
人工死産の記録③人工死産 入院1日目
この記録は、入院1日目にリアルタイムに更新していたため、あちこちに考えが飛んだりしています。自分のための記録でもあるので、そのままにしています。ご容赦ください。
9:00 受付
9:30 病室に案内(夫と別れる)
大部屋が個室か選ぶことになり、個室にしました。
10:00 看護師さんと今後のスケジュールや赤ちゃんに何するか、処置の希望についての会話
この時に以下を紙に書いて伝えました。
胎児について
- 性別が分かれば教えて欲しい
- 見つかった異常の診断名を教えて欲しい
- 最後のエコーの写真が欲しい
- 残せるのなら足形手形がほしい
- 母子手帳に記録を残して欲しい
処置について
- 胎盤を出す時は麻酔をして欲しい
- 痛み止めを処方して欲しい
- 睡眠薬がほしい
- いつから不妊治療が可能か教えて欲しい
10:30 ラミナリア 3mm&エコー
エコーをしました。
「見ますか?」と聞かれ、見ますと答えました。
背骨もしっかり見えていましたが、素人目にみてもむくみがひどく、仕方ないなと改めて感じます。また、心臓は動いていました。
心臓が止まっていたら、保険適用になって費用だけでも下がるのですが…。心臓が止まっていることを祈る日が来るとは。
希望どおりエコー写真ももらえました。まえのエコーよりも成長していて6センチになっていました。
生きるつもりで成長してるんだな、と悲しくなりました。私と夫の判断で、ここで諦めます。私がここで終わらせると決めました。
また、希望について、性別はこの時期だと判断がつかないので不明なこと、足形手形も綺麗には残せないことを伝えられました。母子手帳の記録は快諾してもらい、エコーもその場でもらいました。
ダメ元だったので事前に説明されて安心しました。非常に丁寧なコミュニケーションと感じます。
この時の処置は、ラミナリアという海綿のような棒を子宮口にいれて広げる処置でした。軽い痛みと内臓を触られる感覚が不快でした。
次はお昼ご飯の後にラミナリア5mmとのことです。
明日は分娩のため食事が全く取れないのでそれが悲しいです。この病院めちゃくちゃご飯が美味しいのに…。
ラミナリア3mmはまだ平気そうです。
赤ちゃんの頭が2センチあるようなので、子宮口の開きを見て後どれくらいで出てくれるかなどを判断するそうです。明日が怖い。
12:00 ひるごはん
今日しかご飯を食べられないので、楽しみにしていた病院食。めちゃくちゃ美味い。毎日これを届けて欲しいです。
12:28に役所に連絡して死産する旨を伝えました。後々予定日付近で電話がかかってくるらしく、それは避けたかったので。かなりあっさり承られて本当に書面に残してもらえるのか不安だが、これで終わったならヨシとします。仮に来年電話でもかかってこようものなら市に抗議します。
13:00 ラミナリア5mmに入れ替え
3mmは余裕でしたが、5mmはちょっと生理痛のような痛みです。
いつもの生理痛くらい。鎮痛薬は飲まなくてもいいかな〜くらいの痛さ。
寝ている時もたまにズキッとします。
ここからはあと3時間後に細いラミナリアを4-7本くらい入れるとのこと。明日までに子宮口が2センチ開いていたらいいかな〜とのことでした。
入院という非日常で、緊張して涙が出なくなってきました。それよりも、痛みが怖いです。内診の時に中を確認される気持ち悪さにいつまで経ってもなれないです。
子宮口2センチもそれなりに痛いよな…。よく7センチからがかなり痛いときくので、今回は胎児のサイズを考えるとそこまで開く必要がないのが幸いです。決断が早い方が母体が少しでも楽なのはこういうことなんだろうな。
あとは棺に納めるための敷布団(もしくは掛け布団)も編み終わりました。かぎ針編みは初めてだったのでかなり不格好ですが、私なりに頑張ったのでよいかなと…。
棺が必要になるかもとのことで、Amazonで箱を見繕っておきました。
涙が出ないのが怖いな、緊張でアドレナリン出てるな、全て終わった後にガタガタになりそうです。
次の処置までの時間はなにもすることがなく、トツキトオカでエコー写真と妊娠記録の印刷を注文しました。私の人生の記録として残しておくべきだと思ってです。届く頃にダメージ受けるかもしれませんが、それでも記録として残したいと思いました。
あとは、noteで死産や中期中絶の記録を読み漁りました。感じ方も産む経験も人それぞれ違っていて、それでも私の慰めになりました。
色々見ていて思ったのは、やはりいつ中絶するかによって処置がちがう。なぜ中絶するか、死産になったか、理由によっても心の持ちようが違う。
