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Photo by
saudade_noemia
ロンサールのソネット
須磨離宮公園へ。
五月は薔薇の季節。
広大な庭園を様々な品種の薔薇が彩っていました。
薔薇の名前にも色々。
フランスの詩人ロンサールの名を冠した薔薇が。
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今日は、ロンサールのうち最もお気に入りの詩をひとつ。
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あの褐色の二つの眼 私の生命の焔
その稲妻は私に眼つぶしをくわせ
私の青春の自由を捕え
それを縛って獄舎に投じた
私の理性はあなたのやさしい火に奪われた
そんなにもあなたのすばらしい美にまなこくらみ
誠をつらぬき通そうと それ以来
他のどんな眼も見たいとは思わなかった
他のどんな暴君の拍車にも刺戟を受けず
他のどんな思想も頭に宿らず
他のどんな偶像も私は心にあがめない
私の手には他のどんな名もうまく書けない
私の紙には何一つちりばめられない
私の筆に描かれるあなたの美をほかにしては
「ロンサール詩集」井上究一郎訳、岩波文庫
「恋愛集」1552年初版より、ソネット第25番