理想が叶った2回目の結婚 (3)
4歳年下の(内面に限り)超タイプな男子から猛アプローチを受けた、バツイチ・三十路・バリキャリのわたし。しばらく遠ざかっていた、本気と書いてまじの恋愛に発展するのか?!
あっという間に取り戻しました
かつての恋愛感覚。補助輪無しの自転車に乗れた人間は、補助輪無しから再スタートできるものなのですね。
価値観・食の好み・好きなこと・嫌いなこと、びっくりするほど何から何まで本当にピッタリでした。
10代のうちに父親を亡くしたという境遇も、2人の距離がぐーっと近づく重要な要素でした。
そして何より、こんなわたしをすべて受け入れ、何の躊躇いもなく大好きだと言ってくれるなんて…。
速攻に対する防御
そうなんです。幸せだったんです。久しぶりに幸せだなーと思えたんです。
もう結婚するしかないじゃんと思い、結婚したいと申し上げましたら(また自ら言いましたよ)、まさかの「待て」。
当時彼は20代。30歳になるまで待ってくれと言われました。彼が30歳になると、わたしは34歳。わたしの答えは...。
「待ちまーす!」
そんな軽くはなかったけど(笑)。特に迷うことはありませんでした。「結婚がしたい」のではなく、「彼と居たい」という想いしか無かったので。
確かに、自分が彼の立場だったら「まだ結婚しなくていいかも」と思いましたので、妙に納得しました。「結婚しないなら別れるぅー」という選択肢は無かったです。
第二の壁
仲良きままに月日は経ち、30歳を迎えた彼。ようやく結婚できるぜーと思いましたが、新たな問題が発生しました。
彼の母親が2人の結婚に猛反対だったのです。
そりゃそうでしょうよ。大事な一人息子、超優秀に育てあげた息子、旦那様の忘れ形見でもある可愛い息子。彼女自身も超優秀な方で、某国立大教授として現役で働いていらっしゃいました。
どこぞの馬の骨かわからない、ついでにバツイチだし、三十路女だし、受け入れるのは至難の業でしょう。
そんなお母さまでしたが、彼の熱心な説得により、渋々会ってくださることに。何を言われようとも我慢しようと、心に誓って臨みました。
ホテルのラウンジだったかな。ご挨拶を交わす前、彼女の姿を遠くから見た時、表情の険しさが見て取れてしまい、心が折れそうになりました。
はじめましてのご挨拶の後、プレゼントを受け取ってもらい、そこでほんの少しだけ、壁が崩れた気がしました。彼の合いの手に助けられながら、お話すること数分。
彼女が放った言葉に驚愕しました。
「なんて聡明で可愛らしい方」
この時ほど、わが母に感謝したことはありません(いや、もっとたくさんあるけど)。わたしがわたしであるように、育ててくれて、本当に本当にありがとう。あなたの娘でよかった。
その後はとんとん拍子に話が進み、晴れて2度目の結婚届を提出することができました(彼は1度目)。
そして、本人たちは至って満足でしたが、傍から見ると、ちょっと奇妙な結婚生活が始まったのです。
振り返ってみて
「なんて聡明で可愛らしい方」と言ってくれた、あの時のお顔は、今でも鮮明に覚えています。彼女もきっと緊張していたんだと思います。打ち解けてからのお義母さまは、初見の印象とはまるで別人でした。
わたしの数億倍聡明で、思いやりのある、素敵な女性で、その日のうちに大好きになりました。やはり、頭の良い人には弱いです(笑)。すぐ惚れちゃう。
「職業婦人」という言葉を使ってらして、「あなたのこと応援するわ!」と力強くおっしゃってくれました。彼とは別に、お義母さまとの強烈な思い出がたくさん残っているのですが、またいつか書きたいなと思っています。
さて、年下の夫とスタートした2回目の結婚生活は、俗にいう〇〇婚でした。
つづく
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