見出し画像

ちゃんぽん食べさるく長崎人

 2週間ほど長崎の実家に帰省しており、昨日韓国に戻ってきました。先週先々週と「長崎編」をお伝えしてきましたが、今週は「長崎ちゃんぽん」というテーマを韓国人にからめて、お話したいと思います。

韓国人の「長崎ちゃんぽん」愛

 ここ韓国にて「長崎から来ました」と伝えると、「ちゃんぽん!!!」という反応が90%の確率で戻ってきます。そのくらい、韓国における「長崎ちゃんぽん」のネームバリューは大きいです。日本だと「長崎の食」といえば「カステラ」を思いつく人も多いのでしょうが、韓国では「台湾カステラ」が有名になってしまい、「長崎カステラ」を知る人はあまりいないようですね。

 韓国ネイバーブログで、「日本人の韓国食食べ歩き」や長崎に関する記事を投稿している私ですが、読者さんは、やはり日本好きの方々が多いようです。長崎帰省の際、日本食食べ歩きの記事を投稿すると、みなさん嬉々とコメントをしてくれます。

 以前のこと。少しばかりブログウケを狙い、長崎中華街にある江山楼の「ちゃんぽん」をわざわざ食べに行ったことがあります。わざわざ?そうなんです(笑)。長崎人にとって、「ちゃんぽん」は日常食に溶け込んだ料理。近くの食堂やリンガーハットで食べたり、近くの中華飯店で出前とってみたり、家で作ったりもします。
 
 なので、わざわざ中華街に「ちゃんぽんを食べに行く」という長崎人はあまりいないと思います。(長崎の方、そうですよね??)しかし、韓国人は「長崎ちゃんぽん」に特別感を抱いていますから、「長崎のどこのお店のちゃんぽんが美味しいのか?」は、とても重要なネタなのです^^

 さて、江山楼に行ってみたところ、店内は観光客ばかり。意外でした。「江山楼」って、名が知られているお店だったんだ。私にとっての「江山楼」は、地元民がお祝い事や特別な集まりの場に使うそういうイメージがありましたから。確かに、長崎中華街自体がいわゆる観光地の類に入りますので、外からのお客さまが多いのは自然なことなんでしょう。 

 ブログ用の写真をパチリパチリと撮りながら、特製ちゃんぽんをいただきました。高級食材なども入っており、見た目はゴージャス。味は?「はい、普通にちゃんぽんしてて美味しいです」という、全く冴えない感想^^。

 幼い頃より普通に食べてきたので、舌の感覚がマヒしているのかもしれません。「これはこうで、こうこうこういうところがこうだ~~」みたいな感想が出てこないんです。そんなこんなを写真付きで、韓国ブログに投稿してみました。すると、日本通の方より、こんなコメントを頂きました。

ここは誰でも知っている有名なとこ^^
もっと地元民しか知らない美味しいとこ教えてよ!

 ( ̄∇ ̄;)ハッハッハ。研究が足りませんでした。そうか。そうか。それならば、ガイドブックにも載っていないような名店を探さん!と、知られざる地元の情報たくさん持ってそうなタクシーの運転手さんに訊いてみました。ところが、「う~~ん。どこですかね??」という返答;;そりゃ、そうだよね。ちゃんぽんって、どこで食べてもそこそこ美味しいもん。これが、ほとんどの長崎人の本音ではないでしょうか。

 そんなこんな経験から、私は「美味しいちゃんぽん」から「韓国人の好きそうなちゃんぽん」に視点をずらして、考えてみることにしました。

韓国人の好きそうな長崎ちゃんぽん

 意外に思われるかも知れませんが、多くの韓国人は「脂っこい」に対する許容範囲が日本人と比べると小さいです。肉食民族でお肉のスープを使う料理も多いので、「脂っこいもの?まかせとけや~~」ってイメージがありました。ところがどっこい、スープに少しでも脂分が浮いていたりすると拒否反応が出るんですよね。

