「グランドシオカラウルトラミックスモダン」には次回作の伏線が?【スプラトゥーン3/考察】
導入
はじめに
2024年9月13日から16日にかけて行われたスプラトゥーン史上最大のフェス、『グランドフェスティバル』。テーマは「大切なのは? 過去 vs 現在 vs 未来」で、各陣営にはこれまでのシリーズのアイドルがサポーターとして参加しました。
今回は、このフェスの最終日の対戦で聞くことができた曲、「グランドシオカラウルトラミックスモダン」に関する考察を紹介します。
(注:一部ストーリーモードのネタバレを含みます)
この記事は #SplatoonAdventCalendar2024 の企画に参加させていただいています
曲の概要
聴いたことが無い方は、まず下動画で聴いてみてください。
(動画はこのnoteの筆者が投稿したものではありません)
この曲は「シオカラーズ」「テンタクルズ」「すりみ連合」の7人からなるアイドルグループ「ヌラネバセブン」のセカンドシングルで、これまでのアイドルの曲のメドレーになっているのが特徴です。
また、最後の一分で流れるパートは各アイドルごとに用意されており、トリカラバトルで残り一分になった時点で2個目のスーパーシグナルを獲得したチームがいる場合、その陣営のサポーターがそのパートを歌う仕様になっています。(動画ではその各パートが順番に繋げられています)
メドレーのはずが…
上記の通りこの曲の大部分はメドレーで構成されていますが、唯一オリジナルのメロディの部分が存在します。
それが残り一分の、未来派、すりみ連合のパート(以下、「すりみパート」)です。
もう少し細かくすりみパートを分析してみます。
まず前半はすりみ連合による応援歌のような曲調になっており、そして中盤のサビでは、これまでとは一転してメロディアスな旋律が現れます。このメロディはこれまでの「すりみ連合」の曲や他のグループの曲には無い、完全にオリジナルのものです(筆者調べ)。他の部分は全て既出のメロディであるのに、すりみパートだけ新しいメロディが使われているのは、少し違和感を覚えます。
考察
結論から言うと、このオリジナルのメロディは次回作の追加コンテンツの最終局面で流れる曲のメロディだと考察します。次からはその根拠について説明していきます。
「未来」のメロディ?
まず、すりみパートが次回作の曲のメロディである根拠を解説するにあたって、「グランドシオカラウルトラミックスモダン」の他陣営の場合のラスト一分のメロディに注目してみます。
シオカラーズがサポーターを務めた過去陣営では、初代『スプラトゥーン』(以下、『1』)のフェス期間に広場で流れた曲、「ハイカラシンカ」のアレンジが使用されています。
そして、テンタクルズがサポーターを務めた現在陣営は、『スプラトゥーン3』(以下、『3』)の追加コンテンツ、『サイド・オーダー』の最終戦で流れる「オンリー・オブリガート 〜 フルスロットル・テンタクル(Last Order)」のアレンジが流れます。(聞こえにくいですが、最初の動画の4分5秒あたりでオンリー・オブ・リガードのメロディが確認できます)
ここで注目したいのが、それぞれの曲が配信されたタイトルです。
過去陣営の「ハイカラシンカ」は『1』、すなわち過去のタイトル。
現在陣営の「オンリー・オブ・リガード〜(以下略)」は『3』、すなわち現在のタイトルです。
このことから、ラスト一分のメロディはそれぞれの陣営のお題の時間に対応したタイトルの曲のアレンジだと推測する事ができます。
そのような法則があると仮定すると、未来陣営は未来のタイトルの曲、すなわち次回作の曲を先取ったアレンジだと考察でき、聴いたことの無いメロディであることの辻褄が合います。
「未来」の追加コンテンツ
次に、次回作のストーリーモードがどのような内容になるのかを考察するため、過去作のラストフェス(復刻フェスなどを含めると最終ではありませんが)がその次回作に与えた影響についておさらいします。
(ここからは「スプラトゥーンシリーズの次回作」の呼称として、『スプラ4』『4』と呼ばせていただきます)
『1』のラストフェス「シオカラーズ国民投票! アオリ vs ホタル」では「ホタル」が勝利し、「アオリ」が敗北しました。結果、次回作の『2』では洗脳されたアオリがヒーローモードの最終ステージで敵として立ちはだかりました。
そして、『2』で行われたファイナルフェス「どっちの世界を望む? 混沌 vs 秩序」では「混沌」が勝利し、「秩序」が敗北しましたが、それにより『3』ではホームタウンが混沌の街「バンカラ街」になり、追加コンテンツは秩序がテーマの『サイド・オーダー』になりました。
このように、スプラシリーズのラストフェスは次回作に大きな影響をもたらし、特に敗北した陣営のお題の内容をストーリーモードで描写する風潮があります。
このことから、『3』のラストフェス「グランドフェスティバル」で敗北してしまった「現在」または「過去」が『4』のストーリーモードのテーマになる可能性は高いでしょう。
また、そのテーマの陣営のサポーターがストーリーに関係する可能性が高い事から、まだ比較的出番が少なく、掘り下げの余地のある「すりみ連合」がサポーターの「未来」は、高い確率でストーリーモードのテーマになると考えられます。
そして、現状ストーリーモードには、ゲーム本体に付属しているヒーローモードと、有料追加コンテンツの2種類がありますが、ヒーローモードは、その名の通りプレイヤーが「New!カラストンビ隊」に所属し世界を救うという構成が定番化してきており、これからもシオカラーズやアタリメなどのキャラが中心に関わると思われます。よって世界観を大きく変えにくい事や、すりみ連合にフォーカスしづらい事から、「未来」テーマのストーリーモードには不向きでしょう。
対して追加コンテンツは、8号(プレイヤー)とテンタクルズが関わる内容である事はこれまで共通でしたが、世界観やゲームシステムは作品にによってまちまちであり、今後様々なスタイルが取られていくと思われます。
よって「未来」がテーマのストーリーモードも、「秩序」がテーマの『サイド・オーダー』と同じように、追加コンテンツとして実装されると考えます。
次回作のラスボス曲はもう公開されてる?
