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どっちもあり!自分なりの中間地点を探そう『nendo×サントリー美術館』

ヒトは何かとカテゴライズしたがる生き物だなぁと思います。

君は
体育会系?文化系?
理系?文系?
直感派?論理派?
と二択で答えを求められがちです。

私は文化系だけど、ダンスは得意。
文系だけど、時刻表を調べて乗り換えを緻密に組み立てるのは好き。
歯磨きをしていて急にアイデアがひらめくことはよくあるけれど、思慮深くないテキトー発言は好きじゃない。

と、自分の性格や好きなことを二択の枠組みに当てはめようとすると、無理が生じる。。

サントリー美術館の展示はあえてそんなことをテーマにした斬新な内容でした。

「nendo × Suntory Museum of Art
information or inspiration? 左脳と右脳でたのしむ日本の美」

展示されているのはサントリー美術館が所蔵している美術品の数々なのですが、その展示手法がかなり実験的な訳で。。

この展示の企画制作を手がけたのは世界に活躍の場を広げ、日本のデザイン界を牽引する佐藤オオキさんが代表を務めるデザインオフィスnendo。

展示フロアのスタート地点には入り口が2つ用意されていて、どちらから入ってもオッケー。
Information?
inspiration?
あなたはどちらから見たい?
と問われ、それぞれ好きな道を選びます。

実際に回ってみた結果、
私なりの捉え方で行くと、
Inspirationの道は、なぜ?の問いで
Informationの道は、なるほど!の答えのように呼応しているな、と感じました。

ひとつのガラス細工が織り成す美しい輝きにハッとし、なぜこれがきれいなのか?凄い美術品なのか?が気になりだします。

そしてその作品が作られた歴史的背景や、高度な職人技の詳細を知り、その素晴らしさがストンと腹落ちするという。。

私は脳科学の専門的な知識が皆無なのですが、人は何かを観た時、その物体を右脳左脳の両方で認識し、その存在意義や自分にとっての重要性を判断しているのではないでしょうか。。

その認識の過程をあえて片方ずつ切り離したらどんなことが起きるか?の実験を今回nendoはやってみたのかな、と感じました。

私はメディア関係の仕事をしていますが、歳を重ねるにつれ自分が得意じゃないこともやらなきゃいけなくなっていることを痛感しています。

メディア関係者というといかにも直感派、右脳派が圧倒的多数を占めているイメージを持つ方も多いかもしれませんが、自分の所属する部門の予算を作ったり、事業計画書を書いて上司を説得したりしなきゃいけません。

私、直感派で文系だから、出来ないの。。とはなかなか言えない。だって仕事ですので。笑

会社に所属しているんだからそりゃそうだという声も聞こえてきそうですが、自営でやっているデザイナーやライターなどいわゆる「右脳的な」職業の友人と話すと、めちゃくちゃビジネス的視点を磨いていて驚かされることがよくあります。会社勤め人よりむしろよっぽど論理的だし、枠組み作りが上手だったりします。

今回の展示も
日本美術をどうやったら幅広い層に関心を持って観てもらえるか?という美術館が抱えている課題に対して、その解決手法をnendoのメンバーが考案し、実践し、結果今までサントリー美術館の所蔵品をみたことがなかった人に観てもらえたのだとしたら、、、

あれ?これってめちゃくちゃ論理的なビジネスソリューションになってない??と気付かされたりして。。

佐藤オオキさん率いるnendoの素晴らしいバランス感覚に感心するばかりです。

私も二択に縛られずに自分なりの中間地点を探してみたいと気持ちを新たにした1日でした。

アイスクリップ

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