 韓国でも人気の豚骨ラーメン。多くのお店ができましたが、そのほとんどは丁寧に脂分を取り除いた、あっさり豚骨スープで提供しています。それでも豚骨なんで、「苦手だ」という人も実は少なくありません。考えてみれば、韓国料理に出てくるスープって鶏や牛を使ったあっさり系が多いですもんね。

 そして「しょっぱい」もまた苦手とする韓国人は多いです。これは気候や環境に大きく左右されるようです。特にソウルなどの北の地方に住んでいる人は、塩加減にとても敏感です。ソウルで食されているキムチも辛くはあるけど塩気は決して強くないです。

 私は日本人ですので、日本の味付けに「しょっぱい」と感じることはもちろんありません。ですが、韓国人と一緒に日本を旅すると「美味しいけど、ちょっとしょっぱいね」という感想をもらうことがあります。日本は韓国に比べると、湿度が高く発汗の量も違ってくる。そのため塩分の摂取量がどうしても多めになってしまうということなんでしょうか。

 とにもかくにも^^このことから韓国人の好きそうなちゃんぽん像を割り出してみました(笑)

スープは鶏ダシメインのアッサリ系
塩気はひかえめ
種類多めの具だくさん
麺は程よくコシの感じられるもの

by ichie

ちゃんぽん食べさるき

 よ~し!!韓国人の好みそうなちゃんぽんを見つけるぞ!という闘志に燃えた私は、まず観光地に近い有名どころから当たってみることに。地元の情報誌を手掛かりにいくつか候補をあげました。

 トップバッターはここ。

「長崎といえば?」で思いつく方も多い「めがね橋」

 そのお店は、めがね橋で知られている中島川沿いにあります。

長崎 共楽園

 この頃、コロナ感染者が増えてきはじめていたので、お昼時間をわざと避け、11時過ぎに行ったのですが、それでもお客が多かったです。10分ほど待ちました。

カウンター席もあり、おひとり様でも入りやすい雰囲気

 ガイドブックによると、ここは、パリパリ細麺の皿うどんが人気でおススメなのだそう。おもわず悩んでしまいましたが、ちゃんぽんを無事注文^^

このメニューのシンプルさ^^好きです

 中華街のお店も高級感があっていいですが、個人的には、食堂然としたところが好きです。「孤独のグルメ」好きな韓国の方にもウケそうな店内の雰囲気ですね。

こんもりした具だくさんが、食欲をそそります

 いいですね^^このキャベツなどのお野菜たっぷり~~が私好み^^。いけない!いけない!韓国人目線でいただかなければ(笑)。
 韓国人は、ビビンバに代表されるような、たくさんの種類の食材を「混ぜ混ぜ」し、いただくお料理が大好きです。量が多いだけではダメ。その種類が豊富でなければ!それでいうと、「ちゃんぽん」という料理は、韓国人の好みに合ったものと言えそうです。

美味しかった~~~

 スープはあっさり系で、塩気は強くありませんでした。わたし的には、物足りなさを感じる程。これはこれは、韓国の方向けといえるかも。

 実は今回の帰省中、もう一か所ぐらい寄りたかったのですが、コロナの勢いがスゴイことになってきていたので、あきらめました。また今度のお楽しみということで^^。

 幼い頃から馴染んでいる地元の料理を食べ歩いてみる。これはこれで、なかなか新鮮かつ面白いですね。そういえば~と、ふと名古屋の味噌煮込みうどんと仲良くしている名古屋出身の友人のことを思いました。

 友人には、「名古屋に行って味噌煮込みうどん食べたいんだ」って口癖のように話しています。もし彼女に「味噌煮込みうどんの美味しいお店紹介して!!山本屋じゃなくって、他のとこ」って言ったら、果たして答えられるんだろうか?「どこの味噌煮込みも、そこそこ旨いけど」なんていう返答かも知れないなどと思った次第です^^

 最後に。。「さるく」という言葉についてですが、「ぶらぶらと歩く」という長崎の方言です。(実は私知りませんでした;;)


いいなと思ったら応援しよう!