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【話題のワード】 ギャンブル依存症とそこからの脱却

イチ芸ラジオ、ryo:です。

野球界から、大きなニュースが飛び出してきました。良いニュースではないので詳しくは触れませんが、今回はそのニュースの中でキーワードとなっている「ギャンブル依存症」について書きたいと思います。


私の経験談

まず、私も経験があります。
抜け出す事が出来ましたし、友人からはお金を借りましたが、消費者金融などには手を出さなかったので、「依存症」まではいかず、一時的な「沼」くらいだったのかもしれませんが、ピークの時はおそらく渦中の人と同じような精神状態になっていたかと思います。

その当時、私はパチンコ店でアルバイトをしていました。今では普通になりましたが、当時は時給が1000円を超えるバイトは珍しかったです。そんな中、時給が1000円でスタートしただけでもありがたかったのですが、パチンコのパの字も知らない私は真面目に勉強し、接客も頑張り、バイトリーダー的なポジションになり、時給は最終的に1300円まで上がりました。
とはいえ、その頃は劇団員だったので、生活の中心は演劇の稽古や公演であり、その為に短時間で稼げる仕事を選んだだけです。さらには、公演期間は1〜2週間休まないとならないので、その長期休みを心置きなく取れるようにする為、勤務態度はすこぶる真面目にしておく必要がありました。その結果、時給が上がりまくりました。
そして演劇を辞めた時、ただ単純に時給の高い仕事だけが残りました。また、バイト以外にやる事が無く、週6とかで働くのが当たり前になっていました。1番働いた月で、「月2休」というのがあったので、
30日−2日=28日×8時間=224時間勤務
224時間×1300円=月給291,200円
という月がありました。アルバイトでこの金額はなかなかですよね(笑)
そして、この金額を1週間で使い切る。
それが当時の私でした。

ギャンブル依存症の1ヶ月

(多分、通常の思考の人には信じられない世界かと思いますが、本当に、これが普通でした)

給料日。
友人から借りていたお金を返します。
その友人から「その金で打ちに行こう」と言われ、返済すべきお金をそのままギャンブルに注ぎます。
それで勝てば、きっちり返済した上でお金がプラスになるので、給料が増えた気分になり、お金を貸してくれた友人に「利子払うよ!」と言い夕食を奢ります。
負けた場合は、友人が「誘った俺が悪いから、すぐに返さなくていいよ」と言い、借金はそのまま翌月に繰り越されます。
普通に考えれば気付きますよね。勝とうが負けようが、給料日初日からマイナスのスタートです。
この友人が異常だと思うのが普通ですよね。でも、全然異常ではありませんでした。だって、私もお金に余裕がある時は全く同じ事をしてましたから。。。
その後、ほぼ毎日打ちに行きます。
(打ちに行く、というのは、パチンコやスロットをやりに行く、という意味です)
勝ったり負けたりしていれば1ヶ月保ちますが、負けが続いた場合には、1週間ほどで所持金は底をつきます。仲間内で、誰が勝ってるとか誰が負けているという情報は共有されますので、みんなで貸したり借りたりご飯を奢ったりして、助け合いが発生します。
クズですよね。今の私なら、これを読んでいる普通の人と同じように「うわー、クズだなぁ」と思いますが、当時はそれが普通の世界にいたので、全く思いませんでした。
ちなみに私は真面目(笑)だったので、クズなりに勉強して、徐々に勝率は上がり、借りる事は減っていました。
そんな中、たまにあるんです。めちゃくちゃ勝って、1日で10万とか稼げる日が。
そこまで勝つと、結構長時間そのパチンコ店に居る事になりますので、私が当たっている、という情報は当日中に仲間に伝わります。とはいえ、そこから急落する事もあるので、その当日は勝っている私を見に来て帰るだけです。翌日になって、最終的に大きく勝っていた場合、金融屋のようにみんなにお金を貸します。
大人数を集めてみんなに奢る!みたいな事は無かったです。1人で豪華な夕食を食べる!みたいな事も無かったです。牛丼に味噌汁付けちゃうとか、コンビニじゃなくてファミレス(ガストとかバーミヤンとか)行っちゃうとか、その程度でした。
誰かと一緒に打ってて勝った時は、その友人と焼肉行ったりしてましたが、1人で発散はしなかったですね。明日無くなるかもしれない金なので(笑)

