映画のタイトルの、翻訳番付のようなもの
素敵なキャッチコピーや邦題を見ると、何とも言えず感動する。
ということで、私が好きな原題、邦題一覧を書いてみたいと思います。
まずは原題と邦題から。
ANY DAY NOW→『チョコレートドーナツ』
このAny day nowのニュアンスを訳すのは難しい。チョコレートドーナツという、映画で印象的に出てくるもので、覚えやすいタイトルに置き換えたのは英断だと思う。
BREATHLESS→『勝手にしやがれ』
À bout de souffleというフランス語が原題だけど、息が切れた、というような意味らしい。
どちらにしても、原題も邦題もかっこよくない?っていう。
Melody→『小さな恋のメロディ』
ビージーズの優しい旋律が流れるこの映画。
メロディはヒロインの名前であり、曲名にも出てくる。
そこに、音楽のメロディという意味もあわせて、この邦題にすることで、幼い2人の恋物語というのが分かる。素敵。
卒業 The Graduate
Graduationではなく、The Graduateということで、卒業というよりも、卒業生=主人公のことだと思うのだけれど、これを卒業ということが、この映画のシーンを印象的にしている気がする。
The Danish Girl→ 『リリーのすべて』
これも主人公リリーのことかな?それともパートナーの女性?主人公はもちろん、パートナーの演技が印象的だった映画。
邦題の語感がいいかな、と思う。
[副題がいい感じのもの]
副題は、映画の印象をダサくしてしまうこともあるけれど、原題が一語であることも多いので(アナ雪の原題=FROZEN、とか)、日本語の副題をつけると、映画がどんな話なのか、イメージがつきやすくなる。
この副題はいいんじゃないかな、と思うもの。
CODA→『コーダ あいのうた』
去年観た映画でNo.1に好きだった映画。
コーダ(CODA)は、Children Of Deaf Adults(ろう者の子供たち)の略だそう。
the Help→『ヘルプ 心がつなぐストーリー』
「ヘルプ」は白人家庭に仕えていた、黒人メイドたちのこと。
Sing Street→『シング・ストリート 未来へのうた』
これは副題が好き。なくても良いけど、大好きなラストシーンが強調されている気がする。
[個人的に残念なもの]
Nanny's Diary→『私がクマにキレた理由』
この映画、私は結構好きなのだけれど、タイトルで損している気が、、、
主人公がクマにキレるのは事実で、どうしてそうなったのか語られるんだけど、タイトルだけ聞くと、ホラーなのかサスペンスなのか、ヒューマンドラマなのかも分からないし、なぜか分からないけれど「私」がクマにキレるんだな、と変なネタバレ感で観る気が失せてしまうような、、、
もう少しストーリーのイメージがつくようなタイトルでも良いのでは、と思う。
主人公がキレた「クマ」は実はぬいぐるみで、この映画の原題はNanny's Diary。お金持ちの家でナニー(アメリカにいる、子供の面倒を見る乳母さん的存在の人)をする主人公がわがまま息子やハイソな暮らしに翻弄されながら、仕事をしていく話。
直訳するか、意訳も交えるか、直訳するにしてもどの言葉を選ぶか。そのままカタカナにするという潔さもたまには必要だから、翻訳って面白い。
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