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渾身一句~菊池洋勝さん~


《白先生の講評》

渾身一句に寄せて

呼吸器と同じコンセントに聖樹 菊池洋勝

季語 聖樹 仲冬
クリスマスの傍題。

呼吸器は作者の使用しているものであろうか。あるいは病院、介護施設かもしれないが、呼吸器という事物を上五に置くことで、読者に鮮明な映像と鮮烈な印象を与える。

季語は聖樹。クリスマスの傍題だから、一般にはクリスマスツリーを思い浮かべる。

近年のツリーは飾られるオーナメントに電飾のものも多いが、この聖樹が、呼吸器と同じコンセントから電力を供給されているのだ。

呼吸器と聖樹は、句の中で、共通項であるコンセントを挟み、上五と下五に対となって配置されている。

これにより、読者は否応なく呼吸器と聖樹という二つの事物を、対比させて捉えるだろう。

聖樹とはもちろんクリスマスツリーであるが、もっといえばそれは「生命の樹」である。つまり永遠の生の象徴だ。
それが、人工的に呼吸を補助する器具である呼吸器と対比されている。

そこには作者の生に対する複雑な想いが濃密に内包されていて、だからこそ、それが読者の感情を強く激しく揺さぶるのだ。

《鑑賞 藤白月》

 この度は拙企画にご参加ありがとうございました。
御句、皆さまからの投票により
第一位となりました🏆️
おめでとうございます!

 御句を拝見して「難解だ…」と最初に感じました。

二度三度と読み返し、次第に情景が浮かんでくると、生命を繋ぐ呼吸器とその季節にだけ飾られるクリスマスツリーが同じコンセントにある対比。
 そこには生に繋がる部分が一つのコンセントという部分に込められていてなんとも言えない気持ちにさせられます。

 ご参加くださった方々の感想もまたコメント欄に来ると存じます。
 ご一読していただけたらと切に願います。

★インタビューもお願いいたしましたが、ご体調もおありかと思い、先に記事をアップすることにいたします。ご回答ありましたら追記いたします。

★ご存知の方もおられると思いますが、次なるはじめ部長のプロジェクトが始動しています。


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