ギャンブル時代の1番の(クソ)エピソードを紹介します。

給料日まであと1週間。手持ちのお金が底をつき、友人に1万円借りました。それで1週間過ごそう、と思っていたのですが、その友人から「あと1万円貸すから、一緒に打ちに行こう」と誘われました。正直、その日はそこまで熱意が無かったのですが、他にする事も無く、仕方なく一緒に朝から打ちました。
結果、その1日で15万円だか18万円くらい勝ちました。
もちろん借りる予定だった1万円を返しました。夜ご飯も奢りました。来月まで安泰なくらいなお金が手に入り、とても優しい気持ちで眠りました。
翌日、引くほど負けて、そのお金が全部消えました。さらに翌日、結局友人から1万円借りて、残りの5日は一切ギャンブルせずに過ごしました。

ヤバいですよね。ヤバいと思います。

依存症からの脱却

こんなクソみたいな生活から抜け出す事ができた方法をご紹介します。(あくまでも私の場合です)
パチンコ店退職後、周りにギャンブルやる人がいなくなってからも、私はギャンブルを辞められませんでした。それでも、さすがに周りとのギャップがあり、「辞めたい」と思うようになりました。
最初はとにかく「やらない」「パチンコ店に近付かない」を試しましたが、ただ押さえ付けるだけだと、反動でいきなり5万円握りしめてパチンコ店に行ってしまったりしまいました。
この方法は自分に合ってないと思い、今度はゲームセンターに通いました。結果的に、これのおかげで私は沼、依存から抜け出す事ができました。

方法としては、打ちたくなった時に、本物のパチンコ店には絶対に行かず、代わりゲームセンターに行く。それはもう、絶対に我慢しない。「あ〜」と思ったら、2時間くらい自転車乗ってでも、打ちたい台を探して回る。そして、やりたい台を見つけたら、飽きるまでやる。
最初の内は、ゲーセンで、ずっと同じ台で、5000円とか使う事もありました。それでも、絶対に後悔したり反省したりしない事。そう決めて続けました。
これだけです。欲求の開放は制限せず、その開放方法を制限しただけです。
ギャンブルって、口では「一発稼いでやる」とか言いながら、トータルで負けてる事は自分で分かってるし、パチンコで一発稼ぐなんて不可能だという事も自分で分かってるんですよ。でも、金が消えていくヒリヒリ感や、一発で数万円が稼げるハラハラ感など、脳の刺激が強すぎるから、それに酔ってしまう、求めてしまうだけなんですよね。(私の場合は、です)
であれば、とにかくその刺激だけを残せれば、どれだけ勝ってもお金が帰ってこないゲームセンターであっても、自分は楽しめるのではないか?と思ったのが始まりです。
私の場合は、これが見事に正解でした。
使ってるのは1000円。稼いだメダルは数千枚。お金は何も返ってこない。でも、めちゃくちゃ満足感が感じられました。
そして、これを継続していく内に、次のステージに入りました。
パチンコやスロットって、やってる間はもの凄く暇なんですよ。起承転結など全くありません。何の変化も無い画面を見ながら、ひたすら玉やメダルを入れていくだけ。で、あるタイミングで急に演出が入ったり、大当たりしたりします。
スポーツで言うとサッカーのような動きです。
サッカーが好きな人にとっては、パス1本、ドリブル1つにも意味があり、それが紡がれてゴールに繋がっていくと思えますが、興味無い人にとっては、全く動きが無いまま90分見続けて、0-0とか、1-0で終わる。なんならその1点入ったシーンを見逃した、みたいな事がありますよね。
それに似てます。
全く動きや変化が無いものを待ち続けないとならないゲームです。普通の人は、一切楽しくないです。
ゲームセンターで繰り返し遊んでいる内に、「ギャンブル(お金の動き)」の要素が取り除かれ、「ゲーム」として遊ぶようになってきました。
そうなるとね、つまらないんです。
何でこんなゲームやっているんだろう。メダルゲームやった方が楽しいわ。ってなってきたんです。
ゲーセンに到着して真っ先にパチンコ/スロットコーナーに向かっていた足が、そちらには行かず、パチンコやスロットでめちゃくちゃ稼いで預けてあるメダルを使って遊ぶ事の方が多くなってきたんです。
メダルゲームって、ゲーム性が素晴らしいので、やってると楽しいし、そこそこ当たるから、長く遊べます。
当時、お気に入りのゲーセンがあって、そこでメダルをめちゃくちゃ稼いで全部預けていたので、多分2〜3ヶ月くらい無料で遊んでいたと思います。
それで、預けていたメダルがいよいよ無くなった時に、ずーっと無料で遊んでいたから追加でメダルを買う気にもならないし、もちろんパチンコ/スロットでまた稼ごう!という気にもなりませんでした。
晴れて、ゲームセンターも卒業出来たんです。
同時に、私のギャンブル依存も無くなっていた事に気が付きました。

