するような、「旅する家」の活動と、ゲストアーティストの活動の両者が補完しあう関係性を持って、進めてゆければと思っています。
次のページはそれらをふまえた来年度の活動のイメージです。
・「旅家アートスクール」年3回
ゲストアーティストを呼んで、ワークショップなどを行う。
3回のゲストが別々なのか、通年で依頼するのかは未定。
テーマやモチーフを「旅する家」、もしくは常陸太田に絡める
・「旅する家イベント」
1年の活動を通した、集大成的催し。
常陸太田のもつ風土、行事などや、アートスクールで得たものを題材とする。
催しには不特定多数の人を招く。
基本的には今年の完成式とその過程のイメージ。
〈スケジュールイメージ仮〉
12月 会議 防腐剤塗り
1月 新年会
2月
3月 「アートスクール」
4月
5月 「アートスクール」
6月
7月
8月 「アートスクール」
9月 会議
10月 会議
11月 準備
12月 「旅家イベント」
旅する家 家訓
・「旅する家」の活動は、常陸太田市の地域と、この活動に関わる人たちのために行われる。
*時として両者の利害が一致しない場合は、その折り合いをどうつけるかを思考する。
・「旅する家」は日常の中に新たな居場所や時間を作るための場であり機会である。
・「旅する家」は、過去を知り、今を生み出すための場である。
・「旅する家」は、家と旅の特性を生かし、こことどこか、わたしとあなたの間を行き来する。
・「旅する家」は、参加者自身が主体となって活動する。