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相談員というお仕事

環境 ×  教育
に関することを発信しています!

今年度から週に数日ですが、
大学の相談室で
相談員というお仕事をさせてもらっています。

環境のことを伝えていくためには
探究という形でやりたい。

探究をするためには
安心して自分の気持ちを伝えられる
場作りが欠かせない。

安心・安全な場の作り方について
対個人という関係性の違いはあるけど
学びになるのではないか?
また、今までの仕事で学んだことが
少しでも活かせるのではないか?

そんな思いで、初めての職種でしたが、
ご縁に飛び込ませていただきました。

精神疾患や発達障害の診断をもっている学生もいます。
まだ診断はもらっていなけれど、
眠れない、朝起きられない、人の目や評価が過度に気になる、すぐに泣いてしまう…
身体に明らかな変調をきたして、
もうこれはいよいよマズいぞと
相談にくる学生が
1日に1人〜2人くらい来ることが多いです。

4月からはじめて、もうすぐ3ヶ月。

私が今1番感じていることは
子どもへの母親の影響力の強さと
人は外から見た様子と内面は違ってるということ
そして、子どもたちを取り巻く社会の怖さです。

母親からの影響


先日、自分がすごく性格が悪くなってしまった気がする
友だちにどう見られているのか不安だ
という子が来所しました。

なぜそのように感じるのか?と
少しずついろいろと聞いていくと、
母親が毎日テレビに向かって女性芸能人の悪口を言っているそうなのです。
「この人はかわいいと自分で思っている。
自意識過剰だ。」と。
それでいて自分の娘には
「あなたが1番かわいい」「アイドルみたい」と言う。

その子は「あなたはかわいい」と言われる母親から
同時に「自分をかわいいと思うことはいけないことだ」
というメッセージを受け取り続けていて
混乱しているのだと話してくれました。

だから、美容や洋服にお金をかけることは
いけないことだと感じてしまう。

だから、友だちの前でも、
自分を必要以上に卑下してしまう。

それで友だちから嫌われてしまうのではないか
と思ってしまうのだそうです。

このように最初の相談は
友人関係のことだったり
身体の変調のことだったりしても、
よくよく話を聴いていくと
母親との関係性になにかがありそうだなと
感じるケースがとても多いです。

明らかなネグレクトや
ヤングケアラーの子もいますが、
そのような問題を抱えていなくても
親にありのままを受け入れてもらっているか否かは
子どもたちだけでなく
もう大人に見える若者の心の問題にも
影を落としているのではないかと
感じずにはいられません。

そして、どんなに酷い状況でも
ほとんどの子が
母親を心配し、
母親から認められたい、
愛されたいと
今だに思っていることが
話の端々から感じられるのです。

見えている姿と内面のギャップ

まだ、こうやって相談にきて
話ができる子はいいのです。

先ほどの話の彼女が
自分に母親の影響があることを感じ始め、
言葉で表現できるようになったのは、
大学4年生になってからでした。

なぜ自分が苦しんでいるのかを
言葉にできない子は大勢いるんじゃないかと感じます。

学食でお昼ご飯を食べていると
相談に来たことのある学生さんが
友だちと一緒にいるところに出会うことがあります。
笑って楽しそうにしているけど
相談室では本当の気持ちを泣きながら話す。

相談室で相談してくれれば、
カウンセラーに繋いだり
病院に繋いだり
学科や学部の先生に繋いだり
時には外部の支援機関に繋いだり
することができます。

でも、実はうまく言葉にできないけれど、
楽しそうに見えているけれど、
本当は悩んでいる学生も大勢いるのかもしれないな…と
最近思うのです。

大学生でもこの状況なので
小学校、中学校、高校では
どうなんだろう…
言葉にはできずに悩んでいる子を
誰が助けてあげられるのだろう…

そんなことを感じます。

(東京都のスクールカウンセラー雇い止めのニュースも
記憶に新しいですね…)

偏差値や学校名で優劣をつけることの恐ろしさ

そして、大学生になってから
つらい思いをしている子たちの中には

ずっと優等生だった
ずっと周囲の期待に応え続けていた
そんな子が
少なくありません。

偏差値や学校名で
人の優劣をはかるような状況は
こんなにも子どもたちを
精神的に追い詰めているのかと
愕然とします。

本来、大学で何を学ぶか?が大切なはずが
どこで学ぶか?が重要視されている社会。

私自身は、社会に出てみてば
どこの大学出身か?なんて
あんまり関係なかったなぁと
思えますが、

今そこに生きている学生にとってみたら、
どこの学校で学ぶか?が
重要であるというメッセージを
どこかから受け取り続けてきたのだろうなと
悲しくなります。

私は相談員なので、
専門的なカウンセリングをすることはできませんし
病名を付けることも
薬を出すこともできません。

それでも
話を聴いて
気持ちに共感して
こんな方法があるよと
八方塞がりに見えているその子の風景に
少しだけでも光が差し込むように
してあげられたらいいなと思っています。


様々な課題が見える
相談員というお仕事。
また気付きがあったら
投稿したいと思います。






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