Words From いしい⑧
●イントロ
この記事で撮った写真をまた本人が解説すっぞ。オラすっぞ!
また専門用語のオンパレードでお構いなしの承認欲求まる出しのヤツだぞオラ!
事の発端はブログのアクセス解析をぼんやり見ていた時に佐々木が以前書いたAir Jordan 1 PANDAの記事が結構読まれているという事を報告したら
「それならまた記事書くか」と躍起になって、ならば写真撮ってという事に起因します。
一応をやりたかったライティングや撮影イメージが頭にあったので
「撮るならどれそれこういう感じの靴がいいですね~」と若干の指定をして、手元に届いたのがキレイに掃除されたAir Jordan1でした。
(もちろん佐々木のコレクション)
頭の中にあったイメージは以下の通り
・空中に浮いている感じ(飛んでいる、もしくは歩いているような)
・下からソール全体を撮りたい
・広告のような感じで背景のトーンは控えめ
●Aメロ
早速、役者が揃ったので実践に。
吐くほど解りやすい図。というか今回は写真をご用意しますた。
演出上、靴と靴紐は釣り糸で吊るしました。
靴紐をワイヤーで固定してもっとビヨンビヨンな躍動感あふれんばかりな感じにしようかと思ったけれど、おあつらえ向きのワイヤーが無いのと大事な大事なコレクションの靴紐を無下に傷つけて佐々木に千の風にされかねないので保身を取ってこの形に。
ストロボの配置は・・・
①と②の挟み込みが質感を出すためのリムライトで上部①はタン部分にあるナイキのロゴやシューレース部分に対して弱めの光を当ててディテールを強調する目的で配置。
それに付随して背面の黒い背景紙に必要以上に光が回わないように黒紙でリフレクター部分を囲い、ハレ切り。
(欲を言えばハニカムで集光したかったけど、当スタジオには無いので)
一方で下部②に関しては下からの煽り撮影になるので①のリムライトに負けて靴底のひずみを出さないようにしつつ、ソールの鮮やかな赤を出したかったのでこの配置で照射。
そして③がキーライト、④はメインライトの役割です。
メインライトはこれでいいですが、③のキーライトはストリップでかかと部分だけ当てたかったけど、ハニカム同様に無いのでこのままの形で
●サビ
そんなこんなで各所のストロボの出力を調整しつつ、絞りとisoを半段から1段くらいの間隔でいじったりして撮れたのがコチラ ↓
(撮り絞 : シャッタースピード1/125、F16、iso100)
うん。リムライトの効き、つま先のメインライトの照り感がちょうどいい。
キーライトの後ろへの回りがちょっと気になるけどレタッチでの色調補正を加味すれば、これがベストかな?
そしてレタッチを施して完成したのがコチラ ↓
「落ちている」と言われればそれまでだが、飛んでる風に見えない?見えなくなくない?
●アウトロ
んで。実はこれだけで完成ではありませんでした。
前半で露出が定まったら、時たまポートレートとかでも使われる、ライティングペイントで更なる味付けを企んでおりました。
例で言うとこういうヤツ(いい写真ではないが)
そこで用意したのがスタジオにある防災用LEDライトにカラーフィルムを巻いたモノ。
通称、「ライトセーバー」または「工事現場のアレもどき」です。
実はこのライティングペイントはストロボを使う場合に限り、先に撮った絞りとisoの数値はそのまま据えでシャッタースピードをかなり遅く設定するだけで撮れます。
仕組み的に最初に光るストロボの光は瞬間光なので光が当たった瞬間の像がカメラに記録され、あとはシャッターが開いている時間中に後出しで唯一の光源であるLEDを振ればその光の基軸が後からカメラに記憶され、像と光が重なり合成のような写真になるという仕組みです。
ただし撮影するにあたっての条件があって・・・
・三脚が必要な事
・被写体に蛍光灯などの光が当たらないような暗室に近い空間での撮影
でしか成立しません。
三脚が必要な理由はシャッタースピードが遅くなる為に手持ちでの撮影 = 手ブレとなる為、三脚が必須となります。
またカメラはシャッタースピードが1/80から手ブレしないと言われており、逆を言うと1/80以下でブレるということになるのです。
そして環境が暗室な理由は蛍光灯や白熱球、LEDなどは目に見えないスピードで点滅(1秒あたりに約100~150回くらい点灯しているとか)しているためシャッターを開いている間、被写体は目に見えない光を断続的に浴びている状態になります。
その為、そのまま蛍光灯等が点灯している空間でスローシャッターの撮影すると前記の影響で被写体に光がまばらに当たるせいで写真がブレブレになり、色温度も著しく崩れた気持ち悪い写真しか撮れません。
これをフリッカー現象と言い、動画だと蛍光灯の瞬きが映り込む現象が起こるようです。
シャッター、ズドン☆
(撮り絞 : シャッタースピード5秒、F16、iso100)
という事でシャッタースピードを5秒に設定しLEDを靴の背面で振り回した結果、LEDの粒が規則的な配置なので思った通り流線もキレイに出ましたね。
そして設定はそのままに巻いたカラーフィルムを青からピンクに変えて色違いパターンも撮りました。
うんうん。これもいいね。と気持ち悪い自画自賛っすわ。
写真って本っ・・・当にいいもんですね。それではまたお会いしましょう。