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ギターを始めたい方へ

ギターを始めたい。
そういう旨の投稿をSNSとか掲示板で見る度に何か助言を与えたくなるが、いつも圧を与えていないか、緊張感を与えていないか、不安にさせないか等ギターを選んで音楽をやってきた身としてはかなり悩みの種となる。
僕は単純に音楽を作り出す人が増えて欲しいし、その体験や演奏の質が高くなることを望んでいる。
個人に送るのもいいが、今回は始めようとする方や初心者へどんなものを教えたいかまとめようと試みる。

まず音楽をするということについて。
音楽をするとは何か。
それは聴く、演奏する、曲を作る。
ということだ。
それぞれに正解はない。
君の感じたことが間違いであることはない。
だけど他の人の答えも聞こう。
ありとあらゆる音楽を聴こう。
音楽の歴史は長い。
きっと君の好みは見つかるだろう。
邦楽も洋楽も民族音楽もクラシックも聴こう。
思いがけない出会いがあるはずだ。
それでどこか使命を感じたり、音楽的、芸術的な何かをしたくなったりするだろう。
その熱を持ったのなら楽器を持つべきだ。

さて、僕はギタリストなのでギターを勧めたい。
必要なものは、アコギであれば本体のみでもいい。
強いて言うならチューナーが必要だが、最悪スマホでも可能だ。(BOSSがチューナーアプリを出してたりする。)
ちょっとした耳の訓練の為に音叉を使った調律をやってもいいだろう。
毎日弾いてると自然に調律のズレに気づいたり、チューナーなしで調律できたりする。
演奏上便利なものとしてカポタストも買ってもいい。
詳しいことは長くなってしまうので省略するが、簡単に言えば曲の演奏を楽にしたり、曲のキーを簡単に変えたりできるものだ。
使い方によっては演奏の幅も広がるので持ってていい。

エレキギターであればシールドとアンプがなければ楽器としてほぼ成立しない。
あとはエフェクター、とくにオーバードライブ等の歪み(ひずみ)系を用意したいところ。
そうすれば大体の人が想像するであろう最低限のエレキギターらしさは持てるだろう。
基本家で弾くのであれば、エフェクター搭載のアンプを持ったりするのも安上がりだろう。

これだけあればとりあえずギターを弾く用意は整うだろう。
あとはピックを100円で買うくらいか。

続いてどんな練習をすればいいかという話だが、正直そこは何を目的にして手にしたかにもよる。
言ってしまえば好きにやってくれといった話になる。
練習法は調べればいくらでも知ることができる時代にわざわざ僕がここに書き記す必要はないと思う。
一番やる気が続いて上達するので言えば好きな曲のコードとかを調べて弾くのが良いだろう。
そこから自分に足りないと思うものを練習するなり調べるなどを続ければいいと考える。
何を目指すかに関わらず本気で追求すれば楽しいものだ。
とは言いつつ、個人的に腕を上げるのに必要な練習を一応取り上げておこう。

・リズム練習
・タイム練習
・運指練習
・コードボイシング練習

これくらいだろうか。
リズム練習に関しては最早楽器すらいらないものだが、拍の感覚を得る練習になる。
内容は、重心となる拍(強拍)に手拍子、弱拍に足踏みを入れるものだ。
(メトロノームを60bpmで鳴らして、鳴っていない部分に手拍子を入れて120bpmのドラムっぽくしてみるのもあり)
まさにドラマーがやってることをそのまま手足でやってることになる。
仮に4/4として、クラシックや民謡、民族音楽などは1,3に手拍子、ポップス(特にアメリカ由来)であれば2,4に手拍子といった感じになる。
それぞれ頭重心、バックビートと区別されるもので、音楽の心臓部分を担うものだ。
これもこれで説明を簡潔にすると、曲のリズムの始まる場所が違う。
頭重心なら1拍目だが、バックビートなら4拍目から手拍子が始まる。
仮に同じ旋律が合わせられたとしても感じ方も変わる。
そこは是非調べて聴き比べてほしいものだ。

タイム練習はテンポを維持し続ける練習のことだ。
メトロノームに合わせて曲を弾くとか〇分音符を弾き続けるなどする練習だ。
やることは似ているが、リズム練習と混同しないように注意したい。

運指練習は若干幅広い話だが、共通して効率よく弾く練習のことである。
単音を素早く弾くとか、コードを最適に押さえるという話だ。
あとは単音同士の距離と位置、関係性を学べる練習でもある。

コードボイシングは運指練習の発展で、例えばC(構成音はドミソ)を弾くにしても各弦にそれぞれの音が鳴る点があり、ここのドを最低音にするとしたら、最低音をソとしたら…という練習で、自分で音を探す作業になるためにかなり運指の効率化や指板の理解ができる練習になる。

長々とやってほしい練習法を書いたが、まず前提条件としてすぐにギターを手に取れる環境にすることをおすすめする。
練習する気になれなくてもとりあえずギターを抱えられるようにすれば、自然と練習は捗るし、やる気も上がるものだ。
つまりギタースタンドかハンガーか何かでギターを裸のまま傍に置いてほしい。
ギタリストはほとんどそうしている。

もう一度繰り返しになるが、楽しめればいい。
義務感に駆られてしまっては楽しくない。
やりたいと思ってくれたのなら何よりだ。
一先ず弾きたい曲のコード譜や楽譜でも用意してギターの調律だけすればとりあえずいいと思う。

ギターを弾く心得はこれくらいにして、あとはあった方がいいものを纏めるとしよう。

・チューナー
・ギターストラップ
・ピック
・メトロノーム(電子)
・ストリングカッター/ニッパー
・替え弦
・カポタスト
・六角レンチ
・エフェクター
・シールド
・アンプ

他にも沢山あるが、活動を続けていくうちに知っていくことになるのでこれくらいにしておく。

最後に予算の話になるが、個人的には安くてギター本体に2万は用意してほしいと考えている。
というのも、音の善し悪し以前に楽器として成立しているかの話に関わりがある。
安い価格帯になると、ネックの処理が甘くて手を怪我しやすいだとか初期不良が起きやすいなどがあり、それが初心者に起きたとなればかなりの挫折感をもたらす危険がある。
安いギターを買うにしても、経験者や信頼できる楽器店を頼りにしてほしい。

ここまで読んでくれて本当にありがとう。
是非とも人生のBGMにギターを乗せてみては如何だろうか。
それでは、良い人生を。


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