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タイの生活 - 偽造eneloop編

先日ちょっとやらかしたことがあったのでお話します。

■やらかしの気付き

タイにもLazadaという大手通販サイトがありまして私もたびたび利用しています。Lazadaは日本で言うところのAmazonマーケットプレイスや楽天のようなもので、個々の店舗の商品をLazadaが取りまとめて陳列するサービスです。(購入者はLazadaのサービス上で購入手続きや支払いを行い、商品の発送は個々の店舗が行う)

2020年5月某日、エアコンのリモコンの電池切れをきっかけに「せっかくだから俺は充電池を買うぜ」と思い立ち、充電池と言えばeneloopだよなとLazadaでいそいそと検索したわけです。

著名な商品なので、出るわ出るわで価格も店舗ごとに多少の差はあるもののほとんどが似たような価格帯で販売されています。

その中である程度の評価レビューが付いており、店舗の評価もそれなりの商品を選択。2つ買うと5%OFFになるプロモーションもチェックしつつ、単3とついでに単4も買っておこうと4本入りをそれぞれ2つずつポチりました。

さて、2日後無事に商品が届いて、充電パラダイスや!と思ってダンボールから出した商品を手に取った瞬間

『あ、なんかコレやらかした気がする…』

と直感的に思い、調査開始。

■調査

結論から言うと、タイトルにある通り偽造品(パチモン)でしたね。

▼調査1 : レビューの再確認
今回、なんとなくレビューをよく確認せずにポチってしまってましたが、よく確認したら☆1のレビューに「偽物です」とはっきり書いてありました。バッテリー系の偽造品は容量が少ない、充電できないといったものがよくあります。これらのレビューにもフル充電しても仕様の60%程度の容量にしかならないという旨が証拠写真と共に書かれていました。

▼調査2 : ネット検索
eneloopは世界的に有名な商品なので、偽造品が出回っています。その中で「低価格で売られているものはほぼ100%偽造品」という身も蓋もないことが書かれており「そういえばeneloopの正規価格っていくらなのか確認してなかったな」と。
実際、今回の購入価格は4本セットで150THB程度(約500円)でした。久しくeneloopを買ってなかったのでそんなもんかなと思ってましたが、同商品の日本での価格は1,500〜1,900円(500〜600THB)なので安すぎます。
ほとんどの店舗が150THB程度の価格帯で売っていたのでそれが一般流通の標準価格帯と思い込んでしまったわけです。(つまりほとんどの店舗が知ってか知らずか偽造品を売っている)

▼調査2 : パッケージの確認
日本向け商品の偽造品なら日本語の文面やフォントなどで誰が見ても一瞬で中華製のパチモンだと気付けるんですが、eneloopとはいえ海外向け商品のためほぼ全て英語で書いてあるので文面やフォントで見分けるのは難しいです。また、手元に正規品が無いと比較することもできません。
ということで、近所のOfficeMate(オフィス用品専門店)で同商品(おそらく正規品、454THB)が売っていたので購入。よく見れば怪しい点はたくさんあって、手元に届いたものはやっぱり偽造品だなと確証を得ました。見分け方のポイントは後述。

▼調査4 : YouTubeの検証動画
ネット検索してる時にYouTubeで偽造品の見分け方の動画を発見。便利な世の中になったもんです。さらにYouTube内で「Fake eneloop」を検索していくつかの動画を見ながら調査3でチェックした内容と同じことを指摘しているのを再確認。ほぼほぼ同じポイントで見分けてました。

■eneloop pro偽造品の見分け方

先に述べておくと、今回通販で届いた商品は明らかに偽造品であると確証しています。一方、比較材料としてしてOfficeMateで購入した商品が100%正規品である確証は得られていません。正規品であると保証されたものと直接比較しなければわかりませんが、少なくとも偽造品のような稚拙さは見受けられません。もしこれが偽造品であるのならば極めて精巧にできていると感心します。

また、比較という形で見分け方を紹介しますが、パッケージデザイン(文言や記載の情報など)は製造時期や販売する国によって異なるため比較対象としません。ちなみに偽造品の方はベルギー向け、正規品はシンガポール向けのパッケージでした。
シンガポール向けの製品がタイで流通しているのは道理が通りますが、ベルギー向けの製品をわざわざタイで売るとは通常考えられないのでこの時点でアレですね。

さて、比較してみましょう。左が偽造品、右が正規品(おそらく)です。おかしいところがわかりますか?

