【ICDS社内ニュース】振り込め詐欺防止! 当社社員が警察署長から感謝状を受け取りました
こんにちは! ICDS広報担当の加藤葉子(かとうようこ)です。
テレビや新聞で、一般の方が警察から感謝状をもらう、というニュースをときどき見かけることがあります。どんな人、どんな事が表彰の対象になるのか……気になる方も多いのではないでしょうか? そんななか、当社社員が振り込め詐欺の未然防止に貢献したということで、警察署長から感謝状を受け取ったという話題が届きました。早速話を聞いてきましたので、ご報告させていただきます。
1.警察署長からの感謝状
――おめでとうございます! …と言うのが正しいのでしょうか。とにかく、警察から感謝状が届くなんて素晴らしいですね。まずは、受け取った感謝状を見せてください!
はい、これが感謝状です! 大きさは、卒業証書のような一般的な縦書きの賞状と同じです。感謝状と合わせて、額縁と警察のマスコットキャラクターのキーホルダーももらいました。
受け取ったのは、事件発生から3~4週間後です。警察官が自宅にやってきて手渡しで受け取りました。
2.振り込め詐欺の実情
――振り込め詐欺を未然に防止した、ということですが、具体的にはどんな状況だったのでしょうか?
義理の母の通院に付き添った帰り、銀行に寄ったらスマホで話しながらATMを操作しているおじいさんに遭遇したのです。振り込め詐欺の啓発ポスターで見かける様子そのものでした。一瞬目を疑ってしまいましたが、聞き耳を立てると明らかに誰かに誘導されていることが感じ取れました。私は日ごろから気になると知らない人でもつい声をかけてしまう性格なので、いつものように何気ないふりを装っておじいさんに声をかけてみました。
すると、「区役所から電話があって、還付金を受け取るために銀行のコールセンターと話をしている。」と言うではありませんか。コールセンターと話すならATM備え付けの電話で話せば済むはず。これは典型的な振り込め詐欺だと思いました。それで、私に電話を替わってもらい、改めて折り返すことを伝えて振込を止めることに成功しました。同時に、すぐに備え付けの電話で銀行の窓口に状況を伝えました。いくつかのやりとりがあって、確実に詐欺だということが分かると、ほどなくして警察官が到着しました。
――話でよく聞く、振り込め詐欺の現場そのものですね。電話を替わって直接話したということですが、いわゆる「かけ子」と呼ばれる人物と話してみて、どんな印象を持ちましたか?
声の感じから若い男の人だと思いました。こちらがいろいろと聞いても、相手もすっかりコールセンターのスタッフを演じきっているので「個人情報なので教えられない。」の一点張り。若干切れ気味の口調になるときもありましたが、堂々とした対応に、「もしかしたら詐欺ではないのかも。」と思ってしまうほどでした。
私は普段、ヘルプデスク業務でお客様からの問い合わせ対応をしているので、電話で状況を説明して相手に動いてもらうことの難しさをよく知っています。顔の見えない会話で相手を信頼させたり、指示どおりの行動をさせたりすることはマニュアルだけでは成しえず、相当な訓練を積んでいるような印象を受けました。こうした力を詐欺という犯罪ではなく、私のようなヘルプデスク業務や本物のコールセンターなど丁寧な対話による信頼構築が求められるような場面で発揮されることを願いたいです。これから犯罪に手を染めるようとしている人たちへの啓発にもなりたいと、今、感謝状を飾れる場所を探しています。
――でも、詐欺を未然に防げて良かったですね。おじいさんもほっとしたことでしょう。いかがでしたか?
警察官が来てから分かったのですが、おじいさんは、その1~2時間前に同じ手口ですでに50万円ほど振り込んでしまっていたらしいのです。最初は自分の還付金、その後、奥様の還付金を受け取るために再びATMにやってきたところで私に声をかけられたそうです。こういった詐欺の場合、短時間のうちに残金が無くなるまで何度も振り込みをさせることが手口だ、ということを警察官から聞きました。何よりも、杖が必要な身体で、暑いなか自宅と銀行を二往復したことを思うと、本当にやるせませんよね。
落ち着いてから話を聞いたところ、「不安に思ってはいても誰にも相談できなかったのでATMに来るしかなかった。」と言っておられました。また、「区役所からの指示だと聞くと、行かなければならないと思ってしまった。」とも言っていました。これは私の想像ですが、真っ当に生きているからこそ、強い責任感がそうさせてしまったのでは、と考えさせられました。
もし、これが自分の親だったら、「しっかりしてよ!」と責めてしまうと思うのです。だから、もしかしたらおじいさんも、帰ってからご家族に責められるかもしれないと思い、おじいさんには、悪いのは詐欺であることと、騙された自分を責める必要は全くないということを精いっぱい伝えました。お金を失ってしまっただけでなく、そのことでおじいさんがさらにつらい思いをするのだとしたら本当に気の毒です。
あとがき
今回、警察署長から感謝状をもらった、ということが気になってインタビューをお願いしたわけですが、いざ聞いてみると振り込め詐欺のリアルなお話で、ため息をつきながら頷くしかありませんでした。
スマホで話しながらATMを操作している人を見かけても、声をかける勇気がある人はなかなかいないと思います。インタビューのなかで、「もし自分だったら」「もし親だったら」と言っていたのが印象に残りました。日ごろから相手の立場になって考えようと心がけているY子さんならではだな、と感心しました。
今後、ICDS noteでは、仕事の話だけでなく、社内のちょっとしたエピソードなども紹介していければと思います。