連載「イチロー部屋のイッピン」51.イチローの神対応サイン
連載「51」は、イチローの“神対応”サインのユニフォームしかない。
2015年5月20日の試合前、イチローが、右ひざをグランドに付けてサインをしてくれた。
― ほんとか!?(サインを)書いている。早く書き終えてくれ!わぁ#51も書いている。―
「ありがとうございます。怪我に気をつけて、3000安打を達成してください!」と、
右手を出してお礼をした。なんとイチローは、頭を深く下げて右手を握ってくれる。私も、慌てて頭を深く下げた。そして、この時のために考えに考え抜いた“とっておきのセリフ”を伝える。
「金箔を一枚、一枚貼るようにヒットを打ってください。私も同じ気持ちで、一打席、一打席、イチローさんを応援させていただきます」
イチローは、“いいことを言うなぁ!”という顔で、頭の後ろを右手で触り、照れた様子で微笑んでくれた。
「(イチローは、)クールに振舞ってはいるが、実は気持ちの優しい、ナイーブな男でもある。グランドに立って戦闘モードスイッチをオンにしている時は、常に『イチロー』という分厚い仮面をかぶり、決して心の奥底を覗かせることはなかった」(ICHIROINTERVIEWES2000-2019」/石田雄太著)
「もう!死んでもいい!」と叫んだのは、“神対応”サインだけではなかったことを、イチローが、現役を引退したあとに分かった。
※ なぜ、神対応のサインとなったのか?は、「One-sided love with ICHIRO/イチローへの片想い」(ユーフォーブックス)を読んでほしい。