見出し画像

【小説】無限ループの脅威/第1章: 終わらない一日

あらすじ

ある日、平凡な高校生の夏目遼(なつめ りょう)は、自分が同じ一日を繰り返していることに気づく。最初はただの夢かと思っていたが、何度も繰り返すうちに、このループから抜け出せないことに絶望する。唯一の救いは、クラスメイトの篠崎未来(しのざき みらい)も同じ状況に陥っていることを知ったことだった。二人は協力してループの原因を探り、元の世界に戻る方法を見つけようとする。冒険の果てに待ち受ける真実とは——。


第1章: 終わらない一日

遼は、目覚まし時計の鳴る音で目を覚ました。いつものようにベッドから起き上がり、制服に着替える。部屋の窓から差し込む朝の光は、どこか幻想的に見えた。しかし、この日の朝がいつもと違うことに遼はすぐに気づいた。

「また同じ夢か……」

遼はため息をつきながら、階段を降りてリビングに向かう。母親が用意した朝食を口にしながら、昨日とまったく同じ光景が繰り返されていることに気づく。家を出て、学校に向かう道すがら、遼はすでに見覚えのある景色を目にし、同じ出来事が次々と起こることに不安を覚えた。

「これは一体どういうことなんだ?」

学校に到着すると、友人たちが遼に声をかけてきたが、彼らの言動もまた昨日と全く同じだった。教室に入ると、隣の席に座る篠崎未来が、昨日と同じタイミングで遼に話しかけてきた。

「遼君、なんだか元気ないね。何かあったの?」

未来の言葉に、遼は一瞬戸惑ったが、すぐに昨日と同じ質問であることに気づいた。まさかと思いつつも、遼は未来に尋ねた。

「未来、君も何かおかしいって感じてる?」

未来は驚いた顔をして遼を見つめた。

「ええ、実は私も同じ一日を繰り返している気がして……」

二人は放課後、学校の図書室で落ち合い、詳しく話をすることにした。図書室の片隅で、遼と未来は互いの体験を共有し、この奇妙な現象が自分たち二人だけに起こっていることを確認した。

「私たちは一体どうすればいいんだろう?」

未来が不安そうに呟くと、遼は考え込んだ。

「何か原因があるはずだ。それを探し出して、元の世界に戻る方法を見つけなきゃならない」

二人は手分けして調査を始めることにした。学校の図書館やインターネットで無限ループに関する情報を集め、何か手がかりを探した。


図書室の薄暗い隅で、遼は古い書物をめくりながら、ふと気になる一文を見つけた。

「未来、こっちを見てくれ。この本に書かれていることが何か手がかりになるかもしれない」

未来が近づき、遼が指し示したページを覗き込んだ。そこには、ある古代の儀式に関する記述があった。儀式は時間を操作し、特定の条件下で時間をループさせるというものだった。

「この儀式が関係しているとすれば……」

遼の言葉に未来はうなずいた。

「私たちがこの儀式の影響を受けている可能性があるわね。でも、どうやって解決すればいいの?」

二人はさらなる情報を求めて、古代の儀式に関する詳細を調べることにした。そして、ついに元の世界に戻るための鍵となる儀式の手順を見つける。

「これだ、未来。この手順に従えば、ループから抜け出せるかもしれない」

遼と未来は、儀式を行うための準備を始めた。必要な道具を揃え、指定された場所に向かう。だが、その道中で二人を待ち受ける困難や、予期せぬ出来事が彼らを待っていた。


第1章はここで終わりです。続きの第2章と第3章では、二人が儀式の準備を進める中で直面する試練や、最終的に無限ループの真実にたどり着くまでの物語が描かれます。

よろしければサポートお願いします! いただいたサポートはクリエイターとしての活動費に使わせていただきます!