習近平とトルドー、これまでもこれからも続く話
習近平とトルドーの会話が日本で話題になっていて、すごく意外。話題になった原因はニュースで取り上げられたからだけど、ふだんはほとんどアメリカ以外の海外のニュースを取り上げないのに珍しい。
この会話に関してはカナダのCBCがさっそくテレビで取り上げていた。
国際政治学者イアン・ブレマーへのインタビューと、会話直後に会話の映像を交えた紹介だ。
イアン・ブレマーへのインタビュー
https://www.cbc.ca/player/play/2113987140000
会話の紹介
https://www.cbc.ca/player/play/2114245187990
日本のメディアの多くは、トルドーが会談の内容をメディアに漏らしたことにクレームをつけたという感じになっていた。それはその通りなのだけど、背景がいろいろあって、そのへんはイアン・ブレマーのインタビューやカナダのメディアの報道でよくわかる。
・2018年にカナダがファーウェイの孟晩舟を逮捕し、その報復で中国がカナダ人ふたりを逮捕して以来、2国は緊張関係にある。
・中国はカナダに対して影響工作やスパイ行為を行っている(とカナダ側は調査結果から考えている)。
・中国にとってカナダは脅威ではなく、カナダにとって中国は脅威かつ経済的に必要な相手である。
・アメリカやインドなど一部の国をのぞくと、カナダと同じような立場の国はたくさんある。そのことをカナダも中国もよくわかっている。
・カナダとはこの後APECでも会う。
・カナダとしてはここで毅然と民主主義国としての立場を明確にしておきたい。カナダの態度が他の多くの国々にも影響する。
・中国としてはカナダとの関係が多少悪化しても問題ないので、あえて恫喝することでカナダ以外の国々に対しても脅しをかけたい。
その結果のメディアへのリークであり、習近平の説教だったという感じ。なので、これからも似たようなことがカナダあるいは他の国(オーストラリアなど)相手に起こるだろう。
余談だが、日本は中国にとってカナダほど軽く扱えない国と位置づけられているので、できることはたくさんあるような気がするけど、しないんだろうなあ。