独裁者ノート 基盤をIT企業に置く
独裁者になるにあたり、基盤を置くべき組織としてはIT企業が望ましい。理由はいくつかある。
・業種としてのイメージが悪くない。
・社会的影響力を大きくするためのネット世論操作を行うためにはIT技術者と基盤が必要である。
・YouTubeなどSNS企業、インフルエンサーとの関係を作りやすい。
・企業を中核とし、そこから資金提供を行って、政治団体や市民団体などを組織化しやすい。
・上場していた場合、資金調達がやりやすい。
・表向き政治色のない企業の方がやりやすいことが多い。
アメリカではシリコンバレーにはトランプ支持の起業家は珍しくない。パイパルの創業者で現在は複数の監視技術企業に関係するピーター・ティールはトランプ支持者だし、IT成金でアメリカ大統領選やイギリスのEU脱退を仕掛けたロバート・マーサーという人物もいる。新自由主義を標榜するIT企業は独裁者の拠点としてうってつけである。
社内にはデータサイエンティストを始めとしたネット世論操作の専門家と技術者をそろえ、ネット世論操作の体制を構築する。具体的には、『アメリカ大統領選は、ネット世論操作の見本市』(https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2020/10/post-10.php)で紹介した手法を行えるようにする。
・ケンブリッジ・アナリティカがやったようなパーソナリティモデルによる行動誘導を可能とするデータベースとSNSでのキャンペー活動体制の構築。
・ボット、トロール、サイボーグの運用。
・プロキシ(支援サイト、メディアなど)の作成と運用。
・支持者を組織化し、監視、利用するためのアプリの開発、配布、運用。
2020年のアメリカ大統領選でバイデンやトランプが配布した支持者用アプリが参考になる(https://www.newsweekjapan.jp/ichida/2020/11/sms.php)。位置情報やブルートゥースで支持者の行動を監視し、連絡先を共有してアプリ登録者を増やす。配信した情報をSNSでシェアさせるなどが可能となる。
・支持者との連絡のためのワレットパスの開発と配布、運用。スマホに標準インストールされているワレットに専用のパスを配布する。これにより、告知をいつでも送信できる他、寄付の受付や報酬の配布が容易となる。たとえば支持者用アプリで連絡先を共有し、そこから入会者がいた場合、キックバックすることができる。YouTubeのチャンネルへの誘導告知にも有効。
上場しているIT企業であれば、AbemaTV(メディア)のような放送局を開始するなど積極的かつ迅速な展開が可能となる。
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