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活字に溺れる

紙の本も、電子書籍も私のとっては大差無いはずだった。

一番本を読んでいたのは中学生の頃で、年300冊とか普通だった。

その後受験を機に、読書量は減っていったが、やっぱり私にとって読書は至福のときで、神聖な行為で、大好きだった。

紙派か?電子書籍派か?なんて議論されるのをよく耳にするが、正直どちらでもよくで、ひたすらに文字を置い続けることができるのであれば、どちらでも構わないと思っていた。

けど、最近になって私は紙派だということに気がついた。

きっかけは、大学のオンライン授業。

毎日大量の資料がネットで配られ、毎回全部をコンビニで印刷していては金銭的に厳しいので、基本的にはPCで管理している。

5月、6月ごろまではそれで平気だった。

それが、最近突然読めなくなった。

目は光る画面の上を滑っているのに、頭に何も入らない。
文字がスルスル脳内を通過して、内容が何1つ残らなくなってしまった。

こんなこと初めてで、これはまずいと思い少し休憩。
そのときふと目に入った本棚の本が無性に恋しくなって、恐る恐る手に取り開いてみた。

すると、読めたのだ。

寧ろ、以前よりも脳内に言葉が染み込んで行く感覚が心地良い。

紙の手触り、ページをめくる音、全てが愛おしい。

調子に乗って、図書館で本を10冊借りてしまった。

積ん読が増え続く……。

そんなこんなで今回のオンライン授業での一番の学びは、

私は紙の本が大好きだということである。

最近の楽しみは、カフェオレを飲みながら静かな空間で読書をすること。
今は、武田百合子さんの『富士日記』を読んでいる。

幸せ。



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いちる
文章を書くたびエネルギーを使います。そんな時私の体はチョコレートを欲するので、おそらくチョコレートを買わせていただくかと思います。