①こうして私は新興宗教の信者にされた。
忘れもしない、高2の夏の夜中、父親に「みんな笑顔で帰ってこれるから」
と、それ以上の事は言われず、強引に車に乗せられました。
高校2年生、多少は反発したと思います。
父親
「コウスケも笑顔で帰って来たから!」
コウスケは、私の幼馴染の優秀な男子で、同じ高2。
父親の同僚の子供で、馴染みはありましたし、コウスケの事は、私自身も尊敬もしていました。
コウスケも笑顔で帰って来たのなら、と、観念した様に思います。
夜に高速に乗って、暑く、湿っぽく、胸騒ぎのする不気味な夜でした。
やがて、寝てしまって、気づいたら朝でした。
知らない大きな川が流れていて、実家とはだいぶ離れたなと、感じました。
ここがどこかわからない。
そこから、多少、車で山を登った様な気がします。ある民家に着きました。
めちゃくちゃ汚い小屋みたいなところで、かなり狭かったです。
父親はいなくなり、私と母親だけになりました。
その後、2組の、同じく母と子供という組み合わせでした。
1組は高1男子と母親。
もう1組は、中学生の姉妹と、太った母親。
そして、うちの母と私。
この7人での生活が始まります。
民宿にはおばさんがいて、ご飯を世話してくれるんだけど、忘れもしない、夕飯の油揚げが、
腐っていた。
うちの母と、誰かの母親が「これも修行だから。わざと試してるのかも。」と言いながら
食べていたのが不気味で忘れられません。
翌朝だか、2日後だか、覚えていないけど
母親たちから説法を聞きに行くからと言われて
説法は7時間正座して聴く事、耐えられたもののみ、合格となる、と説明されました。
狭い空間に7人で過ごすと、妙な親近感?が湧いて、みんなでその説法を乗り越えよう!みたいな流れになりました。
今考えても怖いです。
姉妹はとても人懐っこくて、ぼわーんとした子達で癒し系で、すぐ仲良くなりました。
ぼわーんとしてるので、この姉妹が説法を乗り越えられるのか、みんなで心配していました。
姉妹のお父さんは医者でした。
朝に車で更に山を登り、お寺?の様なところに到着しました。
まず、ここでダメな人はダメやからと、説明されて、息を呑んで向かい、門を潜りました。
とりあえずみんな合格でした。
はっきりは覚えていないけど、座布団が並んでおり、たくさんの人、いろんな年齢の人が座っており、母親たちは縁側に移動させられました。
説法は驚きの内容でした。
それは、洗脳の第一歩でした。