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普通のおじさんが税理士目指して25年もかかっちゃった件#59 ボリュームB
ボリュームAでは入力、会計業務について書いたので、ボリュームBでは税務について最近思うことを書きます。
ウルトラC!!
令和7年の税制改正で103万の壁が123万に上がりました。上げてもらった以上国民民主党は動きにくくなった、若しくは顔を立ててくれたのでホッとしているかも知れません。
1)基礎控除を48万円から58万円に
2)給与所得控除最低額を55万円から65万円に
で合計123万円に。
良し悪しは別として、これ考えた人凄い!財務省職員であれば拍手喝采でしょう。それとも税制改正だから自民党の職員さんや秘書さんでしょうか?時代劇で言うところの「そちも悪よの~」です。
基礎控除は仕方ない(税金的には)。ですが給与所得控除の最低額を10万円あげたところで影響ってえらい少ない。普通に会社勤めしている人については、もはや、な~~んにも関係ない。10万円分だけ税金が減る効果のみです。国側からしたら「被害」を最小に抑えたということ。
しかも、地方税については影響が大きいとして従来どおりとしたので住民税は何も変わらない。
つまり、所得税の一番税率が低いところの人は5%、よって5,000円だけ税金減ります!!ってだけで終了~~!あれだけ大騒ぎしてこの結果。
おそらく178万円に向けて「協議」します、としましたのでおそらく協議してじわじわ178万円に近づくのでしょう。
ですが、その代わりに何か理由付けて増税すると思いますよ。「CO2排出抑制税」とか「カーボンニュートラル整備税」とか作り出すのでは?「自然災害復興対策税」なんかもありかと。
ガソリン税の暫定税率も「調整が間に合わない」という理由で令和8年から廃止としましたから、おそらく令和7年中にこれにかわる税目考える、若しくはかガソリン関連の税目税率を上げるか何かしてくると思いますよ。
それで、「ほら、ちゃんと下げたでしょ」ってことにするのでは?
住民税が変わらないのは痛い!!
所得税は累進課税です。最低税率は5%で控除項目の金額も住民税に比べるとちょっとだけ高い。
住民税は一律10%です。だから税制改正でここが変更されなかったので正直痛いっす。自営業者が地方自治体へ納める金額はこの他、社会保険料も納めます。「わたし」の自治体の場合、10.83%のようです。住民税と併せて20.83%!!!!悪いことに社会保険料は税金のような控除項目がないので所得に対してダイレクトにかかってきます。
年間の所得(利益)が200万円として税金を考えてみましょう。
国税は195万円までは5%、超えている部分が10%なので早見表で計算すると102,500円です。所得(利益)が200万円とするとそこから基礎控除や扶養控除、医療費控除等が控除できますので実際には税率5%で収まってしまうでしょう。基礎控除だけ考慮して税額が76,000円
さて、地方税。基礎控除は43万円ですから利益から引いて10%の税率で157,000円。所得税の金額みてからだと中々のボリューム感。さらに社会保険料が200万ダイレクトに10.83%で216,600円、この他世帯割、人数割が掛かって、さらに国民年金16,920円×12月で203,040円
国に76,000円
自治体に576,640円!!(社保・年金含)この他に社保は世帯割等で追加で払うことになるはずです。200万円利益があっても4分の1は持っていかれてしまうんです。書いていてあまりの理不尽さに呆然!この他生活していれば当然消費税も払うことになるわけで・・・。
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1月19日0時48分に追記です。
投稿を終え、お風呂入っていたのですがピピっと指令がきまして。
社会保険料控除をサンプルに入れないとリアル感が無いなと。
