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悪意は目立つが美しさは確かにある。オリジナルソング「泥と花〜日、再び出ずる国〜」
日本の美しさって何だろう?
国や地域は自分にとって身近なものなのに、愛国や郷土愛を歌うシンガーは多くない気がする。
日本がどんどん他国に売られていくのを感じる。
郵政民営化あたりから始まり、外国人労働者の問題、種子法のこと、水道民営化…など。特に最近はその流れが加速している気がする。
日本は終わったって声も前より聞く。それを憂う自分も日本の、日本人の美しさをあまり知らない。
マナーを守る国、財布が交番に届けられる国、争いより調和を重んじる国民性、いろんな文化を受け入れる懐の広さ…
そういう「美しさ」が忘れられ、「今だけ、金だけ、自分だけ」という価値観が社会を埋め尽くしていけば、日本はどうなる?どんな未来をこの国の子孫に残せる?
今こそ日本の美しさを思い出そう。知っていこう。そうすれば、きっと自分の心や言葉遣いも美しくなっていく。生き方のヒントや、この国の希望も見つかる。それで曲を作った。
悪意は目立つ?
仕組まれた悪が世界を覆う
疲れた心は毒を欲しがる
自らの脳にふるいをかければ
すベてが黒ずんで見える
だけど、心ある人は確かにいる
暗いニュースが多い。悪意あるコメントや広告が目立つ。しかも、似た情報が連鎖して、世界の全部が暗いように見えてくる。
確かに汚いものはたくさんある。でも、心ある人は、まっすぐに生きている人は絶対にいる。
ソーラーパネルの設置や道路の建設のために、日本の森林、水源が破壊されようとしている。それを食い止めようと活動をする人に出会った。
7世代先の子孫に明るい日本を届けるというコンセプトでマルシェを主催する人に出会った。耕作放棄地を使って有機農法を展開し、日本の農業を守ろうと奮闘する人にも出会った。
目線を上げれば、高い志を持った人や、美しい生き方をする人は確かにいる。目線を下げ、レベルの低いものばかり見ていては気づけない。だから、意識的に美しいものを探したい!
蓮華の水に在りて、世間の法の染まらざるがごとく
仏教で言うと、今は「末法」の時代。悪は余計に目立つ。でも、そんな中、正しい法を広めようと、地面から菩薩たちが次々と現れてくる。
蓮の花は、染め物に使われるほどどす黒い泥の中から生えながら、泥に染まらずに清らかに咲く。
一面に広がる どす黒いぬかるみ
その中からすっくと伸びた茎がある
泥より出でて 泥に染まらず
清らかに咲き誇る白い蓮の花
論語にも、「涅すれども緇ます(でっすれども くろまず)」とある。真に硬いものは、磨いても薄くならない。真に白いものは涅(くろつち)にまみれても黒く染まらない。
目線を下げるな 孤高であれ
真に硬いものは磨くほどにさらに硬い
目線を下げるな 蓮の花のように
真に白いものは泥を経てもやはり白い
きれいごとだけでは生きられない。染まるしかないほど辛い環境もあろう。「汚れちまった悲しみ」に沈むこともあろう。
でも、心のどこかには美しさや強さは残っている。仏教では、すべての生きとしいけるものは「仏性」を持っていると言う。それをいつも胸に生きていこうと思っている。
歌詞全文
美しいものを探していきたい
僕の心もきれいに染まるように
美しい生き方を探していきたい
あんなふうに生きようと思えるから
【1番】
一面に広がる どす黒いぬかるみ
その中からすっくと伸びた茎がある
泥より出でて 泥に染まらず
清らかに咲き誇る白い蓮の花
仕組まれた悪が世界を覆う
疲れた心は毒を欲しがる
自らの脳にふるいをかければ
すベてが黒ずんで見える
だけど、心ある人は確かにいる
美しいものを探していきたい
景色はこの心を映し出すから
美しい言葉を使っていきたい
言葉はこの心を映し出すから
【2番】
一面に広がる どす黒いぬかるみ
地の下に一本につながる茎がある
散らばった花 それが連なって
清らかな調和が 広がればいい
今だけ 金だけ 自分だけのため
この国を切り売りしている人がいる
何世代も先の 子孫のために
この国を守ろうと戦う人もいる
世界は狂気に満ちている
でも、人間も捨てたもんじゃない
美しいものを探していきたい
僕の心もきれいに染まるように
美しい生き方を磨いていきたい
僕の周りもきれいに染まるように
【ラップ】
時は乱世、まさにこの娑婆世界は末期
はびこる悪鬼 覆う邪気 身も心も麻痺
泥にじわり交わり だがしかし確かに
ある善意や美や愛 仏の子の証
汚れちまった悲しみ 自覚してる我が罪
だけど親の愛は重い 先人の想いは厚い
人のさがはしょせん悪 そう言うのはたやすい
が、それらを思うとき 諦めるのは早すぎ
三日月 あかつき 蓮の花はいまだ咲かずに
待つ やがて当たる日 ふと 変わる風向き
日々 起こるざわつき 日本の 明日は危うい
美しさを取り戻せば きっと明るい
目線を下げるな 孤高であれ
真に硬いものは磨くほどにさらに硬い
目線を下げるな 蓮の花のように
真に白いものは泥を経てもやはり白い