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恐竜博士と肩を並べた日(広義として)の話。
投稿戦士業を営んでいるnippperにひとつ記事が掲載された。
個人の意識としてはまぁまぁの問題作で、何が問題かというと、恐竜ネタで一発投稿したいな、というのがスタートラインで、今まで曲がりなりにも存在していた何か伝えたい、という感情は三の次であった。ちなみに二はこれでティラノが少しでも売れてディプロドクスの再販に繋がってほしい、である。
何を思って投稿したか。「G.Masukawaニキの隣に文章載っけたい」という点であった。
ちょっと回想シーンに入りますね。
思えば30年近く前。ご多聞に漏れず宇宙と恐竜とロボットが大好きだった小学生の私は、週の小遣い350円では買えない本を父にねだっていた。
「週刊恐竜サウルス!」頭痛が痛いとかチゲ鍋とかチャイティーとかそういうのとおんなじ感じの強気なタイトルの、毎週500円の雑誌についてくる蓄光素材の骨格模型が私の恐竜模型の原点であった。
その後もジュラシックパークやREX恐竜物語を映画館で見たり、ゾイドのマッドサンダーでトリケラトプスのかっこよさに目覚めたりなどしつつ10年近い時を経て大きくなる私の自室の天井に、恐竜サウルスの蓄光の骨格はいつもぶら下がっていた。
そんな恐竜少年も大学生になり、東京に出て来て2002年、近くだからと、幕張の恐竜博に行ったあたりで、なんとなく恐竜から離れていったように思う。いや、別にセイスモサウルスが悪いわけでなく。
有り体に言えばブームが去っていったのでなんとなく流れで、というようなものであったかなといまになっては思う。
そんな元恐竜少年はジュラシックワールドを観る程度のなんでもないおっさんになっていたわけであるが、そんなおっさんは2022年、本屋である本に出会う。
G.Masukawa著「新・恐竜骨格図集」
いちに電流走る—-!
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「恐竜骨格図集」という本は恐竜少年時代に知っていた。グレゴリー・ポールのその本は、モノクロで描かれた恐竜の骨格がたくさん載っていたその本は、今となって思えば正確性とか個人の主張とかそういうことをさておくにしろ、数多の恐竜の骨格を目にすることのできた恐竜少年のバイブルの一つであった。
(絶版なので高い)
その本の「新」!いや、新といいつつ作者が違うわけでこれはもうやってること庵野秀明ですよ。シン・恐竜骨格図集ですよ。
なんて恐ろしいことをやる男なんだG.Masukawa。Gってついてる名前から察するに多分2メートル近い大男でドレッドヘアで得意技はパワースラムだろうな……。
そんな風に読み始めた新・恐竜骨格図集は本当に面白かった。20年近く離れていた恐竜への気持ちが蘇る素晴らしい本であった。離れていた20年の間も当然恐竜の研究は進められ、残りの距離は分からねど、恐竜の真実へと一歩ずつ進めている様を感じるようでありました。
素晴らしい男だ、G.Masukawa。いつかパワースラム決めてもらいたい。そんな風に思いながらプラモを作ったりnippperに投稿したりなどして日々を過ごしていた私に再び電流走る—-!
G.Masukawaやんけ!!!!!!
となった。
大男がnippperに寄稿しとる!!!となったし、Twitterアカウントもあるしゾイドも好きや!!!!!とわけのわからない感情になった。
僕がこの寄稿を観たときの鳴き声がこちらです。
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その後、G.MasukawaのTwitterをフォローしたりなどして、ジュラシックパワーを貯めていたところ、「古生物創作合同展示会」というものが開かれ、G.Masukawaも来るという。
なるほど、これはパワースラム決めてもらうときが来たな。そう思ったので予定を調節して15年振りくらいに高速バスの予約をして東京に飛び込むこととした。
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そうこうして古生物創作合同展示会で実際にお目にかかったG.Masukawaニキは2メートルではなかったしドレッドでもなかったしパワースラムもしてこなかったが、自分にとっては、20年ぶりに恐竜と出会わせてくれたジュラシックパークでいうところのジョン・ハモンドであり、REXでいうところの信田 仙次郎であるため、非常に気持ちの悪いテンションでお礼を伝えた。
ついでに言うと古生物創作合同展示会の会場では山本聖士先生も居られ、もうこっちとしてはホーガン対ロック様のレッスルマニアでありアイコンVSアイコンであったりしたので恐竜が好きな人は次回8/12日、ぜひ行くといいと思います。
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さて、気持ち悪くお礼を伝えて満足するかと思った私は比較的強欲なので、もう少し気持ちの悪い欲求を持った。
G.Masukawaニキと名前並べてえなと。
これは芸能人のポスターの横で自撮りをする心理に近く、同じステージに立ちたいとかそういう話では全くない。ただ写り込んでほしい、というそれだけの欲求であり、なんと恐ろしいことにnippperというプラットフォームはそれが可能であった。
ので、そのようにした。
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この上なく消費者であり一介の素人たる私が、屈指の生産者であり巨匠たるG.Masukawaニキとその中身の濃淡ははっきりとあれど並記されるということは本当に得難い経験であった。
投稿者に対して区別をしないというnippperの掲載方針を見事に私的に利用した行為である。編集部におかれましてはここでこっそり謝らせていただきたい。ごめんなさい。
同じ日に掲載してくれてありがとうございます。
事程左様に自分の欲求をみたしつつのnippper投稿戦士生活もこの7月で無事1年となりました。
その記念すべき回がぷすニキの横に載った事を1人祝って乾杯。