脱却後

依存は脱却しましたが、もちろん今でも「パチンコ/スロットは楽しい」「メダルゲームは楽しい」という感覚は残っています。ゲームセンターに行けばやりたくてワクワクします。
でも、そこに「お金を(沢山)払う」という感覚は無くなりました。いや、もちろん捨てて良い程の金があるなら1日やってても飽きないとは思いますけどね(笑)
悪い意味で日常化していたギャンブルが、消え去りました。しかも、一時的に消えたとか、我慢してる、とかではなく、感覚として「飽きた」「やる意味が無い」という域に達しているので、リバウンドは無いと思います。
あくまでも私には効果があった、という言い方にはなりますし、ゲームセンターリハビリの間もお金かかりますし、それがどれくらいの期間になるかは分かりませんが、私はおすすめの方法だと思っています。

なお、他の依存症でも応用できるかな?と思って考えてみたのですが、アルコールやタバコなどはゲームセンターのような「欲求だけ満たす」モノが無いので、難しいかもしれません。
アルコールなら「0%」のお酒?を飲むとかになるかもしれませんが、それだと酔えないので「酔いたいわけではなく、お酒を飲む行為が楽しくて辞められない」という人なら効果あるかもしれません。(割とレアケースだと思いますがw)
タバコは電子の中でも軽いやつにするとか、飴を咥えるとかですかね。これも、ニコチン中毒ではなく、タバコを吸う行為の依存症であれば効果があるかもしれませんが、レアケースですよね。
なお、私もタバコ吸ってた時期がありましたが、肺炎を患い、一発で辞めました。呼吸出来ないって、本当に本当に地獄ですよ。あんな苦しい思いは二度としたくないと強く思ったので、今では断固として吸いたくないです。

パチンコ/スロット以外のギャンブル

ちなみに、私は競馬もやってた時期があり、今もまた再ブームがきています。ただ、競馬はお金をかける楽しさよりも、馬や騎手などの歴史やドラマを楽しむものだと思っているので、特に依存症にはなっていません。野球やバスケと似た感覚で、ファンとして追いかけてます。
競艇、競輪なども触れた事はありますが、ハマった事はありません。
宝くじについては、すぐに結果が出ないし、自分の力で操作する事が出来ないので、楽しいかと聞かれると、特に楽しさは感じてないですね。庶民として、夢を買う、くらいの感覚です。

最後に

ギャンブルをやらない人は、ギャンブルをやる人を軽蔑する事が多いと思います。パチンコ店や競馬場に出入りするような奴は全員クズだ!と思う人もいると思います。ですが、ギャンブルは本能を揺さぶる遊びなので、依存してしまう可能性は誰でもあると思います。
よく聞くと思いますが、ギャンブルは大体みんな「ビギナーズラック」が起こります。
初めて馬券買ったら1万円勝っちゃった!みたいな事ですね。無欲でやる方が勝てるんですよ。でも、二度目からは、もう欲まみれですよね(笑)
なので、当たらない。でも、最初の良いイメージが脳にこびり付き、離さない。だから、繰り返してしまう。
はい、依存症一丁上がり!(笑)
これ、頭が良いとか悪いとか、育ちが良いとか悪いとか、関係ありません。お金に対して無欲な人は大丈夫かと思いますが、今目の前に役所や警察などの公的機関の人が現れて、10万円出して「これはあなたの物です」と、言ってきたらどうしますか。
もちろんリアルに想像すると恐いですが、ちゃんと、問題の無いお金であれば、貰いますよね。
貰うと答える人は、100%全員、ギャンブルに染まる可能性があります。
染まらないようにするには、依存症にならないようにするには、確実な方法が1つあります。

やらない

もう、これに尽きます。
やっちゃダメです。
素人が手を出すと、必ず当たります。
当たったら、もう逃げられません。
だから、最初の一歩を踏み出さないで下さい。
どうしても踏み出したいのであれば、ギャンブルに全く興味無い人に、状況を逐一報告してください。そして、厳しい言葉で罵倒されてください。
それで、現実に帰って来られます。
それくらいしておいた方が良いです。
ギャンブルに限らず、依存症は正確な判断が出来なくなるので、恐いですからね。
この記事を読んでドン引きした気持ちを忘れないで下さい。
そして、上記は全て私の話ではありますが、過去の話なので、今の私にドン引きしないでくださいね!
今はもうギャンブルに対する熱量は低いし、大金を突っ込める程余裕ありませんので(笑)

最後の最後に。
イマドキの競馬場がどれだけ平和か紹介した記事があります。ぜひご一読頂けたら嬉しいです。

では。

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