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イイダ・エジタンドは昔のイイダ?【スプラトゥーン3/考察】

はじめに

『スプラトゥーン3』追加コンテンツ、『サイド・オーダ』ーの最初の塔で対峙するボス、「イイダ・エジタンド」。今回はこのボスに関する考察を紹介します。
(『サイド・オーダー』のネタバレを含みます)


イイダの過去

まずはイイダの経歴をざっくりおさらい。イイダは元々タコの軍隊、「オクタリアン」のタコゾネス部隊に所属していました。ヒーローモードで戦うタコ軍団ですね。

当時のイイダの資料

その頃からずば抜けて優秀で、まさに模範生でした。しかしある日突然部隊から脱走。地上の世界で途方に暮れていたイイダはヒメにスカウトされ、テンタクルズを結成します。

月日が流れ、謎の組織「ネル社」の実験の被験者を助ける為に、仮装空間「ネリバース」を立ち上げるのですが、「今を受け入れ、変化を望まない世界」を望む存在、オーダによって支配されてしまい、秩序の使い イイダ・エジタンドとして8号(プレイヤー)に立ちはだかりました。

考察

さて、そのイイダ・エジタンドとの戦闘で流れる曲「Monologue」。ボスbgmでありながらイイダ自身が作曲した曲でもありますが、この曲の後半にはヒーローモードのステージをクリアした時などに流れる「でん♪でん♪でででん♪」といった感じのフレーズが聞こえるます(下動画の1:57辺り)。このメロディにはとある意味があり、それを踏まえるとある不可解な点が生じます。次からはそれについて詳しく紹介します。

「タコ」のメロディ

さて、そのヒーローモードのクリアメロディですが、「Monologue」以外のイイダの曲にもそれが聞こえるものがあり、それがイイダがタコ世界から抜け出したばかりの頃に作曲した「フルスロットル・テンタクル」のデモ版です。この曲に関する公式インタビューで、そのメロディについて言及されています。

下動画が「フルスロットル・テンタクル」のデモ版
曲の最後に例のメロディが流れる

インタビューによると、あのフレーズはタコのテーマメロディであり、デモを作曲した頃のイイダはまだタコゾネスとして軍役していた頃の名残があったため、曲にそのメロディが入ってしまったようです。
ただ、これ以外のイイダが作曲した曲ではそのフレーズは聞こえず、サイドオーダーの頃にはもう名残も無いように思えます。
それなのに「Monologue」にタコメロディが入っているのは違和感がありますよね。

その理由には、タコゾネス時代のイイダの心境が関係していると考えます。
『サイド・オーダー』のラスボス、オーダ戦の前にイイダはオーダに対してこのようなセリフを発しています。

たしかに混沌とした世界は すごく不安定で、明日がこわくなったり 少しつかれちゃったりもします
ずっと今のままでいたいと願ったこともありました....
だけど!いろんな色が混ざり合った先にはステキな景色が待ってるかもしれない...
ワタシはそれを、センパイやハチさんやミズタたちみんなと見てみたいんです!!

このセリフからイイダはオーダのように「今のまま」を望んでいた頃が過去にあったことが分かります。
その頃とはまさに、周りの期待に応えるように模範生であり続けていたイイダのタコゾネス時代の事でしょう。
つまり、オーダの「今のまま」を望む思想で支配された事で、同様の考えを持っていたタコゾネス時代のイイダの記憶が掘り起こされた結果、タコのテーマメロディが曲に出てしまったのではないでしょうか?

外見の関連性

イイダ・エジタンドとタコゾネス時代のイイダとの関連性は外見からも見られます。
まずはイイダ・エジタンドの付けているサングラス、これはタコゾネスが付けているものと似ているように見えます。

イイダ・エジタンド
スプラ2の(デラ)タコゾネス

そしてスプラ3の公式資料集『バンカラウォーカー』に掲載されているイイダ・エジタンドの初期案だと思われるイラストでは、タコゾネスの上位種、「デラタコゾネス」(上画像)の頭に付いているワカメのような緑色のヒラヒラが付いているのが確認できます(著作権の都合上画像は無いです)。過去の情報からイイダはデラタコゾネスだった事が分かっているので、やはり初期アイディアの頃からも関連性を持たせていた事が伺えますね。

「エジタンド」

サイドオーダーの敵キャラクターにはそのキャラに関係する音楽用語が名前に付いており、イイダ・エジタンドも例外では無く、「エジタンド」は音楽用語で「esitando」。「ためらって、ひかえめに」という意味です。この「ためらって」もタコゾネス時代のイイダが関連していると思われます。

バンカラウォーカーの後半にタコゾネス時代のイイダとミズタを描いた短編小説が掲載されています。この小説で、イイダは昇格が決定するもそれによって本当にしたい事である音楽ができなくなってしまい、このまま昇進を続ける事に対する葛藤が描写されています。これこそが「エジタンド」、ためらいが示すものではないでしょうか。

おわりに

イイダ・エジタンドとタコゾネス時代のイイダには様々な共通点があり、それはオーダーの思想と当時のイイダの思想に共通する点があるからではないかという考察でした。気が向いたらオーダの考察などもしようかなぁと思っています。感想お待ちしています。見ていただきありがとうございました!

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