次に、その「未来」がテーマの追加コンテンツのラスボス戦の曲について考察するため、今度はこれまでのストーリーモードのラスボス戦で流れる曲に注目します。
『2』のヒーローモードの最終ステージは、具体的な展開は省略しますが「トキメキ☆ボムラッシュ」「ボムラッシュの夜」「濃厚シオカラ節」といった順番の曲構成になっており、『1』の「トキメキ☆ボムラッシュ」「スミソアエの夜」「シオカラ節」のアレンジになっています。
また、追加コンテンツ、『オクト・エキスパンション』の最終決戦で流れた曲、「フライ・オクト・フライ〜フルスロットル・テンタクル(Octo)」は、『オクト』でステージをクリアした時のメロディやフェスバトルで流れる「フルスロットル・テンタクル」のアレンジが用いられました。
(下動画は順番に、「フライ・オクト・フライ〜フルスロットル・テンタクル(Octo)」,『オクト』のステージクリアメロディ)
次に『3』ですが、ヒーローモードのラスボス、クマサンとの戦いで流れる曲は「クマサンからのおねがい」と「シオカラ節Three Mix」です。この曲は、『2』に登場した「カガヤクンデス・マーチ」や「シオカラ節」のアレンジです。
そして前に触れた『サイド・オーダー』の最終決戦で流れる『オンリー・オブ・リガード〜フルスロットル・テンタクル(Last Order)』は『オクト』と同様に、『サイド・オーダー』でのステージクリアメロディや「フルスロットル・テンタクル」のアレンジが使われています。
そして実は、この曲のメロディは『サイド・オーダー』が配信される約半年前の2023年9月14日の【Nintendo Direct】で公開された映像の最後に既に流れていました。(下動画の1分37秒辺りで聴くことができます)
つまり、『サイド・オーダー』の最終決戦で使われるメロディは、実はかなり前から伏線として隠されていたということです。
このようにストーリーモードの最終局面で流れる曲は、『1』のヒーローモードを除き、全て事前にどこかで聴いたメロディが用いられており、それはストーリーモード内であったり、前作の曲であったりしました。特に『サイド・オーダー』では多くの人が気づかないような映像の中にも伏線として隠されており、マニア向けの仕掛けが用意されていた事が分かります。
このことから「未来」がテーマの追加コンテンツの最終ステージで流れるであろう「すりみ連合」の曲も『3』で既にメロディが公開されている可能性は高く、また、『サイド・オーダー』のように、それがかなり気づきにくい箇所に伏線として隠されている可能性も十分あるでしょう。
ここで、情報を整理すると、以下二つの考察があります。
「グランドウルトラシオカラミックスモダン」の未来陣営、すりみ連合パートのオリジナルメロディが次回作、『スプラ4』の曲に繋がるものであるという考察
『スプラ4』で実装される追加コンテンツが、「未来」がテーマのすりみ連合にフォーカスされた内容であり、その最終盤に流れるすりみ連合の曲のメロディが『3』に隠されているという考察、
二つの考察に登場するメロディが同一のものと考えれば全てが矛盾無く繋がり、辻褄が合います。
これが、「グランドシオカラウルトラミックスモダン」のすりみ連合パートのメロディが次回作の追加コンテンツの最終盤で流れるという考察の根拠です。
補足
ここで、すりみパートが公開された時点ではフェスの結果は分かっておらず、追加コンテンツのテーマも決まってないのに伏線を貼っているのはおかしいと感じる方もいるかもしれません。しかしこれまでの例を見てみると、ストーリーモードの具体的な構想が決まる前から伏線の種が撒かれていたことがあるのが分かります。
下の画像は『2』のヒーローモード終盤に関するファミ通の開発者インタビューの抜粋です。
この記事によると、『1』の「トキメキ☆ボムラッシュ」と「スミソアエの夜」は、ラストフェスが終了するまでどちらの陣営が勝つか分からず、『2』のヒーローモードのストーリーがどうなるか確定していなかったものの、当初からそれらの曲を『2』のヒーローモード終盤で使用する構想が練られており、ラストフェスの結果が出た後にそれを反映する形でストーリーを作ってきたようです。
このことから、すりみパートも『4』のストーリーモードで使う事をある程度想定して曲が作られており、グランドフェスティバル終了後に改めて「未来」の追加コンテンツの終盤に取り入れる事を決定したと考えられます。
おわりに
つたない文章でしたがここまで見ていただきありがとうございます。この考察を通して次回作をより待ち遠しく感じていただけたら筆者としても嬉しい限りです。
今回参加させていただいた企画、#SplatoonAdventCalendar2024
ではスプラトゥーンの愛に溢れた素敵な創作がたくさん投稿されています。ぜひチェックしてみてください!
改めて見ていただきありがとうございました!