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パライソはどこか?ネタバレ有1部感想

パライソはどこか?ネタバレ有1部の感想です。

※2021年3月に観劇した時の感想です。

はじめに

自分の感情が揺さぶられた所をおさらいしていこうと思います。

レポートというわけではないので、

自分が書きたい所だけ書いていきます。

冷静に書ける気がしないけど。


長くなりすぎてしまったので,

1部の内容のみ記載します。

※注意

・パライソ、葵咲、つはもの、阿津賀志のネタバレを含みます

・ストーリー上、仕方がないのですが、残酷な描写があります

・圧倒的に語彙力が足りません

・合言葉は「観た人には分かる!」でお願いします

・個人の感想です 

(全文の後ろに”個人の感想です”をつけたいくらい

なんの根拠もない個人の感想を述べています)

ざっくりあらすじ

出陣先は天草。

ところが、天草四郎はあっさり殺されてしまう。

そこで、鶴丸の提案により、日向、浦島、鶴丸が天草四郎に成り代わり、

歴史上通り島原の乱を起こす事に……。

ざっくりするとこんな感じです。ざっくりしすぎか(笑)

書いている人

オタク歴15,16年くらい。ここ5年のメインジャンルは刀剣乱舞。

ベースは夢でありながら、腐もいける。まぁ、なんでも美味しい人です。

初日組ではありませんが、もうすぐ5周年審神者です。

刀ミュ、刀ステ、花丸、活劇、映画全てを観ています。

※刀ミュ・刀ステは現地で観劇の他、ライヴュ、配信などを含む

もともと若手俳優さん推しでしたが、

刀ミュ、刀ステから2.5にドボンしました。

俳優さん名は出さすキャラ名のみでいきます。

信仰のためならば

信仰のためならば、人も殺めてしまうのか。


一言で感想を言うなら、その事が心にずっしりと残った作品でした。

皆が皆そういうわけではありませんし、

これはミュージカル。そうフィクション。

だとしても、これまでの歴史で当たり前に起きてきた事、

そして、今も世界のどこかで起きている事だと思います。

私自身は自覚している信仰がないのでかなり衝撃的でした。

そういう意味で刀ミュ史上、もっとも衝撃作なのではないでしょうか。

まずは冒頭 兄弟の風船遊びと老人のぽつりぽつりとした語り(歌?)

パライソ~インフェルノ~からの殺戮

これ、断トツで印象に残りました。


何言っているか全然分かんない(笑)

「観た人には分かる!」

農民達が祈りを捧げているのかと思いきや

農民達に赤い布がかけられて、

腕を伸ばし、必死にもがいている。

「インフェルノ(地獄)~」という言葉も聞こえてくる。

多分、これは元和の大殉教の火刑だなと思って観ていました。


そうしているうちに1人の農民が武士を殺してしまう。

皆狂ったように「パライソ」と叫びながら

その首をかかげる。

年貢などで苦しめられていたとは言え、信仰のためならば

人を殺める事もできてしまうことがはっきりと目に見えた瞬間でした。


老人だと思っていたのが実は

山田右衛門作でキャンバスになぐり書きして

できてのがこの絵。

それを高く掲げて


「25年ののち  ~」で

天草四郎の登場です。

冒頭以外にも信仰のために人が人を殺めるシーンがありました。

・日向正宗、豊前江、山田右衛門作の3人のシーン

 山田右衛門作が豊前江の持ってきた豊臣の旗印を持って天草四郎の仲間を増やそうとする

 一部の農民は旗をみて「秀吉の孫」だと信じるが一部は信じない。

 ふいにぶつかったことから喧嘩が始まり、ついには殺し合いに…。

・寺社が燃えるシーン など。


いや~今作はヘビーですよ。

時間遡行軍がほとんど出てこず、

人と人が殺し合うなんて。

誰が想像したでしょうか。

刀ミュはいつだって想像を超えてくる。

鶴丸は悪役になりきれたか?

いや、なりきれない。


冒頭で天草四郎が倒れます。助けようとする山田右衛門作に対して

「それはただの物だ」と鶴丸が言い切ります。

検非違使を一手に引き受けたり、仲間思いのイメージが強かった鶴丸。

「ここまでバッサリと言い切るってなんで?訳があるの?」

「人間に対しては冷たいのか?」と疑問を持ちながら観ていました。


天草四郎が倒れた事で、3万7000人の一揆軍を集め、

歴史通り島原の乱を起こさなくてはいけなくなります。

こうして、一揆軍を集めるには、

上述の通り、人と人との殺し合いが起きる。

それに、集めた一揆軍は皆、命を奪われる。

それでも一揆は起こさないといけない。

だから、詳細な説明はせず、

ただただ、「パライソ!」と叫べばいいと。

純粋な浦島や日向、幕府側にいた松井江が辛い思いをしても

その矛先が自分に来ればいいと。

だから、鶴丸は天草四郎や山田右衛門作に

わざと冷たくしたんだと思います。

ミュ本丸の鶴丸、IQいくつ???ちょっと分けてほしい。


でも、この強がりは大倶利伽羅にはばれていて、

「憎まれ役をかってでるのか?」や

「無理はするなよ」と声をかけられています。

大倶利伽羅~!!君はこのためにここにいるんだね~!!!

