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清航館通信 2021年9月号 「高校生びいき=故郷づくり」

空き家セミナーの打ち合わせで白河に行ってきました。歴史ある城下町で、かつての奥州街道の道筋がそのまま国道294号線となっています。おかげでクランク状の曲がり角が今も残されたままですし、街区割も当時のままの部分が多く、寺社仏閣、神輿蔵などが国道沿いに点在します。最大の魅力は町の小ささで無駄にだらだらと広がっていません。白河駅のすぐ裏が小峰城で、市役所までは駅から徒歩6分、学校や文化施設もその範囲にあります。更に古い路地裏などもあり、城下町好きにはたまらないエリアだと言えます。
今月(※2021年9月)26日に予定している空き家セミナーの講師をしていただく青砥和希さんは、この白河駅周辺でまちづくりに関わる仕事をしている方です。2016年に古い店舗付き住宅を改修しコミュニティカフェEMANONを開設し、その後は空き家などを活用したゲストハウスやコワーキングスペースなどの開設にも関わっています。コミュニティカフェは学生が気軽に立ち寄れる学校と家庭の間にある居場所を目指していて、様々な相談事にも対応する「高校生びいき」をコンセプトにしています。なんと高校生はドリンク半額です。このエリアに県立高校が2つありますので、この日も制服を着た子たちで賑わっていました。
「高校生びいき」はそれだけではありません。ここを訪れた高校生の様々な相談にも乗ります。手話に興味のある高校生からの相談に対し、市役所への補助金の申請やイベントの案内などをサポートし、「手話カフェ」の開催をそっと支えているのも青砥さんです。白河の町並みは、古臭くて空き店舗も多く寂れつつあるように見えますが、そんな状況を青砥さんは町の伸び代だと言います。そして、まちづくりに地元の高校生が関わり、何もなかったはずの場所に新たな魅力を生み出す活動を続けています。かつて高校生として古民家再生のカフェづくりに関わった方たちの多くは、大学生になって地元を離れていますが、話を伺いに立ち寄った商店街のお母さんは、進学した我が子の成長を楽しみにしていると青砥さんに伝えていました。自分の育った街に関わってから進学した子どもは、帰るべき故郷を意識しているかもしれません。白河の将来が楽しみです。

(この頃は事務スタッフも原稿を書いていたので10・11月号は飛ばします)

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