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隣の芝生は青く感じやすい~我慢する前に変換方法を考える~

『隣の芝生は青い』と言うことわざがあります。

本当に青々と見える隣の芝生。
見ようと思わなくても、その美しさについつい目がいってしまい、そして自分の芝生を見てため息をついてしまう。

私にもたくさんその経験があります。

病気では『なんで私は1型糖尿病なんてものになったんだ』と元気に過ごす友人達を羨ましく思い、仕事では『何で私は女なんだ』と男性社会の建築業界で思ったものです。

でも、病気も治る事は今現在の科学でも無い事だし、仕事も性別を変換する訳にはいかないので、どちらもどうにもならない問題な訳です。

どうにもならないからこそ、ついつい隣の芝生を見てしまう。

青いな〜、いいなぁ〜って思う内、自分の足元の芝生は見れなくなってしまうものです。

私もそんな時期がありました。


■青かった隣の芝生が変わる瞬間



誰しも物凄く頑張っている時期ってあると思うんです。

ゲームで頑張って誰よりも早くクリアしたり、部活動で試合に勝てるように頑張ったり、学校で1番でも上がる様に勉強したり…………

私の場合は仕事でしたね。

女性が建築現場にいる事がまだまだ少なかった時代、現場管理の仕事をしている女性は本当にいませんでした。

昔ながらの職人さんからは『女が現場に入ってくるんじゃない!!』と本気で怒鳴られたり、酷い時はガン無視される事もありました。

ガン無視されたら現場監督なんて出来ません(笑)

でも、女と言う性別はどうにもなりません。

なので、男の人と同じ様に30キロもあるコンクリートの袋を運んだり、ベニヤやボードを運んだり、必死に色んな職人さんに聴きながら仕事を覚え、認めてもらう努力をしました。

筋肉痛に耐え、手が擦りむけて血だらけになったりもしましたし、寝不足で倒れそうになった事も何度もあります。

そんな自分を支えていたのは『認められたい自分』

誰よりもスムーズに現場を進められるように。
施主の人に満足いく現場で完了できる様に。
誰にも迷惑をかけない仕事を。

毎日必死に色んな事を考えながら現場を進めていきました。

でも、1つの事がスムーズに出来ると、『次はこの事が問題だな…………』と段々自分自身の課題を沢山考えていくようになりました。

1つ出来たらその次を。それも出来たらその次は。

一つ一つの積み重ねが、やがて『お前の現場なら喜んでやってやる』と言う皆さんに出会う事ができる様になりました。

そうなる様になって言ったら、悔しくて我慢していた仕事の環境が、いつしか楽しくドンドンとやりたい仕事へと変わっていったのです。


■角度を変えて見てみると

人は自分自身が『何でこんな事やらなければならないんだろう…………』と考えるとドンドン隣の芝生は青い状態になりがちです。

それは我慢していると言う自分自身への思い込みなのかもしれないです。

先程書いた私の体験から考えてみると、『女だと言う我慢』『仕事が出来ないと言う嫌味を言われる我慢』『時間が無いのにこんなに何で寝れないし我慢しなければいけないんだろう』と我慢してる事が沢山ある様に思います。

でも、コレはまだまだ自分が上にいける要素が沢山あるとも受け取れます。

その時に
『あの人は男の人ってだけで認められていいなぁ』とか
『あの人は力持ちでいいなぁ』とか
『あの人は寝れていいなぁ』とか
人の事ばかり見ていて自分自身をチャンと見つめられていなかったのかもしれません。

でも、よく見るとチャン仕事を教えてくれつつ自分を応援してくれている人もいました。
一緒に寝ずに仕事をしてくださる方もいました。
愚痴をこぼす自分の話を聴いてくれる人もいました。

足りなかったのは自分の足りない所を自分がキチンと見つめ、その事に対して解決していく事。

努力していけば苦しかった仕事も楽しくなるし、それは仕事以外でもその先の人生にとても役立っています。

我慢するのではなく、自分磨きと考える。

何でではなく、どうすればを考える。

そうすれば、人をうらやむ事を忘れ、自分自身に目を向けれる様になります。

沢山の大援団が自分にいる事に気付きます。

それに気がつけた時、我慢は違う何かに変わると思うのです。


■最後に

結婚し、子供を産んだ時に私は一旦建築を離れました。

離れて10年経った時、結婚前に務めていた職場で育てていた今は自分の建築の会社を立ち上げた後輩に『仕事を手伝ってもらえないか?』と誘われました。

正直に言うと、10年以上も離れている自分に、あの時と同じ様に出来るのかと不安に思いました。

今の仕事は現場管理として現場に入る現場監督ではなく、積算や発注、施工図を書いたりして縁の下の力持ち状態となっています。

積算をする時に出会う沢山の業者の方や元請けの方と話をし、昔と同様に信頼関係を築けています。

それは昔培った知識や経験から話が出来るからだと思います。

いつしか会社の子から『どうして離れていたのにそんなに話ができるのか?』と言われたりしてます。

その時はこのブログの様な『隣の芝生』の話をしてあげてます。

覚えるまで、人と繋がりができるまで、大変かもしれません。

でもそれは我慢するのではなく、自分自身を豊かにしていく過程なのだと言う事を忘れてはならないと思います。

これからの人生の中で仕事だけではなく、私自身も隣の芝生が青い事をうらやむのではなく、足元の自分の芝生を青くしていく事を頑張っていこうと思います。

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