『星の約束』a-1.スピカ
☆前回までのストーリー☆
時子がプラネタリウムの重い扉を開けると、なかにはすでに数人の客がいた。
子ども連れや高齢の男性、大学生らしいカップルがお互い間隔をあけて座っている。
座席は部屋の中央にある黒い機械を取り囲むようにして、円状に幾重にも並んでいた。
そのバームクーヘンのような並びの座席のひとつに腰を下ろし、隣の座席にコートとカバンを置いた後、座席に深く腰掛ける。
思ったよりも良い座り心地に満足感を覚え、
身体をより深く沈めていくと、リクライニングシートになっている背