インタビュアーは「話す力」も大事だなと思った話
満足度の高いインタビューができたときって、何が良かったのかな?と振り返ってみると、聞き手である自分自身が「うまく話せた」ときなのかなと思いました。
「話せた」というのは、「相手の話の要約がうまくできた」という意味です。
私はよく、質問の代わりに、「〜ということなんですね」と、今相手が話した内容を短くまとめて確認するようにしています。横で聞いていると、「それ、相手が話したこと繰り返してるだけやんけ」と思われるかもしれませんが、これが結構インタビューの肝のような気がしています。
なぜかと言うと、多くの話し手は、「自分の話は相手に伝わっているか」と不安に思っているから。あるいは「こいつは自分の話をするに足る相手か」と疑っているから。
話し手が不安や疑いを抱えているうちは、本音を聞いたり、話の核心に迫ることはできません。
だから、できるだけ早くそうした気持ちを溶かしてあげる必要がある。
そのためには、ただ頷くことよりも、次の質問することよりも、いま話してもらったことの「要約」することが一番効果があるなと実感しています。要約だけは、本当に相手の話をわかってなければできないからね。
特にインタビューの序盤でこれをうまくできると、「ちゃんと伝わってるんだ」と安心した表情をしてくださる方が多いです。
もちろん、私もいつも100%できてるわけじゃないです。相手の話が難しいときや、はじめて聴く分野のときは本当に必死。
要約した内容が、間違っていることもあります。「いや、そうじゃなくてね」と訂正されることもある。
でも私は、それでもやらないよりはいいと思ってます。相手の訂正によって「ここまでお互い理解できたね」と確認し合えるし、少なくとも一生懸命理解しようとしている姿勢が伝わるから。
間違ってたらどうしよう、と思うとなかなかできないけど、「間違ってたらすいません」と、相手に飛び込む勇気も必要だなと思います。相手が機嫌を損ねない程度に。
インタビューする側って、つい「いかにいい質問をするか」ばかり意識が偏ってしまいがちだと思いますが、質問は、インタビュアーがやるべきことのごく一部に過ぎないなと思ってます。
「あなたの話をちゃんと理解していますよ」と、言語/非言語で伝えられるようになると、表面的でないインタビューができるようになってくるんだと思う。「要約力」はそのために必要な力。頑張ってついてくぞ。