遠赤外線のように温めてくれるひと~しなやかに生きるひと⑤~
こんにちは。明日美です。
さてさて、前回に続きまして、『しなやかに生きるひと』と題して、これまで出逢ったしなやかに生きる人たちのことについて書いてみたいと思います。
私が初めてそのしなやかさに出逢ったのは、茶の湯の師匠。しなやかな生き様から私が何を感じて、何を学んだのか。そして何を実践してきたか。
どんな展開になるのかわかりませんが、安心して、自分の人生を歩んでいきたかった過去の自分へのメッセージと、未来への備忘録になるのかもしれません。
それでは、はじまりはじまり。
************
この人の傍にいると安心するな・・・という人。
私にとって、そう感じる人たちを観ていて思うことは、ご自身の刻んでいるリズムに正直な人なんだなということ。
その人の言葉、行動、意志(志)みたいなものがそれぞれリズムを刻んでいるとして、それがズレていない人というのは一緒にいて心地がよいなぁ、安心感があるなぁと思う。ほどけて、ホッとする。
最近、まさにこれ!!と思ったのが、漫画『舞妓さんちのまかない』に出てくる「きよちゃん」。
青森で育った中学生の幼馴染・きよちゃんとすーちゃん。すーちゃんの夢は、「舞妓」さんになること。すーちゃんは、一緒に舞妓さんになろうと、きよちゃんを誘う。いろんなことがありながら、すーちゃんは真っすぐに舞妓さんへの道を歩み、きちょちゃんは、舞妓さんへの道ではなく、舞妓さんが住まう屋形で、まかないさんになる道を歩み始める。そんな二人を取り巻く屋形や花街の日常を描いた漫画で、なんともホッコリするのですね。
そんな主人公の一人であるきよちゃんは、いつも自分のリズムで生きていて、自分の想いに正直で、行動も素直。
だから、漫画の中で、舞妓さんたちが、ソワソワしたり、気が立ったり、落ち込んだり、疲れたりすると台所に来て、静かに料理をしているきよちゃんの隣に座り、彼女の包丁の音や、横顔を観て、ホッと一息つくシーンがよく描かれている。自分のできることを自分の範疇で誠実に真っすぐに取り組みながら、季節の歓びや、誰かを想って料理を作ること、その想いを顕すことを素直にしている。それが遠赤外線のように周りをじんわり温めるのではないかと思う。
私の茶の湯の師匠も、きよちゃんのようなのだ。自分の歓びをよく知っている。自分の心が何を求めているのかを知っていて、いつもその道に正直にいてくださる。いつも全身全霊でお稽古に臨んでくださる。
こっちがどんなであろうとも、変わらぬリズムと眼差しがそこにある。
自分がグチャグチャな時は、頭や身体も固まりがちだから、いうなれば、寒くてガチガチになった凍えている人なのだ。それをじんわりとやさしい遠赤外線の波で温めてくれる。そうすると、頑なになっていた部分が勝手に緩んだりして、上手に反省したり、よき道を探せるようになったりできるものなのだ。頑なな時は、ついつい悪いこと、悪手と思うものに引っ張られがちだから。
その人の生き方そのものが、存在が、大きな陽だまりそのもの。なんというのだろう。その人の身体を通して、ありがたいものが顕れているのではないかとさえ思う。
それを人が大いなるもの、神様、仏様というならそうなのかもしれないけれど、人は、ちゃんと身と心でそれを顕せる可能性を持っているのだと今の私は思っている。
それがおそらく全ての人が持つ本来の響き、リズムなんだと思う。
今日も読んでくださってありがとう。
素敵な一日を🌈🌈
明日美