十二下り目
大工が揃って、さあ、陽気ぐらしの実現へ
一ッ いちにだいくのうかゞひに なにかのこともまかせおく
何よりもまず、大工の伺いに、陽気ふしんのことについては、すべて任せておくので何なりと尋ね出て神意を聞くように。
二ッ ふしぎなふしんをするならバ うかゞひたてゝいひつけよ
不思議なふしんをするのであれば、大工から伺いを立てて、神意を尋ね、事を進めよ。
三ッ みなせかいからだん/\と きたるだいくににほいかけ
皆、世界から、噂やたすかった話を聞いて、このやしき・ぢばへ寄ってきた大工に、この道の教えを匂い掛ける(知らせる)ようにしてくれ。
四ッ よきとうりやうかあるならバ はやくこもとへよせておけ
良い棟梁がいるならば、早く、この元のやしきへ寄せておくように。
五ッ いづれとうりやうよにんいる はやくうかゞいたてゝみよ
やがて、棟梁は四人必要なのだから、だれにそれを申しつけるかを、早く伺いを立てて、神意を尋ねるようにせよ。
六ッ むりにこいとハいはんでな いづれだん/\つきくるで
無理強いして来てくれとは言わない。やがて時機がくれば、徐々に付いてくるようになる。
七ッ なにかめづらしこのふしん しかけたことならきりハない
何とも、めづらしい、このふしんは、取り掛かったなら限りなく続く。
八ッ やまのなかへとゆくならバ あらきとうりやうつれてゆけ
山の中へと行き、普請の用材を探し求めるのであれば、あらきとうりょうを連れていくのがよい。
九ッ これハこざいくとうりやうや たてまへとうりやうこれかんな
これは小細工棟梁であり、建前棟梁で更に、かんなである。
十ド このたびいちれつに だいくのにんもそろひきた
とうとう、この度、一れつに、大工となる人衆もみな揃ってきた。
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