階層社会を感じた大学の入学式とうちの母
大学の入学式で、親御さんたちの身なりに驚いたことをよく覚えている。身なりと言っても、高級そうなネックレスをしているとか、照りに照りまくってる高そうな靴を履いているとかではない。(そうだったかもしれないけど、式に出る身で忙しく、そこまでは見ていない)
なんというか、堂々としていて、立派な人が多かった。猫背でも、田舎臭くも無く、それなりに重ねてきた年齢に合ったメイク。この子供を私は育てました、という自我が垣間見えるたたずまい。
高校では保護者会なんてほぼなかったし、入学式もあったけど特に目立っている人もいない、可もなく不可もなく皆同じような田舎の親たち(にしてはまあまあ教育には関心がありそうな)、という雰囲気だったと思う。
中学は押しも押されもせぬヤンキー学校で、生徒の不祥事で緊急保護者会が開かれた時でさえ、親の10分の1も来ていない、というありさま。
この現象は井の中の蛙大海を知らず、なのか世界間格差なのか。
まあ、これはうちの母にとっても印象的な出来事だったらしい。
私が小さいころはそれなりの都会ママだったろうに。しっかり田舎の優しいお母さんになっちゃって、なんとか大学に入学してくれた、嬉しい。みたいな。親子写真も撮らないし。
「帰国子女との闘いだよ。」と高校の副担任の先生にビビらされただけあって、英語が得意な人が集まる大学に、母のような英語の「え」の字も(ここは「A」の字っていうべきか?)知らない親はいなさそう。
愚痴ではなく、なんというか、渡辺直美さんやkemio並みに二つの国を行き来する気分だった。
母「入学式で隣になった人の息子さんは、政治経済が好きなんだって。社会とか。」
私「へーえ。政治経済が好きなんて変わってる、というかすごいね」
母「お父さんとかと話すんじゃない。」
私「うちじゃありえないね」
私「経済って英語でなんて言うか知ってる?」
母「...ケミストリー?あ、それは化学か」
(カタカナがめっぽう苦手な母から、ケミストリーという言葉が出てきたこと自体かなり奇跡的である)
私「うん」
母「....................」
私「エコノミーっていうの。経済学だとeconomics。アベノミクスっていってたじゃん。」
母「ああ、んじゃエコも?」
私「それはecology」
ケミストリーとボケて、エコノミーを教え、エコで落とす。
最近母のボケがうまくなっている(本人はもちろんボケているつもりもない)。そして、なぜか磨きがかかり始めている。
というか、天然ボケに年齢のボケがのしかかってきているようにも思える。
まあ、うちはこんな具合でやっている。