体の仕組みで体を緩める方法①
こんにちは
心と体の声を聞くセラピストの一柳成美です。
最近も暑いですね。
外に出るのが億劫ですし、動くと汗がダラダラ、、、
最近は、クーラーがある部屋にこもっちゃうなどと冷えて体が固まったり、そんな寒い中でパソコン作業をずっとして肩を凝って頭痛に繋がる方の治療が増えていてます。
筋力低下や筋緊張の異常、これらは全ての日常生活動作に大きく影響を与えるだけでなく、痛みを引き起こしたりもします。
しかし、その『筋緊張』って一体何なのか、理解しにくいですよね。
筋肉は、ゴムのように適度に伸びたり縮んだりして『筋力』を発揮します。
私たちが重力に対して姿勢を維持したり、運動したりする際に、この筋肉を収縮させて活動します。伸びきった状態や硬すぎる筋肉では適度な張力を瞬時に発揮することはできません。ですので、筋肉は動作に備えて準備されている、つまり筋肉の張力は常に保たれています。この状態を『筋緊張』といいます。その筋緊張が高まり、体がこわばってコリとして日常生活に支障を与えています。
筋緊張には「伸張反射」という体のシステムが関与します。
うわ、、、いきなり難しい言葉出てきたとなりますが、膝の下をたたくことで膝が伸びる検査といえば身近に感じやすいかと思います。
今回は、その伸張反射を理解して、筋を和らげれる様にしてみませんか?
最初に今回で出てくる名称の説明から、
伸張反射とは
伸張反射
簡単に言えば、急に伸ばされると切れちゃうからで縮んで!!
というシステムです。
ストレッチの時に、急に思い切り伸ばされて痛くて力を入れてしまった経験はありませんか?この反応を伸張反射といいます
いろいろと難しそうなので、その内容を簡潔に絵でまとめてみました。
つまり、ストレッチをするときには、急激に筋を伸ばすと伸張反射が起こり、十分なストレッチ効果がなくなります。いかに伸張反射を起こさせないように伸ばすかが必要になります。
また、伸張反射は姿勢の保持に大きく関与しています。
急に押されたりしたさいに、脳から指令を出して筋を収縮させていては姿勢保持が間に合わずに転んでしまいます。
実際には伸張反射だけで姿勢を制御しているわけではありませんが、大切な機能の一つであることに違いありません
Ib抑制(自己抑制)とは
Ib抑制(自己抑制)
伸張反射とは異なり、筋に付着している腱組織が急激に伸ばされたので、仲間を使ってその筋肉を緩ませよう!というシステムです。
繋がっている筋を抑制させるので「自己抑制」とも呼ばれています。
その内容を簡潔に絵でまとめてみました。
自己抑制は抑制性介在ニューロンを介して、主動筋に作用することをしっかり覚えておきましょう。
このシステムを利用して、ストレッチをする方法をIb抑制ストレッチといいます。
Ia抑制(相反抑制)とは
Ia抑制(相反抑制)
動かしたい筋肉が動かしやすいように、仲間を使って相手を緩ませよう!というシステムです。相手を抑制させるので、相反抑制とも呼ばれます
Ia抑制は伸張反射と共に作用しています。伸張反射は前述したように、「急に伸ばされると切れちゃうからで縮んで!!」というシステムです。実は、素早く縮めるように、仲間を使って、同時に相手(拮抗筋)にも緩まる様に信号も伝えています。つまり相手を抑制させるので、相反抑制とも呼ばれています。
伸張反射と流れは似ていますが、この反射は拮抗筋に作用します。
その内容を簡潔に絵でまとめてみました。
イメージとして、肘を曲げたいときは上腕二頭筋(力こぶの筋)が収縮しますが、拮抗筋である上腕三頭筋(二の腕の筋)が緩んでくれないと肘は曲がりませんよね。
このように、Ia抑制のおかげで私たちは、運動時の四肢の屈曲や伸展が円滑に行えます。
相反抑制は抑制性介在ニューロンを介して、拮抗筋に作用することをしっかり覚えておきましょう。
このように筋肉は、常に切れないように、そして自分がスムーズに動けるように相手に緩んでもらおうなどといったシステムがあります。そのシステムが破綻し、動きを止めるような状況がおきてしまうと「コリ」が生じてきます。
良く患者さんから、筋肉が硬くなってるから「緩ませて欲しい」「揉んでほしい」とご要望がありますが、硬い体こそこのシステムを使ってほしいです。体を適度に動かす施術をすることですーっと緩みます。手技をすることをサボるわけはありませんが、緩むことを知らない筋肉は手技ではなかなか緩みませんので、私は基本このシステムを使って緊張を落とすことが多いです。筋肉の仕組みを使って、体の硬さから解放され、気持ちの良い日常を過ごして欲しいと思います。
機会があれば、そのお話もしたいと思います。
最後まで読んでくださり、ありがとうございました
また読んでくださると嬉しいです。