「コイノボリ」
第282話 2015年7月27日新潟県十日町市
ある池に鯉が泳いでいました。
隣の池に行きたかった鯉は、ジャンプして無事池にたどり着きました。
でも狭かったので、また池に戻りたいと思い、人間に相談しました。
人間は水槽を持っていたので、これに入っていかないかと勧めましたが、
鯉は嫌がり、池の底を掘り始めました。
どんどん掘っていくと、もといた池を通り越して、
海についてしまいました。
そこで鯉はクジラに出会いました。
クジラは鯉を呑み込むと、潮を一緒に吹き出し、
元の池に戻してくれました。
また隣の池に行きたくなった鯉は、
人間に水槽に入って連れて行ってもらいました。
お腹がすいていた鯉は、小さな小さな魚を見つけて食べました。
そこで鯉はクジラに助けてもらったのに、
自分は小さな魚を食べてしまったことに、罪悪感を感じ始めました。
そして、鯉は山に旅に出て滝に打たれ、滝を登って空へ飛んでゆきました。
お題:鯉
記号:◆佐藤(司会)◇加者*会場の様子
◆「あるところに、鯉がいたそうなんですが、これはどこにいたんですか?」
◇「ある池の中。」
◆「池の中にいて、鯉は何をしてるんですか?。」
◇「泳いでる。」
◆「どこに泳いでいってるんですかね?」
◇「隣の池に。」
◆「隣の池にはどうやって行ったらいいんですかね?」
◇「ジャンプ!」
◆「ジャンプして、どうなった?」
◇「無事着陸した。」
◆「無事こちらの池に着いた鯉は、どうするんですか?」
◇「来たけれども、狭かったのでまたもとの池に戻りたくなった。」
*会場笑い
◆「また戻りたくなった。どうやって戻りましょうか?」
◇「誰かに助けを求めました。」
◆「誰に助けを求めましょうか?」
◇「(小さな男の子、佐藤を指さす)。」
*会場笑い
◆「僕ですか!?じゃあ、鯉に助けを求められて、私はなんと言いましたか?」
◇「ちょっと待ってね、水槽を持ってると。」
◆「何か水槽みたいなものを持ってるんだよと・・そしたらどうなりますか?」
◇「入りたくない。」
◆「あらら。じゃあどうしましょう?」
◇「じゃあ池を掘ろうと、掘り始めた。」
◆「鯉は池をどんどん掘り始めて、どこまで掘るの?」
◇「3回。」
◆「3回掘って、どこまで行くんですか?」
◇「最初にいた池を通り越しちゃう。」
◆「通り過ぎちゃった。じゃあどこに行っちゃうんですか?」
◇「海。」
◆「海まで行っちゃった。これは、どうしたらいいですかね?」
◇「これは、海水になっちゃったってことですよね?。」
◆「そうですね、彼にとってはあんまりよくないかもしれないですね。」
◇「え~っと。じゃあ、クジラに会いました。」
◆「鯉はクジラに出会って、どうしましょう?」
◇「えっと、鯉をクジラが食べて、潮を吹いて、噴き出して、また池に戻す。」
*会場「おお~」と拍手。
◆「だいぶまとめられちゃいましたね。やっと、彼は池に着いて、どうする?」
◇「またその小さい池に行きたくなる。」
◆「また行きたくなる。じゃあどうしましょう?」
◇「またお兄さんに水槽に入れていってもらう。」
◆「水槽に入ってまた池にもどると。この鯉はずっと移動を繰り返してますけど、いったい何がしたいんですか?」
◇「お腹がすいていた。」
◆「なるほど、空腹だったと。じゃあどうしたらいいでしょう?」
◇「小さな小さな小さな魚を見つける。」
◆「めちゃくちゃ小さな魚を見つけて、どうする?」
◇「捕まえて、食べる。」
◆「食べて、お腹い一杯になりましたか?」
◇「悲しい気持ちになった。クジラは自分を助けてくれたのに、自分は小さな魚を食べちゃったから。だから、罪悪感を感じ始めた。」
◆「罪悪感が出てきて、どうしましょう?」
◇「罪の意識を抱えた鯉は、旅に出ます。」
◆「旅に出ちゃう。どこに向かうんですかね?」
◇「山。」
*会場笑い
◆「山に行く。そして、どうする?」
◇「山に行って、滝に打たれる。」
◆「修業みたいな感じですね。滝に打たれて、身を清めて、最後どうなっちゃうんですか?」
◇「滝を登って空へ。」
◆「滝を登って空へ飛んでいってしまいました。めでたし、めでたし~。」