12週というギリギリ中期中絶になるタイミングで、私たちが迷わずに命を終わらせる覚悟ができるほど先が見えない状態であったのは、不幸中の幸いだったかもしれません。そう思いたい。
16:00 ラミナリア5本
13:00に入れたラミナリアを抜き、5本いれました。今日の処置はこれで終わりです。
13:00に入れていた分は慣れて16:00には痛くなくなっていました。抜かれる時も私は痛くなかったです。
入れ直す時は、何本入れられているのかが分からないままお腹を触られている恐怖が強かったです。幸い、これも入れている時は痛くなくてすみました。入れた後から重めの生理痛のような痛みです。これで明日の子宮口の開き次第になりますが、2センチあいていれば上手く分娩にうつれるし、あいていなければバルーンになります。
想像して震えていたほどは痛くなくて助かっていますが、このあとふくらんでからが怖いなという気持ちもあります。
夫が面会に来てくれるけど泣いてしまいそうだ…。
17:00 夫の面会
ラミナリアは入れた直後が痛いものの、その後はあまり痛くありません。まだ膨れきってないからなのか、わたしの子宮口がたまたま柔らかいのか鈍感なのか…。
夫が面会に来て、一言目に「元気か?」と聞かれて詰まってしまいました。
辛いとも、元気とも答えられず泣いてしまいそうでした。
今日行った処置、明日の処置、分娩室に移動する時に来て欲しいことなどを話しました。
でもやっぱり胎児のことは話せないです。夫は胎児が「出たら」と表現しました。正直、私も同じです。病院で「赤ちゃん」「産む」と言われたからそう表現していますが、12wの胎児を赤ちゃんとして産むというのは少し遠い感覚です。
最後にハグをしたらつい泣いてしまいました。夫はわたしには泣いているところを見せないので、足早に去っていきました。私は私で受け止めて、夫は夫で受け止めて、それでも擦り合わせながら生きていくのは、私たちらしいかもしれません。
18:00 晩ご飯
夫が去った後ひととおり泣いて、「私たちじゃなくてもよかったよね」と過ぎったり「いや、でも誰かならよかった、ではない」と否定してみたりしていました。
ご飯が美味しくて救われます。
普段なら絶対たべない魚のフライがおいしい。看護師さんに何の魚か聞いておきたい。
今ちょっと自分のnoteを振り返ってみたら、8月にピルをやめて9月に妊活を始めて1回目の人工授精で陽性になって10月に胎嚢確認して11月末のいま死産に向き合うというとんでもないスケジュールでした。
怒涛すぎて…。妊活をしなければこんな悲しさもなかったけれど、妊活をしなければ子どももまた望めない。明日の分娩後、来週、来年には元気になれているかな。
そういえばこの病院は赤子の声も聞こえないし、他の患者の気配も限りなく薄いです。私が部屋から出たら妊婦さんに会うけど、出なければまるで1人のよう。
看護師さんは向き合ってくれるし、先生も同様に目を見て話してくれるます。
次の妊娠も、絶対ここでお世話になりたいと思える病院でよかったです。
20:00 点滴
点滴開始までに水を取りに行った。
待合で家族とテレビ電話している人がいました。お腹が大きいわけではなかったです。ここは産科だけじゃないのでいろんな人が入院しているのだなと思いました。
歩くとお腹がズキズキするものの、耐えられない痛みではないです。生理痛に近い感じ。
今の気分だとTwitterも見たくないので、暇な時になにをしたらよいか分からなくなってしまいました。
退院後にしたいことを整理したり、noteに戻ってきたりを繰り返しています。他の人の死産や中期中絶レポもnote内のタグがあるものは大体読み切ってしまいました。
しばらくして、2回目の抗生剤の点滴が開始しました。お腹の痛みがキツくないのが幸いですが、明日の陣痛が怖いです。
子宮が小さい分多少痛くないかもしれないけれど、めちゃくちゃ怖いです。でも、変な表現だけれど、本番の予行練習なのかな。産むのが怖かった私へのお試し機会なのかな。
胎児がいる理由なんて存在しないし、意味を与える必要もなく、そこにいる事実だけで十分だと思っていますが、機会には前向きに取り組みたいです。か
そしてこんな時に限ってそんな頻繁には連絡を取らない人から連絡が来たりして、でもこの状態を言うテンションの連絡じゃないし、何でこのタイミングなんだろう。一つは「○○(友人)って出産終わったのかな?」って連絡です。「私は明日12週で分娩だよ」って言ってやろうか。不思議です。
21:00 消灯
明日は6:30に起きて準備するそうです。促進剤を入れるのは8時から。
3時間おきに膣錠をいれます。
明日はきっとメモを取る余裕はない気がする。覚悟はあるけどこわい。痛みが怖い。無事に終わりますように。
今日はもう薬飲んで寝ます。