デリカシー求む、な話

デリカシーってどこかに売ってない？
送りつけたい人が何人もいる。

昨日、上司Ａがなにやら電話をしていた。

その上司Ａは、普段違う階にいて、顔見知りですらないのだが、なぜ我が物顔で私達の班の空いている机に座り、携帯電話を片手に持っていた。

そのうち、隣の部屋に向かった。
隣の部屋は、私の上司Ｂがいる場所である。

すると、とぎれとぎれにこんな言葉が飛び込んできた。上司Ａの声で。
研修、パクチーくんの名前、シナモンちゃんの名前、試験とかあって大変だと思うけど〜うんぬん。

つまり、他県で長期研修中の私の同期2人に、激励の電話を送っていたわけである。

ねえ、それどうしてもそこでしなきゃない電話？
その声のボリュームで？

隣りにある上司の部屋は、壁で仕切られているものの、扉の部分がくり抜かれたような形の壁なので、密室ではなく声が漏れ聞こえる。

そのくらい想定できるだろう。

そして、上司Ｂは、私がその二人のせいで適応障害になり、10ヶ月も仕事を休んだこと、同期だった二人とは一年遅れになったことを知っている。

上司Ａだって、概要は聞いているはずなのである。

私が隣の部屋にいたのも二人とも見ている。

ねえ、デリカシーって知らない？

あんたらそういうのが大事な仕事をしてるよね？

バカなの？アホなの？頭がおかしいの？

私は、二人よりも成績が本当に優秀だった。そう去年の上司からも聞いている。
二人はテストで、私よりも三段階も四段階も悪い成績を取っている。そして追試的なものに呼び出されている。

なのに、私は一年遅れている。独り立ちできるのも一年遅れだし、給料が上がるのも一年遅れだ。

私は、しょうがないから今研修にも復帰できず、事務仕事をしている。本来メインではない仕事である。

それでも毎日真摯に働いているつもりである。

私はそのうち、上司Ａの部署に行く。直接つくのはまた違う、上司Ａの元で働く主任だが。

でも、こんなデリカシーの持ち主のもとに行くのは、不安しかない。

私の仕事は上司のためではなく、職場に来る困っている人のための仕事である。主に子どもの。

私はそのために働きたいのだ。だから、こんな些末なデリカシー問題にかかずりまわっていたくはない。

でも、ちょっと考えれば分かることではないか。

そういうことに、いちいち声をあげなければいけないのは疲れる。

今日上司Ｂに、ああいうことはやめてくれと言ったら、「気になっちゃった？」と言われた。

気にならないとでも思った？という感じである。

彼らの名前が聞こえただけで、私の記憶の紐が引かれてしまうのだ。

出来事自体は小さくても、それでどんどん蟻地獄のようにうつ的な思考にはまっていってしまう。

こちとら、帰宅して大泣きするわ、夕飯の味は感じないわ、眠れないわ。

お前の行動で人の人生変えてんだぞ。

こんな人たちにつける薬がほしい。

やっぱり意地張ってないで仕事をやめるべきだろうか。
でもそれは、相手の思惑にはまっているようで嫌だと思う、意固地な私である。