教典第4章「天理王命」(1)

天理王命の神名とその守護

神名を唱える習慣

文久三年三月四日、忠作が初めて参詣して、妹くらの気の間違いについて伺うてもらうと、教祖は、
 「此所八方の神が治まる處、天理王命と言う。ひだるい所へ飯食べたようにはにはいかんなれど、日々薄やいで來る程に。」
と、仰せられた。忠作は、教えられるまゝに、家に帰って朝夕拍子木をたゝいて、
 「なむ天理王命、なむ天理王命。」
と、繰り返しく唱えて、勤めていたが、一向に利益が見えない。そこで、またお屋敷へ帰って、未だ治りませぬが、どうした訳でございましようか。と、伺うてもらうと、教祖は、
 「つとめ短い。」
と、仰せられた。これを聞いた時、忠作はハッと心に思い当たった。それは、当時のつとめは、たゞ拍子木をたゝいて繰り返しくりかえし神名を唱えるだけで、未だ手振りもなく、回数の定めもなく、線香を焚いて時間を計っていたのであるが、忠作は、一本立てるべき線香を半分に折っていた。これに気付いたので、早速お詫び申上げ、家に戻り、線香を折らずに、毎朝毎晩熱心に勤めた。するとくらの患いは、薄紙を剥ぐように次第に軽くなって、間もなく全快した。

稿本天理教教祖伝

月日親神

  • 二つ一つ

    • 月と日

    • 天と地

    • ぬくみと水気

  • 人間世界を創られただけでなく、今もご守護くださる

  • 月日は神名においても、天に現れたお姿においても、二つに分れてはいるが、その働きは常に分かれることなく一体になっていることは、よく注意を要する点である

天地抱き合わせの守護

このよふのぢいと天とハぢつのをや
 それよりでけたにんけんである(ふ十54)

天地は、人間の真実の親であるくにとこたちのみこと、をもたりのみことの理の現れであって、一列人間は、親神の守護によってこの天地の間に生まれて来たのであるから、世界中の人間は皆、親神の可愛い子供、人間同士は皆兄弟姉妹である。

『おふでさき注釈』より

くにとこたちのみこと = 月様
をもたりのみこと = 日様

十全の守護

元初まりの道具衆と方角
  • 月日親神様は、元初まりにおいて、道具・雛型に入り込み、十全の守護をもってこの世人間を創られた

  • その守護は、今もなお変わることなくお与えくだされている

  • お働きを対角線の一対(ペア)で考えるとよい

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