▼単3形(AA)

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▼単4形(AAA)

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左が100%偽造品であると断言できるポイントはメーカーロゴ、商品ロゴです。他の箇所はデザイン上の問題だとか工場での生産過程の問題だと言い逃れしようと思えば、こちらとしてそれを証明できませんが、ロゴだけはメーカーおよび商品ごとに定められた唯一無二のものであるため、これが正規のものと違っていれば正規品であるとはできないでしょう。

Panasonicのロゴは似てるけどちょっと違うフォントを使ってるという感じですかね。一番よくわかるのはcの切り口が水平になっているかどうか。他にもoの穴が若干潰れてるとか、フォントが違うからそもそも一致しているところが無いんですけども。
eneloop proのロゴで全く違うのは裏面のpの形。パッケージの表と裏でロゴの形が違うことに誰か気付けよレベル。あとはeの横線の位置。円の中心より少し上にあるのが正解。eの切り口が水平になってるのもNG。これ律儀に一から描き下ろしてるんですかね?そうでないとこんな違いが出るはずないんですけど。

たまたま似てるだけで別物ですという言い訳ができるようにわざと微妙に変えてあるのか、ロゴの一つもまともに完コピできないのかわかりませんが。

他に外見で怪しいところは次のような点。

・地球のイラストが鮮明でない
・利用用途のイラストが鮮明でない(細かい部分が潰れてる)
・Capacity Remains 85%の8と5が不自然に離れている
・Capacity Remainsのバッテリーのイラストが緑色で位置もズレてる
 (色は比較しないとわからないけど)
・単4形の商品コードが"BK-3HCDE"になっている
 (これは単3形の商品コード)
・単4形のバーコードが中国用
 (販売元の記述はベルギー)
・単4形の電池本体の印刷が左側に寄っている
・パッケージにProduction Date(製造年月)が刻印されていない
・電池本体にもProduction Dateが刻印されていない

最後に、私が商品を手に取った瞬間におかしいと感じたのがこれ。

パッケージの余白やインデントなど、全体的なデザインのバランスがクソ過ぎて気分を害した

これに尽きると思います。
人間の平衡感覚とか、1mmのズレが気になるとか、そういう本能的な感覚。
あれ、なんか違うぞってやつ。
その観点で見ると、パッケージの表も裏もパーツごとの余白、レイアウトのバランスがバラバラで統一感のかけらもない。見てるだけでこれ配置したやつをぶん殴りたいレベルで気分が悪くなる。

という感じで、電池自体の容量がどうのという品質以前にパッケージの品質からして偽造品ということで。

■反省と注意喚起

普段、詐欺などにダマされるわけないじゃーんと高を括っていましたが、久々にやらかして少々凹みました。

振り返ってみると、注意不足確認不足だった点がいくつかあるなと思ったので、自戒の念を込めて反省点・注意喚起として記しておきます。

▼世界的ネームバリューのある商品は偽造品を疑え
eneloopのように世界的に販売されている商品は偽造品や模倣品が出回りやすい。特に「日本のメーカー」「量産できる低価格の消耗品」「海外向け」であれば、日本以外の外国へ流通させるための中華製品が大量に作られる。日本の大手メーカーだと中国に生産工場を持つ場合が多いのでコピーされやすい。基本的に偽造品であろうというところから考えを始めるべき。結果的に正規品であればそれに越したことはない。

▼★1,2のレビューをよく読め
日本のAmazonのレビューが中華汚染されているのは有名な話で、高評価も怪しい日本語ばかり、低評価もアンチだったり商品と関係無い理由だったりすることがありますが、それでもやはり見るべきは低評価レビュー。タイでも同じです。
Lazadaは怪しい商品には写真付きで事実が記されていることが多いので、タイ語を翻訳して目を通すこと。

