連載 イチロー部屋のイッピン73.ムネリンとイチロー
ムネリンこと川崎宗則は、「イチローさんと野球がしたくて」と、2012年シアトル・マリーナーズ限定でのメジャー挑戦を決めた。2月18日マイナー契約の招待選手としてスプリングトレーニングに参加する。この写真は、 スプリングトレーニング初日のイチローとムネリンのツーショット。
3月28日東京ドームでの開幕戦にムネリンは残れるか。ムネリンはオープン戦に12試合出場し内野手最高の打率3割7分8厘の数字を残して30人の日本行きメンバーに入った。しかし開幕メジャーは28人。3月26日の巨人とのプレシーズンマッチで、川崎は3打数ノーヒットに終わる。
試合後監督室に呼ばれた。と、いうことはイコールマイナー落ちに違いない(頭は真っ白)。しかし、「開幕メジャーはお前だ、これ(契約書)にサインしてくれ」と監督に言われたという。
ロッカーに戻ると、イチローさんも感極まって、両腕をぐっと肩に抱き寄せて、背中を二度、叩いて、こう言ってくれたという。「ムネ、頑張ったもんな」
2013年8月21日ヤンキースタジアム。ブルージェーズのセカンドには先発出場のムネリン。イチローは第一打席でレフト前にヒット!なんと4000本安打の記念ボールがレフトからムネリンの手の中に、“本気で他のボールにすり替えて、持ち帰ろう”と思ったという。
これ以上の“野球の神様からのご褒美”はないだろう。