見出し画像

2022.4.16 祖母と「きぼう」を見た日

祖母は近くに住んでいる。
彼女は気が強く、社交的で、自立している。
それが昔からの祖母の姿。
昔は…よくぶつかっていた。

私たち姉妹は「ばあば」と呼んでいる。
両親とも働いていて私たちが幼稚園・小学生だったときは近所に住んでいるばあばが毎日面倒をみてくれていて、でも毎日会うもんだから反抗ばっかりしてた。
母よりも厳しかったけど、それだけ向き合ってくれていたのよね。
強さも、夫をわりと早くに亡くして、1人で孫3人を見続けてくれたからこそ。

自分が大人になってきたのか、
ばあば も丸くなってきたのか、
最近は仲良く話ができるようになった。

聞いていると、実はとてもかわいい人物。

最近はめっぽう「きぼう」を見上げるのにハマっているよう。

まず、「きぼう」のある国際宇宙ステーション(以下ISSと呼びます)について簡単に説明します。ISSは、地上から約400km上空に建設された有人実験施設です。サッカーコートほどの巨大な施設が、1周約90分というスピードで地球の周りを回っています。
・・・
そんな ISS の一部として日本が開発した実験施設が、「きぼう」日本実験棟です。微小重力などの宇宙の特殊な環境を利用して、企業や大学、研究機関が世界最先端の研究を行っています。

きぼうはなぜ見える / KIBO宇宙放送局
https://lookup.kibo.space/howto/

そう、国際宇宙ステーションを、私たちの住む町からも肉眼で見られるのだ。
わたしはばあばに教えてもらうまで知らなかった。

その話を知ってから「いいね!素敵だね」「見たいなあ」と私が反応したもんだから、遊びに行ったときに「次に見える日と時間」をたくさんメモしてくれた。

仕事の都合で見れそうなのは1日くらいしかないな~と言ったら、その日の見える時間にわざわざ電話をかけてきてくれて、電話をしながら空を見上げたんだけど、結局私には見つけられなかったのだ。
普段電話なんてかけてこないばあばだから
この情熱はすごいなと感心する一方、
私もばあばの思いに応えられずなんだか申し訳なかった。

そして私がもう「きぼう」のことを忘れてしまった頃。
私はばあばのいる実家に泊まりにきていた。
そして「今日は見える日よ」と。
私は「まだ流行ってたのか!」と思ってしまったが、
その時を一緒に待った。

ようやく初めて見たのだ。
ひとつの一等星のような光が、つーーっと、
私たちの上を通っていった。
流れ星のように儚いわけではなく、
確実に、美しく通過していった。

表現できず悔しいが、本当に感動した。
ばあばが毎回見上げる気持ちが分かった。
「人間があんなのを作って飛んでいるんだもの。
 感動するわよ~」
その通りだね。

でも私はこれをばあばと一緒に見上げたから余計に感動したよ。
強いだけではなく、繊細な感受性をもつばあばに初めて出会えた気がする。

ばあば、これからも長生きしてたくさんのことを教えてね。

それにしてもおばあちゃんってホントに謎が多い。
ばあばとじいじのなれそめを私や母が知ったのもつい最近。
うちの歴史、いろいろ聞いておかなきゃ。



この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?