【霞が関の日常】まだ残ってたよハンコ文化!議事録修正スタンプラリー
久しぶりに霞が関ネタです。
コロナになり久しく、そして河野大臣が役所のハンコ廃止!という宣言をしてから、日常業務でハンコ必須!という文化はほぼ見かけなくなりました。
もうハンコなんてこのまま消えて無くなるんだろうなと思っていたら、なんとビックリ!こんなところにハンコ文化!に出くわしました。
それは何かというと、
「議事録修正!」
・・・これはハンコを10人ほどから貰わないといけない作業が発生する仕事です。どういうことなのかこれから説明します。
ちなみに完全に自分のチョンボから発生した仕事なので、自業自得だから1ミリも文句も言えないし、あんまり嬉々として話せる話ではないんですが、ある意味貴重な?経験だったので書いておこうと思います。
まず、議事録修正、これはなんの議事録かと言いますと、
「国会答弁の議事録」になります。
国会ではご存知の通り、質問者と答弁者がいて、質問をする議員からの質問を事前に聞き取って答弁案を霞が関の人が作るというのは、以前のブログでも書かせてもらったと思います。
そのやりとりを、昔から速記の人が全て聞き取って書き、今は録音・録画もして、逐語で一言一句間違わず文字起こしします。それが後で閣議決定され「議事録」という永遠に残る正式文書になります。
法律の学部出身ではないのであんまり重みがうまく表現できないのですが、スッゴイスッゴイ!!!大事な文章なんです。
で、国会中に答弁の内容を大臣だったり霞が関の役人である局長が読むんですが、たま〜に言い間違ったり、答弁の文章自体に間違いがあったりします。言い間違いがあったらその場で修正できたらセーフ、その場で修正できなかったら平謝り&議事録修正があるので、ちゃんと間違いがなく大臣や局長が話してくれるかチェックするために担当者は国会の後ろの席に座っていて、答弁を読んでいる間確認します。間違って読まれたら猛ダッシュで答弁者のところに走っていき、「ここいい間違ってるから修正してください!」とメモ出しします。私も一度、国会に随行しているときに、上の人が「福島県」をなぜか「岡山県」と読まれて猛ダッシュしたことがあります。そういう上の人の読み間違いの議事録修正もあれば、そもそもの答弁の間違いも・・・あってはならないのですが、やってしまったんですよね。。。私がやってしまったのは、開かれた会議の日付の間違いで、内容には全く影響がない完全に凡ミスだったので大事にならなくて済んだのですが、間違いは間違いなのでちゃんと関係各者への謝罪&議事録修正をする必要があります。
そして、そんな超大事な文章を修正してもらうには、非常に大変なプロセスを踏む必要があります。
まず、全ての関係者に修正の場所と修正理由などを説明していく必要があります。その時にちゃんと説明を受けた&了解したよ!という証明をもらうために一つの書類にたくさんの人から印鑑をもらう必要があります。
印鑑をもらう人は答弁者、質問した議員、そして全ての党の理事長!それこそ自民党、立憲民主党、共産党・・・と全てです。一人の党の人もいるから、全部で10個くらいのハンコをもらいにいくことになります。
国会中だから1日の国会が終わった夕方に議員会館に出かけ、各党の理事長に説明&ハンコもらいにいくので、やってることは完全にスタンプラリーです。
普段は議員会館に行くときは、議員から呼ばれてレクをするので、秘書さんもピリついてるし、霞が関の人も緊張した面持ちで向かいます。
でも、議事録修正はこちらからアポ取りしていくのでちょっと普段の関係性と違うし、しかも凡ミスだったので、あまり緊張を強いられる内容ではないというのもあって、時間帯も1日の大仕事が終わった後だからかホッとしている雰囲気で、訪問のアポ入れ電話をするときはとっても緊張するのですが、行くと秘書さんもフランクに対応してくれて、議員会館の普段の姿が垣間見れる貴重な経験でした。
「忙しいのに全部に回るの?大変だね!」
「このハンコ文化はまだ残ってるんだね〜 オンラインとかメールでできるようになればいいのにね」
「ヒューマンエラーは絶対起こるよね。それをここまでやるのは大変だ・・・」
とか、優しいコメントをしてくれたり
実習生が来てたりするといい機会なのか
「見学させていい?」と聞かれてワイワイ出迎えてくれたりとなんだか普段の雰囲気が感じられて、怒られても仕方ないと思っていたので完全に予想外のほっこりする議事録修正スタンプラリーだったんです。。
「なんか議員会館でこんなにほんわかできたの初めてかも・・・。めっちゃ人間らしいところ見れた」
と怪我の巧妙?と言っていいのか、オフの議員会館を垣間見れた貴重な経験でした。
いや〜でも、国会中の忙しい合間に議員会館に行って一人一人に修正の説明をするのは、大変でした。このスタンプラリーは、もう2度と間違えんなよ、っていうお仕置きなんでしょうかね(><)
はい。ちゃんと反省してます。。。