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地学室の幽霊になった日
高校3年の時、ひょんなことから
地学室の幽霊になった
(女子高です)
ある日の夕方、といっても周りは暗かったので19時以降だっただろう
私の高校の地学室は4階にあった
学校自体は3階建ての作りなので地学室だけひょっこり出ている特殊な造りだった
私は地学室に用があって一人で向かった
電気をつけずほぼ真っ暗
誰もいない4階はシーンとして気味が悪いと思った
ちょうどその時階段から
二人の生徒が上がってきていて
上を見あげた瞬間と私が入口に入って姿を消した瞬間がほぼ同時だった
階段を上がっていた二人の生徒は
「きゃーー」
と叫びながら階段を降りていって逃げてしまった
あれ、勘違いされちゃった?
恥ずかしいな
なんて思っていた
翌日、掃除の時間に担任の先生(地学)が、周りの生徒に
「昨日地学室に幽霊が出た」
という話をしていた
どうやらあの二人の生徒が先生に報告していたらしい
嬉々として話すその姿を見てなんだか少し滑稽で面白くなった
生徒たちも面白く聞いているし
(あのーそれ、私です)
あえて、それが私だとは言わなかった
このまま「地学室の幽霊」として後世、怪談話として語り継がれればいいなぁと思ったからだ
今でも語り継がれているかどうかは分からない
そういう勘違いが原因で怪談話になっちゃうことってありそうだなと思った