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「なりきりチャットに人生を捧げていた大人の思い出話」を書くにあたって考えていたこと
「なりきりチャットに人生を捧げていた大人の思い出話」の補足などを書いてゆきたいと思います。
最後まで読んでいただいた方はありがとうございます。読んでない方は、気が向いたら暇つぶしにでも読んでいただければ嬉しいです。
1990年代から終わり頃から2000年代初頭にかけて、「なりきりチャット」、「PBC」、「PBW」と呼ばれるコンテンツを主に取り扱ったウェブサイトの爆発的なブームがあったんじゃないかと思います。
ありとあらゆるジャンル、世界観設定のサイトがあり、サポートサイトも充実していて「2ちゃんねる」(現5ちゃんねる)のような匿名で書き込める掲示板も存在していました。
当時、インターネットに夢中になっている友達は沢山いましたが、自分のように「なりきりチャット」にガチハマりしている人は周りにおらず、また、あまり理解される趣味とは思えなかったので、リアルの友達にこのことを話したことはありませんでした。
15年くらい経ったある日、オンラインゲーム上での、BLなりきりで悩んでいるという相談を知り合いから受けて、似たような事例として初めてこの時の話をしたのですが、こういう世界が以前からあったことに驚いていたので、いつか読み物としてまとめられたらなと思い書き始めました。
しかしいざ机に向かってみると、どこまで書いたらいいのかで真剣に悩みました。
何度も筆を置いたのですが最後まで書き切るきっかけになった本が2冊あります。
「ボクと壊された初恋 ゲームに、女子に、チャットに夢中だったあの頃」 虹走
主人公である「ボクくん」が信頼していた人に家庭を壊され、すがるような気持ちでガラケーを使い、ネット上の顔の見えない人と交流するというエッセイマンガです。
90年代のインターネットはとにかく情報量が少なく、交流している相手の正体の見えなさが良くもあり、悪くもあり、そのドキドキや高揚感が恋愛感情に変化することは少なくなかったんじゃないかと思います。
なりきりチャットも、いわゆるそのような「仮面舞踏会」的な緊張感があったので当時の空気と共に「ボクくん」との共感部分は多かったです。
とにかく時代の空気感と、登場人物たちの感情表現が素晴らしい。
なりきりチャットに限らず、インターネット黎明期にチャットや掲示板での交流にはまっていた人は刺さるものがあるんじゃないでしょうか。
「VRおじさんの初恋」 暴力とも子
単行本化おめでとうございます、とても嬉しいです!
VRCでこのような文化があることを知ったのは、ツイッターでフォロワーさんが「ご報告」というツイートをしていたのが目に止まったことがきっかけでした。
初めはリアルの結婚の報告かと思ったのですが、よく読んでみるとVRCで出会った相手と「パートナー関係」になるとのことで、これは普通の「結婚」とはちょっと違うぞ!?
と、思い自分なりに色々と調べました。
VRC界隈には「パートナー関係」という文化があること。
パートナー成立の報告を「お砂糖報告」、パートナー解消の報告を「お塩報告」ということ………
様々な知識が何の違和感もなくスッと入ってきました。
これが未来の在り方か………と打ち震えたものです。
厳密に言えばVRCのパートナー関係は、なりきりチャットでの関係とは全く違うものだとは思いますが、アバターを通して、リアルの性別を気にすることはなく恋愛ができる文化はここまで進化したのかと感動しました。
前置きが長くなってしまったのですが、「何のこっちゃ」と思われる方は是非この「VRおじさんの初恋」を読まれると良いでしょう。
読み終わった後には何かが残るはずです。
他にも「なりきりチャットに人生を捧げていた大人の思い出話」を書くにあたって、後押しになった出来事は沢山あるのですが、こちらの2冊に感動した影響が大きいと思います。
最後に
一口に「なりきりチャット」と言っても様々なプラットフォームや、広がり方があると思います。
そんな中で、過去にあったひとつの時代の流れを伝えることができていたら嬉しく思います。