前年も同じ所得200万とすると、前段のとおり、国保216,600円+年金203,040円の419,640円。世帯割等を考えると45万円位は払うはずです。
よって、社会保険料控除で国税は5%の22,500円、地方税は10%の45,000円程税金を押し下げる効果が出ます。よって
国税:53,500円
地方税:112,000円 あたりかと。
それでも国税・地方税・社保で585,000円位かと・・・。
このピピっと来るあたりがいつもどこかで仕事、税金のこと考えてるってことなんでしょう。体には良くなさそうです。
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いろんななモノに税金かけてきました。
消費税の前って物品税でした。高額なものを買うとかかってました。車も物品税の対象で消費税導入でなくなりました。「わたし」がこの業界に入った頃は消費税の税率が3%から5%に上がってすぐの頃でした。
その昔、トランプ(大統領じゃないですよ、カードゲームのトランプです)や花札に税金かかってたって知ってます?骨牌税(コッパイゼイ)というらしい。その後トランプ税に名称を変えて、何と消費税導入時まで課税されてたようです(これは知らなかった)。
小学校の頃、花札がちょっとばかし流行りまして、近所の中古屋(ハードオフなんて当然ない時代。所謂骨董屋)に花札欲しくて買いに行きました。値札の横に「この他トランプ税がかかります」って書いてあって、子供心に「花札は危険な遊びなんだ。税金かかるって何?!」花札は任侠モノなイメージでしたから怖くなって買わずに帰った事を強烈に憶えています。昭和までは高額なものは贅沢品には税金かけちゃれ!って感覚が強かったんでしょうね。
総中流時代になると何が贅沢なのか線引きが難しい。消費税はその意味でも有効だったのでしょう(当初の目的もそんなだったような)。
今でもゴルフ場利用税って税金が課けられているのですが、ゴルフは贅沢って考え方が根底にあるのでしょう。
消費税ではこれが厄介です。ゴルフ場利用税はプレーヤーに課される税金なのでプレー代+ゴルフ場利用税に消費税をかけてしまうと二重課税になってしまうのでプレー代に消費税を加算して、そこにゴルフ場利用税を合算します。
大概ゴルフ場利用税って700円位から950円位、ゴルフ場の規模とかで決められているそうです。入力する際に総額11,000円だったりした時に全額を交際費にすると仮払消費税に1,000円が計上されてしまいます。仕入税額控除が過大です。ですので交際費10,300円/ゴルフ代 交際費(不課税)700円/ゴルフ場利用税
なんて仕訳にします。同じ理屈で軽油取引税も別に入力しないといけません。これは調査でよく聞かれます「きちんと別にしてますか?」と。
クレジットカード明細ではこのゴルフ場利用税はわかりません。さらにかかる場合とかからない場合があるようです(プレーとしない場合がある?ゴルフをしないので詳しくはわからない)。
どうするか?書いて良いのかな?
わからない時は700円あたりから1,000円位のところで総額を見ながら適当に計上してます。あ、あくまでわからない時ですよ!!過去税務調査でも「わからない時は推定です」ってなって、笑ってましたけどお咎めなしでしたね。
軽油税の時は月締めの金額がわかる時がほとんどなので、そこにガソリン・軽油の全国平均を載せているホームページから単価をみてリッター数を計算。そこに32.1円を掛け合わせて算出してましたね。今そういった計算が必要なお客様がいないので忘れかけてます。大概レシートでわかるので。
ではなんで軽油取引税だけ二重課税の対象になるのでしょう?これは消費税の授業で教わったのですが、他の税金は売るためのコストに含まれているから。法人税だってそのものを売っている会社が払ってますよね。それを含めたところで価格が決まっている、とすれば二重課税では?