本音が出せる刀がいてよかった~~!!

もし大倶利伽羅がいなくて、独りで抱え込んでしまったら

検非違使を呼んでしまうことになるのかなと思いました。

ミュにおける検非違使が来る基準が今だによく分からない…。


鶴丸は山田右衛門作に対して、

「手荒な真似をして悪かったな」と謝ります。

この牢獄でのシーンでは、話の節々から

「あいつ」だったらどうするかな…と

思いを馳せている姿が想像を掻き立てられました。

名前を出さなくてもこの存在感!!

このシーンはそれだけじゃなくて、

”一揆軍で唯一生き残るから生きて償えよ”というニュアンスを

たっぷり込めた「長生きしろよ」もだいぶ刺さります。


「確か罪人の絵を書いたんだよね?」とうっすら知っていたので

心の中で「うぁ~なんてこと言うんだ!」と思いながら観ていました。

鶴丸……貴方って何者……?


山田右衛門作 コトバンクより

『落城後は松平信綱によって江戸へ招致され,
キリシタン目明しとなり犯人刑罰の模様などを洋風画法で描写。
のち再びキリシタン信仰を教布して終身禁錮刑となったが,
晩年許されて長崎へ帰り,明暦1 (55) 年八十余歳で没したと伝えられる』

ミュの中でも松平信綱は「戦を起こしてはならん」と言っていたので

形は違えど江戸の民衆から第二の島原のような事が起きないように
民が犯罪や争いが起きないように絵を描かせていたんじゃないかなぁと想像していまいますね。それが右衛門作にとっての罪滅ぼしなのかなぁ。

最後、鶴丸が海に叫んだ言葉は本心ですよね。

「救ってやれよ!連れて行ってやれよ!パライソへ!」

人を人とも扱わない事、

悲しい役割を負っている人達への葛藤が見えました。

ああ~こういうセリフが聞けてよかった!


鶴丸国永が松平信綱に話を聞きに行くシーンでも思ったのですが、

幕府側の考え(この国の太平のために戦を終わらせる)が明らかになり、

一見悪役に見える鶴丸の考えが明らかになる事が刀ミュの好きな所です。

阿津賀志やつはものの頼朝、泰衡の葛藤とか。

どちらの悲劇だけがピックアップされるのではなく、

どちらの立場も明かした上で、

観る側にも考える余地と(いい意味で)苦悩を与える。

複雑な話でも受け止めてくれると信頼されているみたいで、

嬉しいことだなと思います。


話を戻しますが、どちらが正義どちらが悪とは言い切れない。

葵咲での明石と篭手切のシーンであった

「勝った方が正義、負けたほうが悪(中略)

そう思わないとやっていられない」を思い出しました。

今回は鶴丸は「自分も憎めるくらじゃないとやってられねぇよ」と

漏らしていましたね。そうだよねぇ。

鶴丸国永は、やはり悪役にはなりきれない。


三日月と鶴丸の役割


今の所、歴史以外の知識を持っている刀は
鶴丸くらいしか思いつきません。
きっと何か役割があると思わずにはいられません。 


ここで考えたのは、刀剣男士の記憶と知識は

どこから来るかということです。

記憶は、刀の出自、刀の逸話から来ると考えられます。

ただし、つわものの兄者のように記憶が上書きされることもあるようです。

では、知識は?

どの刀剣男士もなんとなく歴史の知識が

あるんだなということは明かされています。

知識は刀として生まれた時からスタートし、

やはりこれも自分の出自や逸話に関わる事が中心のようです。 

今回の浦島の「島原の乱を知らない」

「だってその時はまだ生まれてない」の発言から

刀として生まれた時から記憶がスタートするという事が

はっきりと分かりました。  

だからといって、刀剣男士は

生まれたあとすべての歴史を把握しているわけではないようです。

松井江のように、刀だった頃にあった人物は記憶していても、

会っていない、見ていない天草四郎の顔は分からない。

やはり見たことが記憶として残っている。

しかし、記憶と知識の例外が2振り。

三日月と鶴丸です。

三日月はつわものの描写から

何度も同じ時代に出陣し、様々なパターンの歴史を見ている。

つわものだけでも

正史 頼朝が義経を狙う 泰衡の裏切り 今剣存在ルート
A 頼朝の説得に失敗する →あやつろうとする
B 逆に説得に成功した歴史もあると考えられる
C 義経が生き残って戦乱の世 三日月が地獄と言っていた
D 義経北へ逃亡 今剣存在しない (つはもの)

など分岐点もパターンも色々ありました。

あつかし↔つはもの

みほとせ↔葵咲で比べても違いが見えてきます。

そういう意味で三日月の手札(こうなったら、は次はこう)が

多いわけです。

でも、それは審神者や他の刀剣男士にはバレてはいけない

(バレたら進めにくい)