▼販売店の情報を確認しろ
上記の商品レビューと同様に店舗のプロフィールもよく確認すること。今回利用した店は、概要的に表示されるPositive Rating(高評価)は90%を超えていたが、見ていなかった詳細を改めて見たらJoind(Lazadaへの加入年数)は7ヶ月だった。実店舗があるかどうかも不明。
できれば、Lazada加入から数年経っていて、実店舗がある店を利用するのが望ましい。

▼正規価格を確認しろ
今回、自分でもよくわからないが正規価格を確認していなかった。比較的低価格の商品であること、ほとんどの店舗が同価格帯であったこと、疲れていたことなどが原因だと思う。
これまでLazadaでカメラ用SDカード(5,000円くらい)や、スマホ(2万円くらい)を購入する際にはそれなりに高額であることがわかっていたので、日本での正規価格と比べて異常に安く売られていないことを確認していた。

▼疲れている時にポチるな
購入した時のことを思い返すと、仕事で肉体的精神的に結構疲れていたと思います。しかも購入時刻を見ると深夜2時半。
注意力が低下するので疲れている時に安易にポチらず、一晩寝て翌朝もう一度確認してから買うようにしましょう。

■その後

幸い、Lazadaは7日以内であれば返品可能であるため、返品手続きをしています。本来であれば偽造品を返品してまた別の人に売られたくないところですが、ケチ付けられたりこれ以上関わりたくないので未開封のまま返品します。

返品の手続きは全てLazadaのWebサイト上で行えます。
返品理由に「Counterfeit」を選択して、受け取った商品が全て偽造品である旨をコメント、商品の写真を添付して返品申請しました。
申請から数日後に返品が了承され、Kerry(配送会社)での返送用の情報を印刷して、送られてきた段ボール箱に商品を入れて近所のKerryへ持ち込みました。Kerryでの発送は初めてでしたが印刷した紙を見せたら手際良く処理してくれました。もちろん着払いなので費用は発生しません。

発送から数日後、Lazada上では返品および返金手続きが完了したステータスになりました。クレジットカードの引き落としは翌月なのでおそらく支払いがキャンセルされたかたちになるのでしょう。

■最後に

今回は、久々にやらかしてしまったというダメージが大きかったので記録しておきたかったのと、みなさんにも改めて気を付けてほしいと思ったのと、タイの通販についてもお伝えできればと思った次第であります。

トラブルもたまにありますけど、気を付けて利用すれば通販はなんだかんだ便利ですのでぜひ活用してみてはいかがでしょうか。

中華製品が全て悪いということでもないし、安かろう悪かろうというのを承知の上で利用するのは別にアリだと思います。ただ、電化製品(特に今回の充電池のようなもの)などは火事の原因になったりもするので、十分に注意してほしいなと思います。

以上。

■後日談

さらにその後の話として、OfficeMateで購入したeneloopが本物なのかを検証するエントリーも書きました。

■おまけ(タイの通販サイト情報)

ちなみに、タイの通販は今回利用したLazadaと、Shopeeが有名です。

Lazadaはシンガポール発で東南アジアを中心にタイ以外でも利用されています。しばらく前に中国資本(アリババグループ経営)になったとかで、その影響なのか商品を検索すると中国からの配送のものが大量に出てきます。ご利用の際には予想配送日数なども併せて確認すると良いでしょう。

Shopeeはあまり利用しないのでよく知りませんが、こちらもシンガポール発で東南アジアで展開しているようです。タイのShopeeはWebサイトはタイ語のみ、スマホアプリはタイのアカウントでしかダウンロードできない(当然アプリ内もタイ語のみ)という感じで外国人には優しくない。
ただ、売り手側の利用の敷居が低いのか、Lazadaでは取り扱いが無いようなニッチな物が売られている。例えばSiamdolがSiam☆Dreamの公式グッズ(Tシャツ)を売っていたり、トレーディングカードショップがSiam☆Dreamとブシロードのコラボカードを売っていたりと、およそ一般流通していないようなグッズもShopeeでは手に入れることができます。

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