法人税はかかることを前提に価格を決めていますのでコストと考えられています。授業で教わったのは酒税だったかな?酒税ってお酒を移出するだけで課税が発生する(酒税勉強されている方、間違っていたらごめんなさい)そうで、流通させるのに必要なコストって考える。軽油取引税を検索すると軽油の使用者に課税される、とあります。だから軽油取引税を含めたところに消費税をかけてしまうと二重課税、ということです。
「わたし」が消費税やってた頃はゴルフ場利用税と軽油取引税くらいしかありませんでしたが、今では宿泊税や入湯税も二重課税排除の対象ですよね。
これってどうよ?森林環境税
森林環境税は温室効果ガス抑制や災害防止を目的に森林整備しましょうって目的で導入された税金です。
っていっても復興特別所得税の住民税均等割が1,000円加算されていたのが終了するにあたって名目を変更して継続されました。が真相でしょうね。ここでもとるものは手放さない、という悪習があります。そもそも森林環境税で検索すると貰った自治体ですら使い道が分からず放置しているケースもあるようで。
首都圏でこの仕事してると「んッ??」って思われる方、多いかもしれません。横浜市では数年前より「みどり税」として法人市民税の均等割が多くかかります。さらに、神奈川県でも水源環境保全として追加して税金を取ってます。・・・!これってまさしく重複して税金とってません?
そもそも誰かが言ってましたが時代のキーワードで税金作れば何となく理解されやすいと。先ほども掲げたCO2排出削減、とか地球温暖化防止なんかです。令和7年税制改正では「防衛特別法人税」ってなかなか直球の名称で増税しました。
税金は公共サービスの維持と富の再分配機能があり、よって国民に広く、平等に負担してもらうので理由がいくらでもつけられます。
電気利用料によって「カーボンニュートラル税」なんてやりそうですよね~。電気自動車の普及に伴って排気量で区分けしている自動車税も時代にそぐわなくなりつつありますし。
復興特別所得税だって税率を下げた後、その分上乗せして防衛費に使います、税負担変わりませんッて、数字遊びじゃないんだからさ。その分、期間延長するでしょ?それ、増税ですよね。社会保険料も経済が成長して所得が増えるから実質負担なしって、怪しい通販番組じゃないんだから小手先じゃなくてもっときちんと説明するって姿勢を示せないんでしょうかね。
他にもいろいろありますよ
資産持ちが出国する際に「おいおい、外国で贈与したり資金を移したりして税金逃れるんじゃないの?」ってことで税金の前納をします(するようです)。納税猶予の届出をすると猶予してくれるらしいのですが、相続税の理論でその場合に海外で亡くなったら?みたいな理論があります。詳しくは所得税を勉強されている方が良くご存じかと思いますが凄いですよね~。そこまでして税金取りたいんかいって感じが・・・。
あとがき
物価も上がっているしお金がかかるのは仕方ないかもしれません。でもそれならば納得できるように使ってほしいですね。
税制改正の議論の際にも自治体の首長が「自治体が維持できない。」って陳情してました。ゴミの回収すらできない、なんて話が上がります(ギリシャでそうしたことが起こったそうな)。テレビなんかで政治家がよく言う「大変なことになる!!」って、どんな大変な事?
その大変な事をきちんと説明できないなら怪しい詐欺集団と同じじゃないですかね?(今払わないとお子さんが大変な事になります!!的な)
誰だってお金に余裕があれば助かります。それは個人、家族、自治体や国だってそうでしょう。でも、無いんですから。同じことしようとしても無いものは無い。だったら組み立て直すしかないんじゃないでしょうかね。
広告主が見つからず、最近ACジャパンのCM多くなりましたよね。もはや広告主が付かない時間帯使って「税金チャンネル」とか「生活チャンネル」とか銘打って問題点や課題点なんかを延々と放送する番組とかないですかね。森林環境税ってホント話題にもならずスルスル~って決まっているし。決める側は真剣に取り組んで必要なものは必要として、無駄なものはばっさり切り捨てる位の覚悟でやって欲しいし、払う側もこういったことを「知ろうとする姿勢」を持ってないとヤバくないです?人口減るんですから。
暗い話になりましたのでちょっとクスッと笑えることを。
今回トランプ税を確認するのに検索すると国税庁ホームページの中に税の歴史クイズってのを発見しました。まだ全部は見ていないのですが面白いですよ。こういったこともやってるよアピールしたらもう少し税を身近に感じてもらえるんじゃないかな?