あの時 僕は殺人犯だった
母親が明日入院するそうだ
心臓の手術の為らしい
心配はいらない
だけとこの番号から電話が来たらその時はよろしくと書かれていた。
母は昔卵巣の病気で私と2人きりの時に倒れたことがある。
トイレから か弱い声で私を呼ぶ
面倒だなと思いつつ 向かうと
「お願い、これ見て、お母さんどうしたら良い…わからない…」
それは真っ赤なナプキンだった
大量に真っ赤な固体もあった
どうしたら良いかなんて
これが様子見で良いかどうかなんて
明らかだった
昔から母が大嫌いだった。
精神的支配、DVがあった。
今そいつはこうして弱っている。
目の前にチャンスがある。
そう感じた。
本人に救急に電話させた。
もう限界だと受話器を託された。
痛みやら貧血症状やらで弱る姿をみながら
このままこの受話器を下げたらどうなるのか
胸が高鳴った。
今は2人きりだ。
知らなかった事にできる。
部屋からふと居間へ向かったらもうその時にはすでに……。
ニヤつきそうになる広角を抑えながら
決行せずに終わった。
つまらない人生だと思った、
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