ムゲンのi(上・下) 知念実希人
あらすじ
精神科医の識名愛衣は、特発性嗜眠症候群(通称イレス)を患っている患者3人を一度に担当することになる。愛衣の病院には、4人が同じ日にイレスを発症し入院している。イレスは原因不明の稀な病気だが同時期に4人が発症した。治療法は不明だったが、実家に帰ったとき父から祖母には昔から不思議な力があり、沖縄でユタ(巫女のようなもの)をしていたと聞かされた愛衣は祖母に助言を求めるが、祖母からは「マブイ」(魂のようなもの)が落ちたのだと教えられるが…。
ここからネタバレ含む感想
祖母の血を受け継いでいる愛衣はユタとして3人の患者を救うべく活動を始める。患者の夢の中に侵入し、相棒となった愛衣のククル(ウサギの耳を持つ猫)と一緒に患者のククルを探し、マブイを体に戻す「マブイグミ」を行う。
話の中で、ところどころ「?」という箇所があり、それでも本編とは関係なさそうだなと思いながら最後まで読む進めていたら、やはり最後にひっくり返されました。ちゃんと、読みながら「?」も検証しないとな…と少し反省(?)しました。
話は、愛衣が夢の中で患者それぞれが抱える問題を見つけ、それに患者自身が信じていた解釈とは違う解釈を唱え、患者を救っていくお話なので、なんとなく「優しい死神の飼い方」を思い出させるよなお話のような雰囲気なのですが、最後は結構重い事件につながっていく感じです。今回は、幕間でも騙されてしまったので、読後に自分一人で反省会でもやろうかな…と思いました。読了感は、すっきりしているので、「優しい死神の飼い方」好きな方にはおすすめの一冊です。