大乗非仏説に関して
大乗経典は釈尊の直説ではない、
とする「大乗非仏説」をどう考えるか
大乗非仏説論は、江戸時代くらいから強く主張され始め
当時、大乗仏教からなる日本仏教の根底を揺るがすものと
受け止められていたようだ
果たして大乗仏教は釈迦の直説ではないのであろうか
そして大乗仏教は、信頼できない教えなのか
私はこの問いに対する自分なりの答えを求めて
長い間文献を漁っていた
学問によってこれを論破したいと思った
有名な仏教学者さんに対して、馬鹿なフリをして
大乗非仏説をどう思いますか
という今思えば失礼な質問をしたりもしていた
しかし、仏教学者からは
あまり腑に落ちる答えが得られなかった
そのようなことがあり私はあることに気づく
宗教というものは
実践を通して、主体的に気づいていかないと
こういった類の問いに対する答えにはたどり着けない
宗教はどこまでいっても主体的なものであるように思う
教えを信じ、実践を行うことこそが重要なのではないか
また、実際に大乗の実践をして救われている人がいる事実に触れることで
大乗仏教の素晴らしさに気づいて行くべきではないか
私には、大乗非仏説かどうかは、やはり分からない
釈尊が説いたかもしれないし、説いていないかもしれない
本心を言うと、おそらく直説ではないと思っている
しかし、大乗仏教は素晴らしいものである
それは、大乗仏教により救われて来た人々や、
大乗から出てきた仏教者や妙好人などの篤信者など
高い宗教的境地に到達した人がいる事実こそが
大乗仏教の素晴らしさ、有り難さを証明している
大乗経典がたとえ釈尊の直説でなくても
私にとって大乗仏教は、信頼に値する