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連載 イチロー部屋のイッピン76. ジェイのTシャツと缶バッチ
3000本安打を達成した2016年シーズンのラストゲーム。イチローは、マルコス・ジェイに「あなたは一番のファンです」と、サイン入りユニフォームを手渡した。
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ジェイは、毎試合マーリンズベンチの最前列真中に座り、自分で作った“ICHIRO 3000 HIT COUNTDOWN”のTシャツを着て応援をしていた。Tシャツには、3000本安打までの残りの安打数が書かれている。イチローがヒットを打つと、近くのファンにその数に「✖」と、新しく「マイナス“イチ”の数」を書いてもらう。この儀式が、大偉業達成までのヒットを目撃した「証」となるのだという。
イチローが史上30人目の3000本安打を達成すると、ジェイは「MR.3000」「ALL TIME INTERNATIONAL HIT KING」の缶バッチを、みんなに配って大偉業に花を添えた。
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2017年、私はイチローの46試合を応援した。その初日、ジェイはいつものように「こっちに来いよ!」と手招きしてくれる。そして「これを着て応援しろ!」と、Tシャツをプレゼントしてくれた。背中には、サングラスを掛けたイチローの顔。 なぜ背中に!? こんなに大きく!?
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イチローがネクストサークルからバッターボックスに歩き始める。私はさっと立ち上がり観客に“イチローコール”の音頭を取り始める。イチローの視線が、背中に鋭く突き刺さってきた。
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ジェイは、「してやったり!」と満面の笑顔だった。