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2020中日ドラゴンズのキーマンは誰だ?その3

 シーズンがコロナウイルスの影響で延期に次ぐ延期ということになってしまいましたね。僕自身も春休み特にしなければならないマストなことがなくなってしまい、無為な日々を過ごしてしまっています。早くこの問題が落ち着いて、僕自身も張りのある日々をまた送りたいものです。
 さて、今回は全3回の3回目、トリです。では早速僕の考える2020シーズンのキーマンを紹介していきたいと思います。

1.3人目:小笠原慎之介

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 小笠原投手は昨シーズンは年間通しては投げておらず、8月以降の7試合の登板にとどまりました。しかし、内容面ではある程度の飛躍を遂げたシーズンであると考えています。具体的には7試合の登板で3勝、防御率はキャリアで最も良い2.56を記録しました。そして6回3失点以下を指すQS(クオリティスタート)は3回でした。去年の結果を生んだ一因として、コントロールの改善が一因としてあるのではと考えています。


 小笠原投手の与四球率(9回を投げた時に何個の四球を出すか)は一昨年以前に比べ、2個以上減少しています。そしてこのツイートにある通り、この数字は30回以上投球したセ・リーグの投手ではトップとのこと。それが全てではないですが、四球は出さないほうが当然良いことには間違いありません。
 ちなみに小笠原投手のWHIP(1イニングに平均何人ランナーを出したか)は1.06ととても良い数字でしたが、その数字は制球の向上が大きく寄与して生まれたものでもあると感じています。
(WHIPは平均的な先発投手は1.20~1.40になるとされており、1.00~1.10はエース級であるとされています)

2.更なる飛躍に必要な要素とは?

2-1.首脳陣のファインプレー

 前項で挙げた通り、小笠原投手は質の面で飛躍を遂げました。しかし、QSの確率は7登板中3回、42.86%でした。これはお世辞にも高い数字であるとは言えません。(ちなみに大野雄大投手のQS率は72%、柳投手は69.23%でした)
 また、シーズン通しての投球回は38回2/3回でした。1登板あたりの平均投球回は5.52で、5回2/3に満たない数字でした。これには小笠原投手の球種構成が大きく影響していると考えています。
 小笠原投手の持ち球はストレート、カーブ、スライダー、チェンジアップの4つ。その配分は、
ストレート:55.37%
チェンジアップ:15.31%
カーブ:16.12%
スライダー:13.19%
でした。オーソドックスな球種構成にしては、明らかにスライダーの投球割合が低いです。おそらく、スライダーの質はそこまで高くないのでしょう。よって、速い球(ストレート)と遅い球(カーブ、チェンジアップ)に配球が偏り、目が慣れる、あるいは速い球か遅い球か、というどの球を待つかという対応が比較的しやすかったという可能性が浮上します。こうなると3巡目を迎える6、7回を抑えることが困難になります。
 そして、この弱点を与田監督はじめ首脳陣は理解していたのではないでしょうか。捕まりだす前に早めに交代する、という策を採ったことも、昨年の成績を生んだ一因でもあると思います。

2-2.「中間球」の向上

 昨年の好成績は首脳陣が寄与している部分もある、と前項で挙げました。しかし、やはり投手陣の柱として独り立ちするには安定して6~7回を投げてほしいのも事実です。それは小笠原投手のプロ野球選手としてのキャリア的にも、もちろんチーム的にもです。昨シーズンは規定投球回に到達したのは大野投手と柳投手の2人のみで、2人に次ぐ先発投手の存在はチームが浮上するにあたって必要な存在であることは間違いないでしょう。そして小笠原投手がその座にのし上がるためには、「中間球」の向上が必須条件であると考えます。現状から考える具体策としては、
・スライダーをカットボールに寄せ、鋭く小さく曲げる
・スプリットなどの速くて落ちる球を習得する
が挙げられます。


 この動画の40秒あたり、坂本選手から奪った空振りがおそらくスライダーではないかと思いますが、やはりそこまで球速もなく、いわゆる「スラーブ」のようなドロンとした大きなスライダーのように見受けられます。これをよりカット質にして「スラッター」に出来れば大きな武器になることは間違いありません。
 また、このボールにも注目したいです。


 これは握りなどは判別できませんでしたが、挟んで落とすチェンジアップ、「スプリットチェンジ」の類ではないかと私は見ています。このボールは球速も137キロと中間球としては申し分なく、またボールの強さも感じさせます。このボールが投げられれば中間球問題も解決し、また対右打者もグッと楽になるのではないでしょうか。
 そして、中間球があれば打者もより的が絞りづらくなり、ストレートもカーブ、チェンジアップといった緩急のボールも生きてくるはずです。中間球はこうした相乗効果もあるのです。

3.フォーム変更について

 ちなみにですが、今年のキャンプではすこしフォームを変更する姿が見られました。


 あまりその後は追えていないのですが、このフォーム変更は悪くないのではと捉えています。主な目的は腕を垂らすことによってボールを打者から隠すことだと思いますが、より体の横ブレが少なく、縦に体を使えていると感じました。もしかするとストレート自体の質の向上も見込めるかもしれません。

終わりに

 これで全3回に渡る私的キーマンの発表は終了します。今年の中日は野手のレギュラーが昨年で基本的に揃い、投手陣も新戦力が次々に台頭し、Aクラスに食い込む可能性は決して低くないと考えています。いつ開幕するのかは現状は限りなく不透明ですが、少しでも早い開幕、そして中日の健闘を祈って「終わりに」とさせていただきます。

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