目標設定とhopeの考え方

こんばんは、

今回は私も新人さんと一緒に悩んだ症例について記載させてもらいます。個人情報は載せることができないため、抽象的な表現となりますが、お許しください。


患者さんは脳梗塞のXさん

病前は自宅で奥様と過ごされており、杖歩行にて移動し生活も自立していました。

今回の発症により、車いすベースでの生活で介助も必要で歩行時も中等度の介助が必要な状況です。

身体機能としては、

Brs-T:上下肢ⅴ 手指ⅳ

筋力:下肢体幹筋MMT3レベル

深部感覚障害重度鈍麻

BBS:30/56点(アウトカム:病棟歩行自立45点)

認知項目はHDS-R:17/30点

上記の情報をもとに来週に他部門が参加するカンファレンスがあり、そこでだいたいの方向性や目標が決まってくることになるのですが、

新人さんのケースなので、一緒に考えていると、

「これは歩いたほうが良いのですかね?それとも車椅子の方がよいのか?」

と移動面で新人さんは悩んでいたようです。

歩行であれば物持ち歩行や他者との会話をしながら移動などの二重課題に配慮する必要があり、安全な移動ができるのかという疑問が残ります。

車椅子であれば現時点では直進は可能なので、方向転換や曲がり角などの動作を反復していけば獲得できるかと思います。

しかし、操作はできてもトイレに行く際にブレーキ管理や周囲や環境に配慮しながら移動するには認知的に難しいことが予想されます。

つまり、どちらにしても介助が必要になるのかなと言うことです。

本人は、

歩きたい

とhopeを口にしているものの、見当識障害、短期記憶障害もあり一貫性がない状況。

方向性にもよりますが、

まずは車椅子動作の獲得をした上で歩行を目標に介入する流れでも良いのではないかと考えそのように伝えました。

ただ、個人的には伸びしろがあるうちに歩行機能を伸ばし、頭打ちになってからでも車椅子動作の獲得に至るのかなとも思いましたが、新人さんの力量を考え、まずは生活動作の自立度、介助量を減らすことを達成したほうが良いのかなと思い上記のように伝えました。

hopeはリハをする上で起爆剤にもなるし、消火剤にもなります。患者さんの意思を尊重した上で今すべき事の優先順位が目標となり、その先にhopeがあり達成できるよう支援していくことが出来れば一番良いと私は考えています。

新人さんも自らどのように患者さんと接しどのように歩んでいければよいのかを考えることができ、一歩ずつですが前進しているように思いました。

これからの成長が楽しみです!!


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