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清航館通信 2020年5月号 「コロナ禍も歩みを止めない」
中之作プロジェクトでは3月から新型コロナウィルス対策として大勢集まるイベントを全て中止してきましたが、国内の感染者は増すばかりです。レンタル古民家「清航館」は自主イベントの中止だけでなく、レンタルの予約もすべてキャンセルとなりました。また昨年夏のオープン以来、スタッフの努力の甲斐あって徐々にお客様が増えてきた「月見亭」ですが、こちらも感染防止のためにしばらく休業することを決めました。私たちは津波被害後の港町を次の世代に残す取り組みを続けてきました。最近は風景を残すためには「暮らしの場」を再建し「住みよい町」を目指すことが大切だと気付き、地域の方に関わるよう意識して活動してきましたが、コロナ騒動でこれらの実施が困難となり再開の目途も立っておりません。
八方ふさがりの状況を受け入れ活動休止するべきか悩みましたが、知恵を出し合って東日本大震災以降続けてきたことを淡々と進める方法を探すことを決めました。現状を受け入れ地域にとって害するものを避け、益するものを求め、欠点を正し、長所を伸ばす。小さなことをコツコツ積み上げることで暮らしの中の豊かさを支える。これまでと何も変わらない取り組み姿勢です。
先ずは「清航館」「月見亭」の使い方を変更します。例えば在宅ワークをしようにも小さい子どもがいて集中できない環境の方を対象に「おとうさん一時預かりスペース」として月見亭を少人数に貸し出しや、ライブハウスや練習スタジオが休業して音楽活動ができないミュージシャン向けに「練習場所」として清航館を活用することから試してみる予定です。(人数制限や消毒の徹底など感染防止対策を最優先とします)
古い港町の風景は一度滅したら蘇生することが難しい儚く脆く可憐なものだと思っています。不安が先行する状況ですが、心を鎮めて一つ一つの作業をていねいに扱っていきます。清航館から漏れ聴こえるアマチュアミュージシャンの練習音が未来につながる灯火となることを願っています。
(この文章は地域の回覧板用に2020年5月に書いたものです)