鶴丸は「月には静かの海」があると知っている。

これは明らかに歴史以外の知識を入れているという証拠。

これには何か意味があると思うんです。

誇大妄想ですけど、

例えば、その知識は三日月を救うためなのか。

本丸や審神者を救うためなのか。

今回の「救ってやれよ、連れて行ってやれよ」のセリフから考えるに

「悲しい役割を背負う人達を救いたい」の気持ちの裏に

「三日月の事も救いたい」

そんな意味が含まれていたらいいなと思いました。

葵咲で明石が言っていた

「歴史に名を残さなかった価値のない物、

だから壊しても殺しても構わない(中略)

全てを救えないなら、誰も救えないのと同じだ」を思い出しました。

これって真理だと思うんです。

刀剣男士は歴史を守るために存在しているから

正しい歴史以外は切り捨てるしかない。

ああ……辛いなぁ……。


事実と真実

いきなり哲学的になった(笑)

鶴丸の「直接見たのかい?」がすごく刺さりました。

刺さることばっかりじゃねぇか!というツッコミは置いておいて(笑)

今回、特に浦島は観客側の立場だったと思うんです。

どうしても天草側に感情移入してしまう。

年貢の取り立てに苦しめられ、

年貢が出せないとなると箕を着せられて火をつけられる。

それに対して浦島は純粋に「ひどい話じゃないか」と。

でも、鶴丸は「直接見たのかい?」とバッサリ。

「見ていないことに感情を揺さぶられるのは

刀剣男士としては半人前」とでも言いたげな。

そこで私も我に返りました。

「あ、これは事実ではないかもしれない」と。

事実は、実際に起きたこと(客観的で誰が見ても同じこと)

真実は、本当のこと(主観が入るので、見た人によって違う)


天草四郎が死んだ事(事実)は右衛門作と刀剣男士しか知らない。

農民は天草四郎の顔を知らないから、

初めて見た人(鶴丸、浦島、日向)が天草四郎になる(真実)

というわけで、真実はいくらでも作り上げられる。

三百年でも家康の家臣の死から

刀剣男士が家臣になりかわる話でしたが、

考えてみればこれも真実を作り上げていましたね。

「直接見たのかい?」

今後の刀ミュで大事なキーワードになりそうな気がします。

リーダーの器

「あんた、すげぇよ!」


リーダーって誰のこと考えました?

そうです。豊前江です。

江の中では、松井江と桑名江推しで

そこまでリーダーに興味がなかったのですが、

パライソ観てから「リーダ~~!!」ってなったんですよ。

世界一単純な女と呼んでくれ(笑)

松井江が天草側でなく幕府側に周る意味を理解した豊前江が

鶴丸に「あんたはすげぇ!」という話をするシーン。

「リーダーの器」を感じました。

うっわあーーーー!なんか甲子園が見えました(笑)

部活とかのレギュラー争いとかさ、こういうのありません?ないか?

ずっと帰宅部だったのでこの目で見たことはないですけど(笑)


えーと、話を戻しまして。

鶴丸も豊前江もリーダー気質であるからこそ、

互いの”すごさ”を分かっているなぁと思いました。

「あんたこそが江のリーダーだ!!」って肩パンしたい(笑)

あとね、松井江に対して、「俺がそばにいてやれる」って。

はわーーーー!ちょっと!!聞きました???

リーダーが夢女量産刀って言われてるの、一瞬で理解した。


食べることは生きること

涙腺崩壊したのはラスト。

一揆軍、武士、すべての人が梅干しを分け合って食べているシーンです。

こんな歴史もあったのかな、

こんな平和な世ならよかったなと願わずにいられませんでした。

殺し合った先に行くようなパライソではなくて、

身近にパライソはあるんだなと思いました。ボロボロと涙が出ました。

葵咲で信康が言っていた「戦は食べもの奪い合い」が

ボディブローのようにじわじわ効いてきます。


というわけでタイトルの「パライソはどこか?」に対するアンサーは

「パライソはそこにある」としたいと思います。 強引!(笑)

1部印象に残った歌


・冒頭インフェルノとパライソの歌

・松井江のソロ曲 血の歌

松井江のマントに赤いライトが当たって、すっごく綺麗でした。

このためにマント着てるのかと思うほど。本当に惚れ惚れした!

歌合の時も思ったんですが、お声がめっちゃ低いですね?

地声聞いた事無いのでなんと言えないですが、

低い声なので必然的に怪しげな雰囲気が出てよかったです。

・豊前江と松井江

篭手切江、桑名江の事も歌詞に入ってて、

江の女達、生きてる?って思った(笑)

豊前江さんは声が大きい!パワーがある!

・1部梅干し作り

「うめ!」「かめ!」と楽しげでよかった!二人の組み合わせが新鮮。

・1部My name is 四郎の歌

ポップな雰囲気の歌で箸休めになりました。
みんなで連なったダンスも可愛らしくて癒やされました。


以上、パライソはどこか?ネタバレあり感想でした。

お付き合いいただき、ありがとうございました٩( 'ω' )و