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【1】かぐや姫の憂うつ (短編小説)note創作大賞2024
<あらすじ>
これは、ありえたかもしれない「かぐや姫」のお話。
人間の男の精子を得るため、月から地球にやって来たM-10009。彼女は竹取を生業とする老爺に、竹の中から発見される。老爺は彼女を家に連れ帰り、かぐやと名付けて大切に育てた。
かぐや姫は美しく成長し、老爺の家は大変豊かになった。多くの男たちが求婚を申し込んだが、彼女は全てを断る。彼女には「優秀な」遺伝子を持つ男を探し出し、その遺伝子を月に待ち帰るという任務があったからだ。
かぐや姫は条件を満たす男を探す過程で、帝に出会い心を通い合わせた。しかし妻にはならず月へ帰る。彼女が本当に愛していたのは、ずっと自分に仕え続けてくれたヨウだった。
1:地球へ
ピピッ、ピ…ピピ…ピ…ッ…ブーブーブー。
ジ、ジジ、ジジジッ…ジジッ…ジジ…。
『▶‘$))~!』
『=|%&””・>>』
目の前の画面に次々と記号が表示される。
『%・>*+」「α』
通信時間は限られているから、本部への報告は簡潔かつ的確にしなければならない。
M-10009は早口で画面に話しかける。
「目的地に到着。地球、海に囲まれた島国。固有植物であるタケが密集する地域。現在、タケの中で待機中」
「この後ニンゲンと接触し、任務に移る。任務遂行後、月に帰還。任務の期間はOーを予定」
『Oー「:』
と画面に表示されるのを確認した後、M-10009は目を閉じた。
(次へ)
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